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リン



登場:原作(1話〜)TVアニメ版(1話〜)その他多くの作品
肩書:ケンを慕う少女 天帝の妹
CV
 [少女期]
  鈴木富子(TVアニメ版・他)
  坂本真綾(真救世主伝説、リバイブ)
  伊藤かな恵(北斗無双)
  倖月美和(AC版格闘ゲーム)
  あきやまかおる(DS版)
  M・A・O(DD北斗の拳)
  沖佳苗(スマートショック)
  蒼井翔太(イチゴ味)
  釘宮理恵(北斗が如く)
 [成長後]
  冨永み〜な(TVアニメ版・他)
  伊藤かな恵(真北斗無双)
  坂本真綾(リバイブ)

 とある村に暮らす少女。目の前で両親を殺されたショックにより言葉を失っていたが、ケンシロウ秘孔を突かれ、心の叫びによって声を回復。その後、GOLANによって捕らえられるも、再びケンによって救われ、その後バットと共に旅に同行することとなった。目の前でケンの戦いを見届けるうち、逃げてはいけないという勇気を持つ少女へと成長。拳王侵攻隊に支配された際にも、ただ一人だけ忠誠に従わず、自ら死ぶほどの心の強さを見せた。その後も時代の為に散った数多くの男達の死を見届け、ラオウとの決着の後、ユリアと共に旅立つケンの背を涙で見送った。

 数年後、バットと共に北斗の軍を率いる若きリーダーへと成長。天帝軍との戦いを繰り広げる中、ケンシロウと念願の再会を果たし、共に戦うことに。遂には中央帝都へと乗り込むが、そこで己の頭の中に呼びかける天帝の声を聞き、帝都内へと突入。罠にかかり落とされた先で、天帝ルイと対面し、彼女が己の双子の姉であることが判明。己が生まれたとき、掟により殺されそうになっていた所を、ファルコに救われたことを知った。
 帝都崩壊後、ジャスクによって連れ去られ、修羅の国へ。修羅の花嫁とされるはずだったところをシャチによって連れ出され、ケンとハンを戦わせるためのエサとして利用された。その後、ケンによって救い出されるも、カイオウに連れ去られ、再び人質に。天帝の血により北斗琉拳の呪われた血を浄化するため、カイオウの子を産まされそうになった。その後、愛の無力かを知らしめんとするカイオウに破孔死環白を突かれ、記憶を消失。目覚めて最初に見たものを愛するという状態にされるも、ヒョウやバットに救われ、結果バットを愛することになった。

 結婚式の日、真実の愛ではないとしてバットに記憶を消され、ケンを思い出すための旅へ。その中で記憶を失ったケンと奇跡の再会を果たし、空白同士で新しい未来を創るようバットに仕向けられた。だがその後、ボルゲに殺されそうになったところをバットに救われ、記憶が復活。今まで自らの為に傷を負ってきたバットの愛に気付き、その最期を看取った。その後、バットの魂と生きる道を選ぶも、ケンの秘孔によってバットが生き返り、その復活に涙した。

 TVアニメ版では、ケンを追って村を出た後、KING軍に捕らえられ、奴隷としてドラドの街へ。そこでケン達と再会し、以後旅に同行する。またペルという名前の愛犬も登場し、聖帝編までは一緒に旅を続けた。

 ケンがトキ(アミバ)のもとへ向かった時には、ケンの帰りを待ちきれずに一人荒野へ。砂漠で行き倒れていたところをユウ親子に救われ、その後共に奇跡の村へと赴いた。

 TVアニメのキャラクター設定画にあるケンシロウとの身長の対比から計算すると、少女期の身長はおよそ109cmということになる(ケンの身長を公式設定の185cmとした場合)。


 『真救世主伝説 ラオウ伝 殉愛の章』では、バットの育ての母であるマーサの村に一人残る事に。その後、傷だらけで現れたレイナトキのもとへと運び、看病を手伝った。後にレイナが聖帝軍にやられた際にも傍に付き添い、修羅の国で待てとのラオウの伝言をレイナに伝えた。

