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北大路剛士
きたおおじたけし



登場:第8話〜
肩書:北大路物産社長
CV:佐々木勝彦(アニメ蒼天の拳)
   長 克巳(REGENESIS)

 拳志郎の朋友の一人。阿片から兵器製造まで扱う北大路財閥の総帥。日本軍の顧問も務めている。かつて馬賊王欖把と共に、流浪の民の安息の地を作るという夢を描き、それをユダヤ人移住計画という形で立案。同じ志を持つシャルル・ド・ギーズと手を組み、上海にその桃源郷を作ろうとしている。

 かつて上海で紅華会陳永祥に襲われたところを拳志郎に救われ、以後友人に。日本に帰ってきた拳志郎に、自らが創始者である東和女子大学校の講師の職を与えるなどした。学園の生徒である自分の娘・を、拳志郎と結婚させたがっていたが、愛する者のために拳志郎が上海へと戻ったため、縁談は諦めた。

 その後、自らも上海へ上陸し、拳志郎と再会。ソフィーの弔いのために戦艦の空砲を鳴らしたり、李秀宝(潘玉玲)の処刑を止めるよう大川を説得したりと、様々な形で拳志郎に協力した。だがその一方で、ユダヤ人移住計画の方は暗礁に乗り上げ、同志であったギーズも志半ばで死亡。日中の戦争が激化した際には、蒋介石に和平の密使を送ろうとしたが、その最後の希望であった鮫島義山劉宗武に殺され、自らの無力を呪った。

 TVアニメ版では、拳志郎が北斗神拳の伝承者である事や、李秀宝の正体が潘玉玲であることを事前に知っていた(原作ではいずれも大川奉作との交渉時に知る)


 『蒼天の拳REGENESIS(アニメ)』では、ギーズの計画に賛同し、「希望の目録」の輸送や、流飛燕の護衛を手配。己の家に目録が届けられるはずだったが、その前にギーズが何者かに襲われ、叫び声を聞いて現場に駆けつけたところでヤサカと遭遇。静止しようとするもふっとばされ、その後、空ろな意識の中で、「光る手」を持つものにギーズが殺される瞬間を目撃した。(後にシメオンであったことが判明)
 その後、日中間の情勢が緊迫してきたことを受け、日本軍の中国への派兵を止めるために帰国している。故に鮫島義山関連のエピソードは描かれていない。





 これといった根拠も無いんだけど、蒼天の拳が始まって間もない頃、私はこの北大路さんが黒幕なんじゃないかって予想してたんですよね〜。だって財閥の総帥という凄い立場の人なのに、序盤にちょっと出ただけで以降しばらく出番なかったでしょ?こういうのって二時間ドラマとかじゃまず犯人・・・ではなく、その犯人が犯行に至る動機を作った一番悪い奴ポジションじゃないすか。拳志郎が紅華会をどんどん潰して行って、御大まで倒した後に「閻王とはお前だったか・・・」と言いながら真の黒幕・北大路フィクサーが満を持して登場するもんだと思ってたんですよ。まあそんな予想が恥ずかしくなるくらい、メチャクチャ良い人だったわけですけどね北大路さん。

 剛士君は・・・とにかく報われない人だったというイメージですね。若い頃に王欖把と共に夢見た桃源郷計画実現のため、財を投げうって満州を流民達のための国にしようとするが失敗。ならばと第二の桃源郷として上海に目をつけるが、日中関係の悪化でこれも頓挫。しかも最大の協力者であるギーズが死亡。最後の望みを掛けて蒋介石との会談を取り付けるが、密使である鮫島が宗武に暗殺されて完全終了。自らの無力さを呪いながら無念の涙を流し、そこで出番は終了という、なんとも救われない最後であった。長期に渡って登場したキャラクターだけに、もう少しなんか救いがあっても良かったのではないかと思う。

 その哀しみに拍車をかけるのが、彼の人柄の良さなんですよね。そもそも桃源郷計画も、ユダヤ人等の流民達や、敗戦国となったあとの日本人のための計画であり、自分の利益を度外視で行動してるっぽい。本気で儲けたいなら、ヘッケラーみたいに戦争を拡大させた方が兵器も阿片も売れてウハウハなのに、彼はなんとか戦争を止めようとしていた。金よりも義を重んじる人物なのだ。李秀宝の帰順の件でも、すんなり彼女が処刑されていれば仲介役として褒章もあったかもしれんが、彼女と彼女の部隊も救いたいなどと進言してしまっては、反逆者扱いされる事請け合いであり、デメリットしか残らなかっただろう。日本でも拳志郎に仕事を世話し、ソフィーの葬儀では拳志郎の頼みでバンバン空砲を撃ち続けた。う〜ん、良い人!超良い人だ!だからこそ・・・彼の報われなさが哀しい・・・・