ストーリー | 登場人物 | 流派・奥義 | STAFF |
天空に二つの極星あり。すなわち北斗と南斗。 森羅万象、二極一対、男と女、陰と陽。 暗殺拳しかり、北斗神拳と南斗聖拳。 争ってはならぬ。争えばこの世が滅びる。 南北一体になった時、救世主現る・・・ 199X年。世界は核の炎に包まれた。 生き残った人々は、僅かな水と食糧を求め、 争いを繰り広げていた・・・ |
北斗神拳の伝承者に選ばれた男、ケンシロウ。その横で歩みを共にしていたのは、恋人のユリアであった。核の炎が齎した死の大地が、ユリアの心を悲しみに染める。だが、そんな世界の到来を歓迎する者もいた。二人の前へと現れた南斗聖拳のシンもまた、力こそが正義という理に乗った男の一人であった。南斗獄殺拳でケンシロウを破ったシンは、ユリアに自らを愛すると言わせる為、ケンの胸に次々と指を突き刺していく。ユリアが涙を流してシンへの愛を誓った時、ケンの胸には七つの傷が刻まれていた。お前に足りないのは欲望、執念だ。そう言ってシンは、瀕死のケンシロウを残し、ユリアを連れ去った。残されたのは、ユリアの懐から零れ落ちた、花の種が入った袋だけであった。 その出来事を崖の上から眺めていたのは、ケンの義兄であるラオウとジャギであった。不甲斐ない弟ケンシロウが伝承者であるという事実に、改めて怒りを覚えるジャギ。だがラオウには、伝承者の座などに興味は無かった。北斗はお前が拾えばいい。ラオウからそう告げられたジャギは、動けぬケンを崖下へと投げ落とし、伝承者として名乗りを上げたのであった。 先代北斗神拳伝承者、リュウケン。彼の役目は、伝承者となれなかったラオウの拳を封じることであった。だがラオウは、そんなリュウケンを前に宣言した。己が目指すのは天―――。もはや俺の拳を封じるものなどこの世には存在しないと。ラオウが去った後、北斗の寺院には、息絶えたリュウケンの死骸だけが残されていた。 |
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バギーで荒野を疾走するバットとリン。彼らの背後には、盗賊団・ZEEDの一味が迫っていた。激しい逃亡劇の末、追い詰められた二人に、ZEEDの魔の手が迫る。だがその時―――リンの心の叫びが、一人の男を蘇らせた。ビルを倒壊させながら現れたその男は、一瞬にして盗賊達を葬り去ったのであった。 リン達と共に男が村へと訪れて数刻後―――。ZEEDの本隊が、村の中へと攻め入ってきた。駆けつけた男は、雑魚達を蹴散らし、リンを捕らえるリーダーのもとへ。男の放つ無数の拳を全身に受けたリーダーは、身体を異形に変形させ、その身を肉片へと変えたのであった。その男―――ケンシロウの胸には、シンにやられた七つの傷が鮮やかに刻まれていた。 核の炎で両親を失い、言葉を失った少女リン。だがケンは、自分を呼び覚ましたのが、彼女の心の叫びであったことを知っていた。リンに不思議な力を感じるケンシロウは、彼女に秘孔を突き、そして小さな袋を託した。それは、ユリアが残した花の種―――リンならその花を咲かせられるかもしれないという、ケンの願いであった。村を去るケンシロウの背に向かい、リンはその名を呼んだ。ケンの突いた秘孔は、リンに声を蘇らせていたのであった。 |
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マントを纏う女に、ヌンチャクを振り下ろす盗賊。だが切り裂かれたマントの下から現れたのは、美しい一人の男―――南斗水鳥拳のレイであった。コケにされ、怒り狂う盗賊は、再びレイにヌンチャクを振りかざす。だが交錯した瞬間、盗賊の両腕は自分の肉体から切り離されていた。レイの目的、それは七つの傷の男を探しだし、殺すことであった―――。 とある村で、理不尽な虐待を行う悪党達。この御方の名を言ってみろ!そう言ってフォックスが指差していたのは、胸に七つの傷を持つ男「ケンシロウ」の胸像であった。その場に居合わせたレイは、フォックスに七つの傷の男の下へと案内させようとする。だがその時、もう一人の「七つの傷の男」が現れた。胸像を粉々に破壊し、男は言った。この男の名はジャギ。がつて兄と呼んだ男だ、と。 レイの手に残された血染めのケープ。それは、妹のアイリが結婚式につけるはずのものだった。だが村は「七つの傷の男」に襲われ、アイリもその男の手に墜ちたのだという。その男を殺し、アイリを取り戻すため、レイは鬼となってその男の行方を捜していたのだった。 |
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伝承者がケンシロウに決まったあの日―――、ジャギは銃を手に、ケンシロウに伝承者の辞退を迫った。しかし、彼の実力はケンに遠く及ばなかった。秘孔を突かれ、頭を醜く変えられたジャギは、ケンシロウへの恨みだけで今日まで生きてきたのであった。 ジャギのアジトへと辿り着いたケンシロウとレイは、用心棒のハートを撃破し、中へ。そこには、鉄の仮面を被ったジャギと、奴隷と化したアイリの姿があった。アイリを人質にケンシロウとレイを相殺させようとするジャギであったが、突如ジャギはその作戦を放棄した。自らの手でケンを葬る以外、彼の中の憎しみは晴れることはなかったのであった。 屋上での決闘に臨んだジャギであったが、その拳も武器も、何一つケンシロウには通用しなかった。だが彼には、ガソリンという奥の手が残されていた。ケンシロウを炎で囲たジャギは、勝利を確信する。だがジャギの明かした衝撃の事実に、ケンの怒りは頂点に達した。シンを狂わせ、ユリアを奪いさるよう命じたのは、全てジャギの謀略だったのである。屋上の床を破壊し、炎から逃れたケンシロウに、もはや義兄への敬意などなかった。ケンの怒りの拳を受けたジャギは、シンはサザンクロスにいる事を告げ、醜く爆ぜたのであった。 |