 『劇場版 北斗の拳』では、不思議な力を持つ少女という設定に。ケンから渡されたユリアの花の種から花を咲かせり、ケンとラオウの死闘を制止したりした。


 『北斗の拳4 -七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ-』では、バットと共に暮らしていたが、主人公を誘き出すための人質として、元斗琉拳サガンに拉致され、魔道の島へ。各地へ転々と移送された後、魔天王を倒した主人公によって救出された。

 『北斗の拳5 -天魔流星伝 哀★絶章-』では、天帝の光で主人公を自らの下へ導き、主人公が生き別れの弟である事を告白。天帝の血を引く者として、北斗、南斗、元斗と共に魔皇帝と戦うよう告げた。後にルイと共に魔皇帝に連れ去られ、主人公をおびき寄せるための人質に。主人公亡き後、その意志を継がんとする主人公の息子に打倒魔皇帝を託し、ルイと共にその勝利を祈り続けた。

 『北斗の拳(セガサターン版)』では、バットとの結婚式の最中、暗黒の北斗に連れ拐われ、デスブラッド牢獄へ。その後、様々な軍団にかわるがわる拉致され、最終的には修羅の国のホシムの城に監禁。しかし天帝の気高さでホシムに正気を取り戻させ、そこでケンシロウとの再会を果たした。
 その後、姉ルイと共に新南斗五車星に匿われるも、ゼンオウの襲撃を受け、拘束。服従を拒んだため、処刑されそうになるが、天帝の光によってゼンオウの心を浄化。訪れたケンシロウと再度再会を果たし、改めてバットとの結婚式を挙げた。




 基本的にはバットとセットで考えられている彼女だが、その扱われ方は全然違う。天帝であることが判明する帝都編以降は勿論の事、少女時代にも数々の見せ場を作っており、特に拳王侵攻隊が攻めて来た際のアイリとのやりとり、忠誠を拒むシーンなどは北斗号泣シーンベスト3に入る名場面である。いるんだかいないんだかよく判らないバットとは大違いだ。とはいっても、いい意味ばかりではない。

 彼女には「勝手にいらぬ心配をして身勝手な行動を起こし、皆に迷惑を掛ける」という特性がある。アニメ版ではさらにその行動力をパワーアップさせ、完全な暴走娘と化した。まったくもって迷惑千万なこの娘の行動に、冷ややかな視線を送った人も多いだろう。かくいう私もその一人である。しかしよく考えてみると、彼女のこれらの行動は責めるわけにはいかない。カイオウを倒した後、ケンシロウは言っている。「リンは今日まで戦いの中に生きてきた。北斗を導き、救世主を生み出すために。」と。つまり彼女が危機に陥ってケンを呼ぶのは、そういう宿命だからなのである。宿命だったらなにをしても許されるのか、とも思うが、それに対してもYESと答えざるをえない。リンはいくらケンシロウに迷惑をかけてもお咎め無しな存在だからだ。

 ご存知の通りリンは天帝である。正規にその座に着いたのはルイであるが、天帝一族の血を引いていることには違いない。そしてケンシロウは北斗の拳士である。天帝と北斗。この二つの関係は何だろうか。ファルコはこういっている
 
「北斗七星は天帝の戦車といわれ、天帝の一戦士にすぎん!」
 
リハクもこういっている
 
「北斗神拳も元斗皇拳も本来は天帝守護の拳!!」
 
 つまりである。リンとケンシロウは主従関係にあるのだ。ルイとファルコの関係と同じなのである。ルイの命を最優先するためにジャコウに尽くしたファルコが如く、ケンはリンの危機に対して、自らの命を省みずに立ち向かわねばならない宿命を背負っているのだ。
 当然ケンシロウだけではない。北斗と南斗、そして元斗。これらに関する者はすべて本来ならリンに仕えねばならぬはずだったのである。立場的にはトキ、拳王様、カイオウ、そしてユリアまでもがリンの配下に過ぎないのだ。南斗五車星は必死でユリアを守っていたが、もっと守らねばならない存在はそのころフドウの肩の上にいたのである。

