ストーリー | 登場人物 | 流派・奥義 | STAFF |
は、1986年3月8日に全国東映系劇場にて公開されたアニメーション映画作品。TVアニメでは不可能だった過激な描写や、劇場用に書き下ろされたオリジナルストーリー、ケンシロウが敗北するというラストが当時話題を呼んだ。88年にビデオ化、95年にLD化、08年にDVD化されている。全110分。 ストーリーは原作のエピソードを一部残しつつも、ほぼ全面改装されている。とはいえ、原作のイメージを壊すような改変はなく、二時間弱という短い時間の中で、シン、レイ、ジャギ、ラオウといった個性的なキャラクター達のをしっかりと描ききれている。原作を知らない者でも十分に楽しめる作品と言えよう。むしろ、原作を知らない人にこそふさわしい作品のような気もする。北斗の拳の魅力を短時間で知りたいという人にこそオススメしたい。そのあと原作を読んで、真のストーリーを知ることで、二度おいしいとう愉しみ方も出来る。 しかしイメージを壊さないというのはメインキャラの話であって、B級クラスの悪党はほとんど原作とは違う立場で描かれている。ジャギ如きの手下にされているハートや、レイに一瞬でやられる獄長なんかは不憫でならない。カーネルやガルフなどは名も無き部下扱いだ。なんとも豪勢でもったいない使い方である。 画のほうは、TVアニメ版をより綺麗に、より滑らかに、そしてよりグロくした感じになっている。特にグロさは絶品で、TVアニメ版で自重せざるをえなかった鬱憤を、ここぞとばかりに晴らししているかのような気合の入れ方だ。今じゃ深夜アニメでだって放送できないレベルである。 この作品で最も話題となったのは、ビデオ化される際にストーリーの一部が変更された点。しかもそれがケンシロウとラオウの決着という最重要ポイントなのだから、なかなか大胆な改変である。今から思うと可也の大事件だ。個人的には、ケンを無視してリンとラオウが会話するというのが非常に不自然なので、この修正はちょっと無いなーと思っていた。DVDに付属されていたスペシャルインタビューで、監督の芦田氏も同じ事を語っている。結局何故変更されたのかは未だ判っていないらしい。きっと負けの美学が理解できない人からクレームが来たのだろう。 ちなみに劇場版のラストは幻とまで言われていたが、スカパーで放送されていたし、アニメコミックスもこちらが収録されているので、然程珍しくも無い。DVDも初回版には両方のEDが収録されている。レンタル版では収録されていないらしい。尚、ビデオ修正版のほうは、修正部分だけHDリマスター化されていないので映像が粗くなっている。少々なら気にも留めないが、ダビング10回くらいしたビデオテープ並の粗さはいくらなんでもちょっとヒドイと思う。 |