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エデン




 PS4用ゲームソフト『北斗が如く』の中に登場した街。荒廃した世界の中で水や食料を豊富に蓄え、そして電気までも通っていることから「奇跡の街」と呼ばれている。街の北にある「スフィア・シティ」と呼ばれる戦前の発電施設から齎される水と電気を利用しており、その資源を狙って攻めてくる敵も多いが、巨大な防壁で囲まれているために何人も進入することは出来ず、入場許可証を持つものみ入ることを許されている。

 統治するのは、「聖女」と呼ばれる若き女指導者キサナ。先代統治者であり街の創設者でもあるナダイが3年前に急死したため、その娘であるキサナが跡を継ぐ形で統治者として就任。古くからの知人である衛兵隊長のジャグレ、ナイトクラブの支配人であるライラの力を借りながら、街を治めている。

 かつてスフィア・シティが核ミサイルの発射施設だと知ったラオウが、その秘密を隠すために街を作るようナダイに命じたことで生まれた。当初は集落であったが、ナダイが街のルールを決め、それを守るために衛兵隊を組織し、巨大な城壁で街を囲うことで巨大な街へと成長した。それ故に訪問者が激増したため、治安維持のために入出制限を設けたり、犯罪者はその場で処刑や投獄する等、厳しい掟が作られることとなった。

街には数多くの店があるが、経営者の多くがナダイに功績を認められた者であり、戦争前の仕事をもう一度したい者への配慮として与えられた店となっている。



◆スフィア・シティ



岩山に囲まれた地に立つ透明なドーム状の建物。エデンの最北部、カテドラルの裏側にあり、入ることは硬く禁じられている。戦前に作られた建物だが、強固な外殻によって核の炎にも耐え、今なお稼動し続けている。中には発電施設があり、電力を用いて地下水も汲み上げており、その電気と水はエデンの人々の恵みとして利用されている。夜明けと夕暮れの2回、決まったタイミングで水が大量に放出され、夜明けの水は住人達の生活用水、夕暮れの水は街のさまざまな機能を動かすための動力となっている。

その正体は、世界最大の核ミサイル発射施設と高速増殖炉を兼ねた軍事施設。中央にある塔の最上階にある「奇跡の間」が、核ミサイルの制御室となっており、その部屋の中にある寝台に人が寝ることで砲台のエネルギーが充填され始め、同時にスフィア・シティの扉が閉まる仕掛けとなっている。扉はラオウの北斗剛掌波でも傷一つ負わないほどの強固さを誇るが、ナダイの冥斗鬼影拳であれば、雷の力で制御機器を乱すことで開くことが出来る。扉の横の砂時計は、エネルギーが充填されるまでの残り時間を示している

かつてナダイとラオウが発見。当初は居城とする予定であったが、世界を滅ぼす力を持っていたため、何人の手にも渡さぬよう封印することに。ラオウの命を受け、ナダイが周囲に街(後のエデン)を作り、巨大な防壁や衛兵隊を組織するなどして、その秘密を守り続けた。ナダイが妻を殺した日以来、扉は開きっぱなしになっていたが、ユリアが「奇跡の間」に入ったことで再び閉ざされた。


◆奇跡の間



どんな怪我をも治癒できるという奇跡の部屋。スフィア・シティの中央塔の最上階にある。部屋の中央にあるカプセル型の寝台が治癒装置となっており、そこに入るだけで徐々に怪我が回復し、やがて全快する。寝台に人が横たわると同時にスフィア・シティの扉が閉まり、何人も施設内に入ることが出来なくなる。
その正体は、核ミサイルの制御室であり、寝台に人が横たわることで砲台にエネルギーが充填され始め、完了と同時にスフィア・シティのドームが完全に開き、発射準備が整う。そして眠るものが目覚め、寝台から背を離すことで全てのミサイルが発射され、世界が核の炎に包まれる。部屋の中や扉の横にある巨大な砂時計は、そのエネルギーが充填されるまでの残り時間を示している。寝台の傍には緊急防御装置を発動させるボタンがあり、これを押せば施設内の全ての扉が閉まり、防御機能が働く。これにより、核ミサイルが発射されても全ての物理攻撃をドーム内に閉じ込めることができる。
本来は、最後に核ミサイルのスイッチを押した人間が生き残れるようにするための生命維持装置であり、カプセルに入ったものが無垢で清らかな身体をもった「新世界の神」となるために作られた部屋とされている。
かつてはナダイの妻が入ったが、砂が落ちきるまでに傷が治らなかったため、回復を諦めて死を選んだ。3年後にはユリアが入り、核ミサイルが発射されたが、防御装置を起動させることで外部に被害は無かった。中にいたケンシロウとユリアもカプセルの中に入ることで難を逃れている。


◆カテドラル
指導者であるキサナが執務をとる、エデンの中核と言える場所。ここで問題の解決、方針の決定といった仕事が行われている。聖女に会う為、毎日多くの人々が行列を作っており、キサナはそんな人々全員を話を聴き、アドバイスしている。教会のような建物となっており、ヒナの姉はここで結婚式をあげる予定になっていた。


