青幇
ちんぱん
『蒼天の拳』に登場した、1930年代の
上海に跋扈していた黒弊(ヤクザ)組織。
紅華会との抗争を繰り広げていたが、上海の虎と呼ばれる
潘光琳の台頭や、客人である
霞拳志郎の協力などにより、紅華会は半壊。1932年頃には上海の裏社会を仕切るまでに成長した。
しかし拳志郎が上海を去った後、後ろ盾であったフランス租界巡査総長の
ジタンダールが殺され、その後任に就いたのが紅華会と繋がる
ジャン・カルネであったことから、状況は一変。頭首である潘光琳が殺されたことで、勢力は一気に弱まり、幇は事実上解体。上海の主権も紅華会へと奪われた。
しかし1935年、上海へと戻ってきた霞拳志郎の手により、紅華会幹部達が次々と殺され、また死んだと思われていた潘光琳が牢獄から救出された事で、その勢力を再生。フランス陸軍情報武官である
シャルル・ド・ギーズからの資金援助などを得て、一気に上海を奪い返し、完全復活を果たした。
その後、紅華会二番頭・
張太炎による
馬賊を使っての襲撃や、紅華会御大・
章烈山の
第二紅華会構想などによる危機に見舞われるも、拳志郎の手によって紅華会が消滅したことで、完全に上海の裏社会を掌握。だがその中で、潘光琳が銃撃を浴びて一線から退く事となったため、その妹である
潘玉玲が新たな青幇の頭首の座に就くこととなった。
◆青幇の幇員
[弊主]
潘光琳
青幇の弊主。拳志郎の朋友。銃撃され、跡目を玉玲に譲る。
潘玉玲
潘光琳の妹。拳志郎の妻。兄の後を継いで弊主となる。
魏教父
かつての青幇の弊主。霊王に暗殺された。
黄金栄
かつての青幇の弊主。
[番頭]
葉
潘光琳の片腕。二丁拳銃の使い手。
翁洪元
潘兄妹の育ての親。次期弊主の座を狙い裏切りに走った。
周
潘光琳の兄弟分。紅華会の田学芳と内通していた。
宋全徳
青幇の番頭の一人。五叉門党に殺された。
高
幹部の一人。烈山が送り込んできた馬賊に店を3件焼かれた。
夏
六番頭。安楽宮の前で章の手下に頭を打ちぬかれた。
[殺し屋]
李永健
かつての青幇の殺し屋。溥儀の毒味役として日本へ渡った。
フクロウの顧
青幇一の殺し屋。フクロウに似ている。
[構成員]
葉子栄
葉の息子。
沈
元青幇。青幇狩りで妻と娘を連れて行かれ、自らは殺された。
拳法家
処刑遊戯でゴランと戦わされた拳法家。
景
かつて霊王が現れた時、玉玲に危機を伝えた。
ノミの孔
とてつもなく小さな身体を持つ男。
張
杜天風の船で料理人をしている男。
◆青幇の関係者
[客人]
霞拳志郎
潘光琳の朋友。玉玲の夫。北斗神拳伝承者。
[協力者]
シャルル・ド・ギーズ
フランス陸軍情報武官。青幇に大量の阿片を譲渡した。
ジタンダール
かつてのフランス租界巡査総長。紅華会に殺された。
楊美玉
潘兄妹の幼馴染。
北大路剛士
北大路財閥の総帥。
熊笹徳三郎
北大路物産上海支社の社長。
チャン
平和飯店のバーのマスター。
店の支配人
潘光琳の店の支配人。飛燕に腕を切られた。
王
抗日行動委員。潘光琳に杜天風の情報をリークした。
[元組員]
張
かつて葉の手下だった男。黄の部下となり大新世界の支配人になった。
朱富徳
通称ネズミの朱。張が死亡した後、大新世界の支配人になった。
◆青幇に関連するエリア
- 平安飯店
- 蘇州河のほとりにある店。かつて拳志郎や玉玲、楊美玉らがよく通っていた店であり、女優となった今でも楊美玉はこの店に通っている。ピアニストに扮した拳志郎が潜入し、楊美玉に近付いた。後にここのスカイバーで拳志郎と霊王が対決している。
- 平和飯店
- 拳志郎や潘兄妹、楊美玉らにとって思い出の店。紅華会の隆盛後、紅華会幹部達の会合場所として利用されていたが、その後青幇に奪い返された。記憶を取り戻しかけていた玉玲は、ここで拳志郎のピアノを聞くなどして記憶を取り戻し、再会の抱擁果たした。
- 大新世界
- 上海にある巨大賭博場。 かつては潘光琳が所有していたが、青幇壊滅後は紅華会の黄西飛のものとなり、張が支配人の座に。広間の中央に炮烙という名のリングを置き、処刑遊戯なる賭博マッチを開催し、ボクサーのゴランに青幇の残党を公開処刑させていた。黄の死亡後は田学芳のものとナリ、支配人に朱富徳がついたが、復活した潘光琳によって殺され、再び青幇の手に。その後は青幇の主要アジトとなった。
- 葉の家
- 葉親子が暮らしていたボロ家。霞拳志郎が子英の匂いを嗅いで追跡することでたどり着き、葉と再会を果たした。辺りでは紅華会とフランス軍による青幇狩りが頻繁に行われており、その日も紅華会の一人が訪れて包帯だらけの葉の体をいたぶった。
- 潘光琳邸
- 潘光琳の自宅。銃撃された潘が華福病院から退院した後、ここで療養した。羅虎城が上海に戻ってきた後は、青幇のアジトがわりとなっている。大湖弊が上海に侵攻してきた際には、杜天風が見舞いに訪れたり、国民党の戦闘機に爆撃されたりしている。
- 翁洪元邸
- 潘兄妹の恩人である翁洪元の屋敷。翁の誕生パーティーの日、潘光琳が裏切り者である翁を殺しに訪れたが、結局できず、代わりに拳志郎が翁を暗殺した。
- 玉玲が通っていた教会
- 玉玲がかつてよく祈りをささげていた教会。玉玲が黄浦江に浮かんでいた拳志郎を助けて介抱した場所でもある。かつて拳志郎は、ここの女神像の裏に手紙を残し、玉玲がそれを読んでいた。玉玲が記憶を失い、李秀宝となった後も、その記憶の断片が残っていたのか、キリストの像などの懐かしさを感じ、涙をながした。後に、流飛燕が玉玲にエリカのことを預けに訪れている。
- 揚子江飯店
- 潘光琳の店。李秀宝の馬賊を店に招き、潘自身が料理長となって、李秀宝に上海蟹の料理を出した。後に潘が部屋で刺客に銃撃されている。
- 阿片倉庫
- 青幇が阿片を貯蔵している倉庫。モグラの普がペストノミをばらまこうとした。その際は拳志郎のおかげで防がれたものの、後に章烈山によって結局燃やされた。
- 中国機に爆撃された潘の店
- 潘が所有する店。黄浦江沿岸にある。中国機が誤って落とした爆弾に巻き込まれ、破壊された。その後、店の前で拳志郎と流飛燕が戦った。
- 飛燕の教会
- 青幇が飛燕のために用意した教会。牧師となった飛燕がエリカと暮らすことになった。