
| 登場:第142話 肩書:劉玄信の娘 流派:北斗劉家拳 CV:岡本麻弥(ぱちんこ) |

彼女は典型的・・・というかほぼ究極系のツンデレキャラだ。血を吐きながら宗武の死を願ったかと思えば、死して生まれた二人の子・阿光の骨に顔を寄せながら涙する。もはやツンとデレを越えて精神分裂を起こしているんじゃないかという程の感情のジェットコースターが実にチャーミングだ。
しかしツンもヤンもデレも含めて、彼女の最大の魅力はその業深きまでの愛である事は間違いない。捨てられ、乳をもがれても、宗武への愛を止められない。病で死に行く身体ならば、せめてあの世で宗武と一緒になりたいと望むも、愛した男の死が目前に迫ったとき、彼女はその弱りゆく手を精一杯空へと伸ばして男の生を願った。涙で顔を濡らしながら敗れた宗武へと駆け寄り、そこで彼女は口にする。「あ・・・あなた・・・」と。死して一緒になるのではない。己に残された僅かな時間を宗武と共に生きたい。それが自分の本心であることに、彼女はようやく気づいたのだ。そして宗武もまた、己に巣食う闇を全て払ったことで、文麗のもとへと戻ってくることができた。我が子・阿光が死した時に止まった二人の時間が、最後に再び動き出したのである。
ちなみに、彼女のモデルは女優の故・夏目雅子氏ではないかと思う。理由としては・・・まあ見たまんま、僧衣を纏った夏文麗と、西遊記で玄奘三蔵を演じられたときの尼僧の衣装が非常によく似ていること。ポイントはどちらも超絶美女尼僧である点ね。あと、どちらも名前が「夏」から始まるところも偶然とは思えない。それと悲しいかな、二人とも若くして病で亡くなっておられる点も一致しています。いや厳密にはまだ劇中の文麗は死んでないけど。
そういうイメージで見ると、私が蒼天の拳で一番好きなこのシーンも、三蔵法師がお供の3妖怪を叱責している場面のように見えてきますよね。配役は、拳志郎が悟空、飛燕が沙悟浄、宗武が猪八戒ってのが妥当なところかな。