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劉玄信
りゅうげんしん



登場:第131話〜
肩書:先代北斗劉家拳伝承者
流派:北斗劉家拳

 北斗劉家拳先代伝承者。劉宗武魏瑞鷹らの師。月英(美福庵主)の父。

 かつて魏瑞鷹という天才を弟子に得るも、自らの許可無く北斗神拳と闘おうとしたため、それを制止。四方八方から毒矢を浴びせ、その全てを躱しきれなかった瑞鷹に、その程度では北斗神拳には勝てないと告げた。その後、瑞鷹は門下を離れたが、代わりに夏文麗劉宗武といった子供達を弟子に迎えた。

 天授の儀にて霞鉄心と闘う事となり、玄信自身は勝負を望んでいたものの、既に高齢であったことと、鉄心が娘・月英を愛した事から、闘いは中止に。しかしその後、月英が鉄心の子を宿していた事を知り、月英を出家させ、生まれた子(拳志郎)を鉄心の下に送るよう命じた。

 宗武が拳士へと成長した後、老いるまで後継者を得ることが出来なかった不徳を天に詫びるため、新しき伝承者を得ると同時に死ぬ事を決断。護摩行に身を焼かれながら、宗武を次期北斗劉家拳伝承者に指名し、その後業火の中へと身を投じた。
 その数年後、天授の儀を目前に控えた宗武の前に亡霊として登場。拳志郎が強いのは、全てを天に投げ出し、その頭上に天帝の加護を得ているからである事を伝えた。





 もうなんか、見るからに「師匠キャラ」って感じの人。実際、師匠としての育成能力は高く、魏瑞鷹、劉宗武という天才を二人も育て上げている。ただ二人とも性格のほうは若干難アリだったので、拳以外の教育はあまり得意では無いらしい。まあそれは北斗の師匠方全般にも言えることですけど。

 こういういかにもな雰囲気を纏ったキャラというのは、慌てず騒がず、常にローテンションで重みある一言を発するというのが通例だが、実はこう見えて意外とすぐ感情的になる人だったりする。ヨボヨボのくせに鉄心と闘うんやーとワガママいってみたり、娘が鉄心の子を生んだら激怒して日本に送りつけるよう命じたり、魏瑞鷹が劉家門出ると言い出したら毒塗りの千本の矢を放ってぶっ殺しにかかるという、実にお茶目なおじいちゃんなのだ。本人がこれでは、弟子達がアレな性格になるのも仕方ないというものである。
 中でも地味にひどいのが、月英を仏門に入れたことだ。彼女が鉄心を追いかけて日本にいけなかったのは、老いた父を置いていけぬのが理由であった。逆に言えば、玄信が死ねば誰に気兼ねすることもなく鉄心のもとに駆けつけることができたのだ。無論、月英はそんな事をするつもりなどなかったろう。だが耄碌したおじいちゃんに理屈は通じない。己が死した後も娘を縛り付けるため、玄信は彼女を尼僧にし、泰聖院の「庵主」とすることで、死ぬまで寺を離れられぬようにしたのだ。なんて迷惑な後期高齢者であろうか。


 実力の方は、そこそこ出番は多かった割りに戦闘シーンがほぼ皆無なため、謎に包まれている。一応、三家拳の中でも最強の劉家拳の伝承者なので弱いことはないと思うのだが、魏瑞鷹が劉家門を出て行った時点で師を超えていたらしいので、そこまでではないのだろう。鉄心と死合っていても100%殺されていたらしい。
 ただ、それらはいずれも玄信が老い果てた後の話。ならば若い頃はどうだったのかに興味があるのだが、その若かりしころの回想が全く出てこないんですよね・・・。というかこの人、年齢いくつやねん。魏瑞鷹が出て行った時点でもう相当な老体でしょ(ページトップ画)。その後に子供の宗武が弟子入りして、彼が成人を超えるまで生きてたのよね。もう100歳近いんでないかい?