◆コロセウム
エデンの中央にある闘技場。大勢の観客達の前で繰り広げられる命をかけた闘いが、エデンの民の娯楽のひとつとなっている。主に囚人達が戦う「囚人闘技」の会場として使用されているため、地下牢から直接入れる作りになっている。行われる戦いは全てライラによって管理されており、彼女の許可が無ければ戦うことはできない。ケンシロウが、デビルリバース、レイ、ジャギといった者達との闘いを繰り広げた。

[囚人闘技]
エデンで月に一度開催されている闘技会。エデンの地下牢に収監されている囚人の中から、出場の意思を表明した者達が参加できる。コロセウムにて、エデンの指導者をはじめ多くの観客の前で行われる。競技の内容はその都度変わるが、勝った者が順次対戦していき、最終的に勝ち残ったものが勝者となる。優勝者にはエデンの指導者との謁見が許され、一つだけ望みを伝えることが出来る。大会中に怪我を負っても一切治療はされず、その傷がもとで死亡する囚人も多い。
本来は最後の関門であるデビルリバースが全ての囚人を退ける役目を担っていたが、ケンシロウに敗れて怪我を負ったため、開催不能に。後にその埋め合わせてしてケンシロウが定期的に参加することとなったため、再開された。また、エデンの城門が破られた後は囚人の増加によって月一から連日開催に変更されたが、キサナの意向により囚人は全員解放されることになったため、以後どうなったのかは不明。

[決闘]
エデンにて当人同士しか知りえない問題が起こった場合に開かれる「公開裁判」。コロセウムにて、民衆の前で当事者二人が闘い、勝者が「正義」が勝ち取ることになる。ケンシロウにアイリ誘拐の疑いがかけられた際、ケンシロウとレイが戦い、ケンが勝利を収めた。
ケンシロウが挑戦者である拳士とのタイマン勝負を受ける際にも行われる。


◆ナイトクラブ
街の住人たちの欲望を受け止めるための社交場。ライラが支配人を務め、美しい女性キャスト達が訪れる客をもてなし、笑顔を与える。昼間は壁の中に隠れているが、夜になると一斉に壁が下り、ネオンに包まれた外観を現す。もともとはエデン創設時の住民達の住処であり、壁は夜襲を防ぐためのシステムだったが、より大きな防壁が建設されたことで役目を終え、ナイトクラブへと利用されることになった。壁はライラの意向により、昼夜の開閉のタイミングが逆になるよう設定しなおされている。
ストーリーが進むと、借金を背負ったケンシロウが黒服として働くことになる。


◆バザール
世紀末では珍しいほどの物資が集まった市場。水があるところに人が集まり、取引が生まれるという理により発展した。「イディアル」というコイン通貨のおかげで秩序が保たれている。


◆地下牢
エデンで罪を犯した者達を囚える地下牢獄。階層が深くなるにつれ刑の重い囚人が収監されており、最下層である地下10階の地獄牢にはデビルリバースが閉じ込められている。エデンの側で野盗を殺したケンシロウは、騒動を起こした罪として地下1階に収監。鉄格子を曲げて脱獄を図ったとして、更に強固な牢がある地下3階へと移されそうになった。
最終戦争前の施設を改装して作られているため、公にされていない通路が幾つかある。


◆カジノ
ポーカー、ルーレット、ブラックジャックが楽しめるカジノ。オーナーはエマの父親。かつて労働に疲れた者達の癒しとなる施設を作るよう命じられた男が、戦争前にディーラーをしていた経験を生かして創設。ナダイも非番の衛兵を連れて連日通っていた。


◆アジト
ケンシロウが寝泊りをしている部屋。とある老婆がイディアルを奪われ、それをケンが取り返したことで、空いている部屋を貸してもらえることとなった。かつてはナダイが詰め所として利用していた部屋であり、敵が侵攻してきた際はここからすぐに出動して対応していた。
サイドミッションを勧めると、設置してあるテレビで「セガ・マークIII」がプレイできるようになる。


◆診療所
エデンの患者を治療する診療所。リハク医師と看護師のマオが働いている。冥斗鬼影拳によって狂ったジャグレを運び込んだり、アイリの目を治療する時などに利用。リハクが去った後は後任に医師が入ったが、野盗に殺されて診療できなくなり、ケンシロウが定期的に手伝うこととなった。「音楽療法」を間違って解釈したマオにより、所内には常に音楽が流れている。


◆兵舎
エデン衛兵隊の詰所。賞金首の手配書が張り出されている。


◆探し物屋
客から依頼があった品を探し出して届けることを商売としている店。プーリエが店主を務め、リンを店員として雇っている。


◆バー・ラスティネイル
エデンにあるバーのひとつ。マスターの老人から持て余している車を貰うため、ケンシロウとバットが訪れることになる。後に怪我をしたマスターのかわりにケンシロウがバーテンダーとして働くことになる。


