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リュウ



登場:原作(211〜237話) 新北斗の拳 北斗の拳4等
肩書:ラオウの息子
流派:北斗神拳
CV:矢島晶子(DD北斗の拳2)

 ラオウの遺児。赤子の時分にリセキのもとへ預けられ、勇敢な少年へと成長。へ戻ってきたケンシロウと共に、黒王号にのって試練の旅へ。その出発の直前、育ての親であるハクリ夫妻が殺されるという哀しみを背負った。

 ハクリ達の仇を取るため、コウケツの農場へ。捕らえられた子供達のもとへと潜入し、皆を奮い立たせて壮大な脱出劇を成功させた。その後コウケツに戦いを挑んで殺されそうになるも、ケンシロウによって救われ、その北斗神拳の凄まじさに恐怖を覚えた。

 雪原地帯へと訪れた際には、命を救ってくれたサラと共にサヴァ国を訪問。悩める国王アサムの哀しみ、そして圧倒的な力を持って三兄弟の心をひとつにしたケンの心をその目に焼き付けた。

 神の国ブランカでは、ラオウより拳を学んだというバランと出会い、妹ユウカの死により神を憎むバランの哀しき心を見抜き、その涙でバランの心を氷解。バランの凄絶な最後を見届けた。

 その後、幾多の経験によって幼くしてすでに哀しみを知る心を身に着けたとして、ケンと別離。いつか必ず父ラオウを超えることをケンに誓い、その後はバルガ親子と共に暮らすことになった。


 『ラオウ外伝 天の覇王』では、原作に登場する数年前のエピソードが描かれている。同じ村の子供達が捕まったと聞き、救出へと向かい、そこでラオウに父親を殺されたというロイと対峙。お前の親父は罪も無い人々を殺した悪魔だと罵られ、憧れていた父親像を崩された。だがその後現れた元拳王軍ジャックに、全ては世を平定するためであったことを教えられ、ロイの父から拳法を奪ったのも、全ての拳を後世に残すためであったことを教えられた。

 『北斗の拳4 -七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ-』では、成長した姿で登場。
父の愛したユリアの墓参りに訪れた際、その墓地の鍵を盗んだ盗人を追い、北の倉庫へ。そこで主人公達と出会い、慈母星の引き合わせだと感じ、仲間となった。
 主人公が魔天王に敗北した際、奴の剛拳に打ち勝つにはそれ以上の剛拳しかないと考え、練気闘座にて主人公と対決。その身体にラオウの剛拳を刻み込むことで、天将奔烈を会得させた。そして自らは伝承者争いに敗れた者の掟として腕の腱を切断。自分は北斗神拳伝承者になることを望んではおらず、真の伝承者を命をかけて守り抜くのが父ラオウの遺言であったことを明かした。



 アニメ版にはタッチの差で登場できなかったものの、FC北斗の拳4では立派に成長した姿を見せ、新北斗の拳でもワンカットの登場を果たし、天の覇王では改めて父ラオウの偉大さを知るエピソードが加えられた。彼の使い勝手の良さを考えると、今後もその出番は増えていく可能性がある。

 ところで勘違いしている人が多いのだが、彼は次期北斗神拳伝承者ではない。これは北斗の拳4で彼が伝承者を降りたから、というわけではなく、最初から決められていたことなのだ。北斗の拳4での台詞によると、彼はラオウの遺言により、北斗神拳伝承者を命を賭けて守りぬく使命を与えられていたらしい。そしてリュウ自身も北斗神拳伝承者の道を望んでいなかったと言う。一見「えっ!?こんなのゲームだけの設定だろ?」と思ってしまうが、ちゃんと原作を読み直してみると、これが事実である事がわかる。リュウ自身、一度も北斗神拳を学びたいという台詞を口にしてはいないし、伝承者になりたいとも言っていない。ケンもリュウを伝承者にするという風な事は一言も発していない。リセキもバルガもバランも同様である。読者が勝手にリュウを次期伝承者になるんだと思い込んでいただけなのだ。何故皆そう思っていたのか。それは、バットの台詞が原因だ。「ケンよ・・・北斗神拳をだれに・・・」。この台詞のあとにリュウ登場となれば、そりゃあ誰もが彼が次期伝承者だと思うだろう。私も含め、誰もがこの演出に完全に騙されてしまったわけだ。このネタだけで映画一本とれる程の完璧な心理トリックである。

 よくよく考えてみると、ラオウ様は自分に北斗宗家の血が流れている事は知らなかった。ならばリュウに伝承者になれと言うより、伝承者を守護するよう言伝るほうが、自然である。しかし例えそのことをリュウが知っていたとしても、彼が伝承者を望んでいたかはわからない。彼が目指すは父ラオウを超えること。天を目指した偉大な父を超えるには、北斗神拳伝承者という器ですら彼には小さすぎるのかもしれない。