 こういう視点で北斗の拳を見た場合、そのイメージは激変する。第一話は救世主の登場でない。高貴な姫と、彼女に仕える宿命を持つ最強の戦士。荒廃した世を拾うため、神はまだお互いの境遇すら知らぬこの二人を運命的に出会わせたというお話になるのだ。

 たまにリンが涙を流しながらケンの名を呼ぶことがある。するとその時ケンは必ずと言っていいほどその叫びをキャッチし、危機を察知。リンの下へと駆けていく。これも全てはその主従関係が生んだ当然の出来事であって、奇跡などではなかった。主である天帝に危機が訪れようとしている時、ケンの北斗宗家の血がその危機をケンに教えていたのである。2000年のにわたって受け継がれてきた天帝への忠誠心が、今でも途絶えること無く、北斗宗家の血の中で生き続けていたのだ。ケンも不思議だっただろう「なんでこんな小娘を俺は必死で守っているんやろう。でも助けずにはおられへん。」と。

 「北斗を戦いに導く」という宿命に関して言えば、帝都編以降のほうがより顕著に現れている。特に目的のないケンシロウを動かしていたのは、全て彼女の存在であった。ケンが帰ってきたのはリンとバットに協力するためと、リンにユリアのネックレスを渡すため。その後の帝都との戦いも、意識はしていなかったけれどもリンの姉を救うためであった。修羅の国に渡ったのはもう100%リンを助けるためのみであり、後半いろいろな問題が絡んではきたものの、結局最後までリンを助けるという目的は残されたままラストを迎えた。見事な誘導具合である。それらの行動は、全て天帝の血が為した、リンに与えられた宿命だったのだ。宿命のためになら敵にも拐われるし、身勝手に動くし、なんだってするぜエンヤホラってなもんだ。

 帝都編では天帝というサプライズ要素でケンを牽引した彼女だが、それでは修羅の国編はどうか。帝都編と修羅の国編はほぼ繋がりが無いのだが、唯一二つを結びつけたキーワードは、やはり「天帝」であった。「天帝の血によって北斗琉拳の呪われた血を浄化する」という、最後のほうにはもう忘れ去られたような設定が、唯一帝都編から引き継がれた要素なのだ。しかし、カイオウもその事に大きく拘っている様子は無く、子供を生みたくなければ死ねとまで言ってしまう始末。ラストにはわざわざ自分からリンを荒野へと放ち、下衆者にリンを孕ませようとしていた。結局天帝の血とかなんて、最初からどうでもよかったのである。

 では修羅の国編でリンが発揮した力とはなにか?それは、「性の対象」となるまでに彼女が成長したことである。アルフに子を産まされかけたり、カイオウに孕まされかけたり、サモヌメを愛させられかけたりと、凄い勢いで貞操の危機を迎える様は、なによりも彼女の成長を感じられるシーンである。精神的に可也成長したと見られるバットに対し、身勝手な行動で迷惑をかける辺りが全くもって成長していないように見えるリンだが、そのバディはしっかりとオトナの体へと成長していたわけだ。
 しかし、それももしかしたら天帝の血が為した業なのかもしれない。彼女がそこまで魅力的な女性に成長できたのも、全ては天帝の血族だったからなのではないだろうか。天帝というのはすんごい美貌をもった人物で、その魅力で北斗南斗元斗を従えていたんじゃなかろうか。神をも超える力を持つ北斗が命をかけてまで守るべき人物となると、それはもうカリスマ性を超越した何かが必要であり、となるとそれはもう愛の力を置いて他には無い。全ては天帝への愛が、北斗をあそこまで強くしたのではないかとも考えられる。リンはその究極の萌え対象の末裔であるが故に、ストーリーを牽引できるほどの美女に成長したのではないだろうか。うーん、天帝ってすげえ。