馬賊
ばぞく
かつて実際に
満州国周辺で活動していた騎馬盗賊。支配を強める
関東軍(日本軍)との抗争が広がり、多くの者が満州を追われ、他の地への移住を余儀なくされた。
『蒼天の拳』では、
紅華会の二番頭である
張太炎から、青幇に対抗するための援軍を要請された
章烈山が、この馬賊達を上海へと派遣。列車や船などを使って、大勢の馬賊達が上海へと入り、街中で好き放題に暴れた。そんな中、
李秀宝率いる
王欖把の旅団は、王の朋友である
北大路剛士のもとを訪ね、日本軍への帰順を要請した。
紅華会壊滅後、章烈山は馬賊達を
第二紅華会の組員とするつもりでいたが、その半ばで烈山は改心し、御大に就くはずだった
羅虎城も死亡したため、目論みは崩れ去った。
◆馬賊一覧
- 王欖把の馬賊
- 王欖把の馬賊。1500人からなる抗日馬賊であり、日本軍から眼の敵にされている。かつては張作霖の正規軍である満州東北軍の軍人たちであったが、 日本人に満州を奪われたことで河北へと流れ、流浪の民となったという経歴を持つ。
芒狂雲により預けられた潘玉玲を、李秀宝として育て、僅か数年で頭目に。関東軍に捕らえられた郭ら10人の仲間を華麗に救い出すほどの凄腕に成長した。その後、抗日勢力への見せしめのために日に日に日本軍の攻撃が強まり、爆撃によって王欖把は死亡。国民党への支援を要請するも、章烈山に袖にされたため、王欖把の言いつけどおり、北大路剛士を通じての日本軍への帰順を決意。李秀宝が旅団長となり、上海を訪れ、日本陸軍の中将である大川奉作との交渉に臨んだ。大川は、李秀宝は有名すぎるとして処刑の意思を断固として変えようとしなかったが、閻王の助けもあり、全員がその罪を免じられる事に。その後、頭目である李秀宝は記憶を取り戻し、潘玉玲として拳志郎の妻に。手下たちは、銃を日本軍に買い取られ、一人ひとりに職も与えられたりと、厚い待遇を受けた。
- 章が送り込んだ馬賊(第一弾)
- 章烈山が、張太炎への援軍として上海に送り込んだ馬賊達。金や女のためなら親でも殺すと言われる河北や満州のならず者達であり、列車で到着した早々に国民党の警察官を殺すなど、暴れまくった。だがバスにのらんと乗り場に集まっていた所を、バスの運転手に扮した拳志郎に轢かれ、その後バスの中の青幇たちにハチの巣にされて全滅した。
- 章が送り込んだ馬賊(第二弾)
- 先に送り込んだ馬賊達が全滅させられた事を受け、章烈山が再度上海へと派遣した馬賊達。まとまっていたところを一網打尽にされた先の失敗を受け、様々なところから上陸することで的を絞らせぬ作戦を展開。共同租界で暴れ、青幇の高の店を三軒燃やすなどした。
烈山は、紅華会の援軍との名目で彼らを上海入りさせたが、本当の目的は第二紅華会の組員とすることであり、その御大の座には羅虎城を据えることを画策。ホテルへと集められた馬賊達は、行き場のない自分達に上海の地と資金を与えてくれたことで、羅虎城に心から崇拝し、完全に心を掌握された。だが章烈山が改心し、羅虎城も死んでしまったため、結局第二紅華会計画は頓挫し、その後彼らがどうなったのかは不明。
- 韓の馬賊
- 密雲県の馬賊。かつて日本軍に満州国を追われ、中国では東北人と蔑まれ、仕方なく馬賊へと身を落とした者達。章烈山の呼びかけによって上海へと乗り込むも、イギリス警官を殺したとの罪で、旅団長の韓を含む数人が処刑され、さらし首にされた。
- 河北会
- 上海のとある酒場を占領していた馬賊達。乗り込んできた拳志郎に秘孔を突かれた男は、満面の笑顔で拳志郎達を酒盛りの場へと招きいれた。
- 小民族の馬賊
- TVアニメ版で、ギーズと北大路が上海に呼び寄せようとした馬賊達。本来なら小民族の馬賊の代表達だけが訪れるはずだったが、張太炎はその召集を利用し、ならず者の馬賊達を上海へと上陸させた。
- 宇占海の馬賊
- 黒龍江省の馬賊集団。メンバーの一人である宇占海が、三年前(1933年頃?)に村の女を連れ去ろうとしたところ、居合わせた大川奉作の息子に制止されたため、銃で撃ち殺した。後に紅華会の援軍として上海へと赴いたが、拳志郎の手によって宇占海は暗殺され、その首を大川奉作のもとへと届けられている。
TVアニメ版では宇占海が仲間達とともにいたところに拳志郎が現れるシーンが描かれている。
- 如虎部隊
- 満州里の辺りを仕切っている強盗馬賊。親玉の天鬼がエリカに目をつけ、連れ去ろうとしたが、飛燕によって抹殺された。