楊美玉
やんびぎょく
登場:第22〜33、88話
肩書:女優 潘光琳の恋人
CV:大原さやか(アニメ)
浅川悠(ぱちんこ)
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中国一の人気女優。
潘光琳とその妹の
玉玲とはかつて同じ
孤児院で暮した幼馴染。潘光琳が
紅華会に捕まる以前は、結婚の約束も交わした恋人の仲であった。
売り出し中の頃に
呉東来に目をつけられ、何度も言い寄られたが、同じヤクザでも貴方と潘は違うとそれを拒絶。それが呉の嫉妬に火をつけてしまったため、潘光琳は既に殺されたものだと長く思い込んでいた。
数年後、
平安飯店にて、ピアニストに扮した
閻王・拳志郎と再会。玉玲を捨てた拳志郎の身勝手さに怒りをぶつけるが、その裏に隠された拳志郎の哀しみを知り、その優しき心に涙した。その後、玉玲を殺したのが
霊王であることを教えたり、自らの誕生パーティーに呉東来を招待するなどして、拳志郎に協力。後に
ギーズ大佐から、潘光琳がまだ生きていることを明かされ、彼が潘と手を組んで上海を手に入れようとしている事を知らされた。
玉玲が記憶を失って帰ってきた際は、思い出の場所である
平和飯店に姿を見せ、玉玲の記憶を取り戻すための手助けをした。
TVアニメ版では、
大新世界にて潘光琳と再会し、抱き合う姿が描かれた。その他、李秀宝が助かった事を祝う宴会の場にダンサーとして現れたり、拳志郎に玉玲の記憶を取り戻すための助言を与えたり、
教会で祈る李秀宝に像の裏に隠された手紙の事を教えたりなど、最終話辺りでの活躍が増えた。
拳志郎が上海に上陸した頃は、全身火傷のミイラ野郎とか、半分機械化されたヘッポコヤクザ共とか、金歯のゴリラボクサーとか、とにかく出てくるのはキッタナイ野郎ばかりであった。頼みの綱の子役も風呂に入ってねえ悪臭坊主ときたもんだ。これは早々に華が必要だとなった所で、見事その重責を果たしてくれたのが、この美玉姉さんであった。可愛い系のスレンダー美女である玉玲とは対照的な、わかりやすいほどのセクシー&ダイナマイトなキャラクターであり、特に初登場時の上下黒下着姿は、この作品に一気に艶を齎してくれた。中国一の女優との呼び名は伊達ではない。
しかし、若くして青幇の弊主となった潘光琳と、その兄に負けぬカリスマで跡目を継いだ妹・潘玉玲。この二人と共に孤児院で育ったのが、後の中国一の女優っていうのも出来すぎた話よね。とんだエリート孤児院だよ。
そんな彼女ではあるが、拳志郎達が潘を助けに公肇山荘に向かった所から、スパッと出番が無くなってしまった。玉玲の記憶を取り戻す際に一度だけ再登場したのが最後だ。潘との再会を心待ちにしていたのは拳志郎や青幇だけではない。恋人であり幼馴染である美玉は誰よりも潘の帰りを待ち、その腕の中に抱かれることを望んでいたはずだ。そして読者もまた二人の再会を見たかった筈である。
だが、彼女と潘の間柄は、そんな激情にまかせて動くような子供の恋ではないのだ。連絡するまでも無く、お互いがもう会わないほうがいいと考えていることを阿吽の呼吸で感じ、ただ静かに心の中で相手の幸せを祈り続けるという、高倉健映画クラスの大人の愛で繋がっているのである。
もはや2年前とは状況が違う。中国一の女優となった美玉が、ヤクザの首領とヨリを戻すなど、今の地位を捨てるに等しい行為だ。例え女優業を続けられたとしても、表舞台に立ち続ける限り、彼女は潘の最大のウィークポイントとして命を狙われ続け、同時にそれは青幇の危機にも繋がる。潘が彼女を傍で護ることができた2年前とは違うのである。美玉のためにも、潘のためにも、二人は今も燃え続ける愛を押し殺してでも別離れなければならなかったのだ。
それでも・・・潘が救出されたことを知って美玉が涙を流すシーンくらいはあってもよかったのでは・・・?とお思いの貴方は、TVアニメ版を見ましょう。