天授の儀
てんじゅのぎ
北斗神拳伝承者が、真の伝承者となるために行わねばならない儀式。
「北斗神拳に伝承者なき場合は、これを
劉家拳より出す」という掟が存在することからも判るとおり、北斗劉家門は、北斗の一門の中でも北斗神拳の直系に次ぐ立場にあり、北斗神拳伝承者は、北斗劉家拳の者にその力を認められなければ真の伝承者になることが出来ないとされている。女人像の御前で劉家拳の伝承者と闘い、勝利した北斗神拳伝承者は、その後、聖母より北斗神拳の秘奥義を授けられる事で、初めて真の伝承者と認められることになる。この闘いこそが、天授の儀と呼ばれるものである。しかし劉家拳を北斗神拳の下とみなすこの掟は、劉家拳を学ぶ者にとっては屈辱的なものであり、それゆえに
魏瑞鷹や
劉宗武といった者達は、北斗神拳に対して強い対抗心を抱くに至っている。
霞拳志郎は天授の儀の事を知らなかったものの、何かに導かれるように
寧波へと訪れ、そこで北斗劉家拳の劉宗武と再会。女人像のある
泰聖院にて天授の儀に臨み、北斗神拳究極秘奥義である
蒼龍天羅による無想の拳の撃ち合いに勝利し、名実共に真の北斗神拳伝承者となった。また、この戦いに勝利した後、
丹田から女人像の腕を呼び出し相手を攻撃するという奥義を会得しており、これこそが
胡潤の言っていた「聖母から授けられる北斗神拳の秘奥義」の一部ではないかと思われる。
かつて先代伝承者である
霞鉄心もまた天授の儀のために寧波へと訪れたが、既に北斗劉家拳の
劉玄信が高齢すぎた事、またその玄信の娘である
月英と恋仲に落ちてしまい、このままでは愛する者の父を殺してしまうとして、闘わぬまま日本へと戻った。
北斗の拳においては、
リュウケンや
ケンシロウもそれぞれ
北斗琉拳(北斗劉家拳)の使い手と闘っているが、これが天授の儀にあたるものかどうかは不明。