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サザンクロス―――。シンの築き上げたその街には、女王に仕立て上げられたユリアの姿があった。だが、彼女はそんな生き方を望んではいなかった。実りのある大地・・・そしてケンシロウとの静かな暮らし・・・。シンがいくら声をかけても、希望を失ったユリアの心を開く事はできなかった。 この世の覇権を握らんとする拳王の軍は、牙一族が支配する辺境の国にまで勢力を伸ばしていた。恐怖を持たず、ひたすら前進してくる拳王の軍勢に、劣勢を強いられる牙一族。得意の華山鋼鎧呼法で形勢逆転を計る牙大王であったが、ラオウの剛拳の前には鋼鉄の肉体も無意味であった。闘気で吹き飛ばされた牙大王の肉体は、内からの衝撃により、粉々に爆ぜたのであった。 ケンシロウは生きている―――。届けられたその報せは、ユリアの心に希望を取り戻させた。ケンに会いたい一心で、サザンクロスからの脱出を図るユリア。だが外の光が見えたその時、彼女の前に一人の男が立ちはだかった。それは、このサザンクロスを制圧するために訪れた拳王軍の王、ラオウであった。 玉座の間にて対峙するシンと拳王。ユリアを失い、闘う意味を見失うシンに、ラオウは言った。お前の女は俺が預かった、と。その言葉に、再び闘志を取り戻したシンであったが・・・ ケンがサザンクロスに辿りついた時、その栄華の街は炎に包まれていた。死体の山を超え、宮殿の中へと足を踏み入れたケンシロウは、遂にシンと再会を果たす。一年前とは違うその拳を、シンへと向けて放つケン。だがその時、シンの身体に、ケンのものとは違う拳痕が浮かび上がった。既にシンは、ラオウの拳の前に倒されていたのである。そしてユリアは連れ去られ、カサンドラへと囚われているとシンは語った。同じ女を愛したお前の手で死にたかった。最期にそういい残し、シンは息絶えた。ラオウを倒し、ユリアをその手に取り戻すため、ケンは鬼の哭く街カサンドラへと旅立つ・・・ |
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拳王軍の行進の中にいた一人の女性・・・彼女がユリアであることを、リンは直感で感じ取っていた。バットと共にカサンドラへと潜入したリンは、地下牢に囚われるユリアのもとへ。自らがケンへと渡した花の種が、リンの手によって咲かせられた事に、ユリアの失われかけていた希望は取り戻されつつあった。しかし、この暗黒の世に花が咲くことを、ラオウはまだ認めるわけにはいかなかった。 翌日、カサンドラの広場には、張り付けにされたユリアの姿があった。花を咲かせた者を名乗り出させる為、ラオウはユリアを人質にとったのである。飛び出そうとするリンを制し、前へ進み出たのはレイであった。襲い掛かるウイグルを一瞬で撃退し、ラオウの前へと立つレイ。だが命を賭した最後の攻撃も、ラオウには通用しなかった。リンの叫びを聞き、ケンが駆けつけた見たもの―――それは、ラオウに深々と指を突き入れられたレイの姿であった。 |
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お前はこの時代のためにも生き続けねばならない。そのレイの最期の言葉も、ケンを止めることは出来なかった。ユリアを取り戻すため、北斗の掟を守るため、ラオウへと挑みかかるケンシロウ。そしてラオウが父リュウケンをも殺したことを知った時、ケンの怒りは頂点に達した。北斗七死闘氣断。凄まじい闘気の環が、ケンシロウの身体を包み込む。ぶつかりあう二つの剛拳。大地を揺るがす二人の闘いは、周囲の廃墟をも吹き飛ばした。 劇場版 互いの身を鮮血に染めながら、死力を尽くして戦う二人の漢。凄絶なる死闘の果てに立っていたのは、ラオウであった。とどめをささんと、ケンの頭を踏みつけようとするラオウ。だがその時、闘いを止めるリンの声が響いた。 ビデオ版 互いの身を鮮血に染めながら、死力を尽くして戦う二人の漢。その死闘に決着をつけんと、二人の最期の一撃が交錯する。だがその時、二人の拳を止めるリンの声が響いた。 ラオウもまた、リンが持つ不思議な力を感じていた。俺もケンシロウもまだ死ぬわけにはいかない。何故ならお前はまだ幼すぎる。そう言い残し、ラオウは去っていった。二人の長い戦いは、まだ始まったばかりであった。 ケンは再び放浪の旅に出た。ラオウとの激闘の中、何処かに消えたユリアを探すために。砂嵐の中、ケンシロウが見たもの・・・それは、緑に包まれた草原と、笑顔で駆け回るユリアの幻であった。しかしそれは、決して叶わぬ希望ではなかった。ケンとラオウの闘いの跡、死んだ土が吹き飛ばされたその大地には、新たな草の芽が顔を出していた。 |
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