◆ガレージ
ケンシロウのバギーが停めてあるガレージ。バットが常駐して車を管理している。もともとは車もガレージも「バー・ラスティネイル」のマスターのものだが、ケンシロウが譲り受けた。


◆その他
護符を生成・販売する「護符屋」、原作にも同様の名前の店が登場した「ロブ・バー」、でかいババァとよく似た老婆が経営する「スナック楽園」、果実や酒を取り扱う「種モミ屋」、干し肉や菓子を扱う「エモリ食料店」、缶詰や素材を扱う「ハゲタカショップ」、装備や素材を扱う「赤い羽根の店」、ケンが拾ってきたゲームを置く「ゲームセンター」、などがある。




【周辺の施設】

◆サザンクロス
シンがユリアのためだけに作り上げた街。シンの軍勢「KING」の拠点にもなっている。ユリアを取り戻すために訪れたケンシロウによってシンもろとも軍団は壊滅した。劇中ではシンの居城しか登場しない。

◆自動車産業で栄えた街
ルカ達が暮らす寂れた街。かつて自動車産業で栄えた街であり、地下に燃料用の倉庫があったため、核の炎から逃れることが出来た。しかし水や食料の不足から男衆が出て行ってしまい、残された老人や幼子は、地下で息を潜める暮らしを余儀なくされている。エデンより遥か南の地にある。
ユリアを探す旅の中でケンシロウが訪れるも、体力が尽きて昏倒。ルカとその祖父によって救わた。以前はユリアと従者達が休息のために訪れている。

◆カサンドラ
拳王に逆らった者を処刑するために作られた監獄の街。一度収容されたが最期、二度と生きて出ることができないと言われる。獄長ウイグルが統治しており、これまでに幾人もの挑戦者を返り討ちにし、獄内にはその者達の墓が大量に並んでいる。トキを収監しており、絶対にケンシロウと会わせてはならないと拳王より厳命されていたが、ウイグルがケンシロウに敗北したことで破られた。

◆元野球場の監視所
エデン衛兵隊が監視所として使用している元野球場だった場所。そこで侵攻してくる軍勢を見つけると本隊に連絡が入るようになっている。エデンへ侵攻する賊の通り道となっており、バイクで走り抜けようとする賊をケンシロウが鉄骨で打ち返すという「デス・バッティング」が行われている。

◆高地の集落
エデンの西にある山道を上った先にある集落。種モミを集める老人・ヨスミ等が住んでいる。頑丈なタイヤに変えてくれるメカニックに会うために訪れることになる。

◆エデンの裏山
スフィア・シティを覆うように立つ岩山。その頂上から見下ろすことで、スフィア・シティ内の最上階にある「奇跡の間」の中を確認することができ、この方法でケンはユリアの生存を確認。またラオウはそこから槍を投げてユリアを殺そうとした。またその頂上にある広場では、ケンシロウがナダイが出会い、拳を交えた場所でもある。頂上へ向かうためには「鬼憑き村」を通過せねばならないが、ナダイだけはそこを通らずに頂上へ来れる道を知っているらしい。

◆鬼憑き村
スフィアドームを覆う岩山にある「狂人たちの巣」と呼ばれる村。突然狂人化する風土病に感染して「鬼憑き」となった者達が、人里から追放され、山に棲むようになり生まれたとされている。しかし実のところ、彼らは凶王の冥斗鬼影拳を受けて狂人化した者達であり、エデンで行方不明になったほぼ全員(イスカの恋人フィオ以外)が後にそこで発見されている。
山頂へ向かうためにはここを通過せねばならないとしてケンシロウとジャグレが訪問。鬼憑き達の正体を暴き、全員を安らかに逝かせた後、ジャグレによって全ての遺体が埋葬された。以降は墓守である老人が村を管理している。
サイドミッション「ユリア目撃情報?」では、用心棒を探してマミヤが訪れ、更にそこにレイやケンシロウも訪れるという偶然の出会いが起こる。

◆峡谷の集落
エデンの遥か南にある、峡谷の側にある集落。かつては谷の向こうへの橋が架かっており、村にとってかけがえの無い存在の由緒ある橋として扱われていた。先の戦争で壊れてしまったため、村人達で集めて直そうとしていたが、悪党達に物資を奪われて嘆き悲しんでいた。後にケンシロウによって物資は奪還され、無事に橋の修復も完遂させている。

◆リンの村
リンの故郷。かつての活気を取り戻すために村を復興しようとしており、そのために必要な物資を求めてリンを含む数人がエデンへ。しかし貴重な物資はそろえられなかったため、リンが一人でエデンに残り、働きながら物資をあつめた。名前だけ登場。

◆メディスンシティー
拳王のための霊薬をつくるために作られた街。薬を高値で買い取ってくれる街として名前だけ登場。