ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 | アニメ版 | 小説版 |
とある渓谷の村―――。そこに住む少年リュウは、同じ村に住む幼い子供達を救うため、一人荒野へと飛び出していた。犯人である少年・ロイの姿を見つけ、果敢にも飛び掛るリュウ。だがロイは、そんなリュウに対し、ナイフを持って反撃してきた。ロイはリュウに恨みを抱いていた。彼の父親は、ラオウに奥義を奪われ、カサンドラで殺された拳法家の一人だった。だからこそロイは、ラオウの血を引くリュウや、拳王軍の孤児である子供達のことが、許せなかったのである。お前の父親は悪魔だ。そのロイの言葉に、リュウの父への憧れは崩壊しかけていた。 父の無念を晴らさんと、リュウにナイフを振りかざすロイ。だがその時、何者かの手がロイの腕を掴んだ。男の名はジャック。かつて拳王軍特攻隊に所属していた男であり、ラオウに壊滅させられた盗賊・ジライ団のメンバーだった男であった。ジャックはリュウにナイフを投げ渡し言った。漢は戦う者。でないとあの世の親父さんに怒られるぞ、と。 ラオウは目的は、一刻も早く乱れた世界を統一すること。そのためには時に鬼になる事もあったが、彼の理想は、争いの無い平和な世の中を創ることだった。そう語るジャックにロイは反論した。ならば何故罪も無い父が殺されねばならなかったのか―――。だがそれは、ロイの父の拳が、代々受け継がれてきた拳であったからこそであった。当時、時代はどうしようもない乱世だった。代々続く拳であっても、いつ失われるかは判らない。故にラオウは、自らにその奥義を集め、その集大成である『ラオウ拳譜』を作り、それらの拳を永久に後世に残そうと考えたのであった。 ラオウとケンシロウの最後の戦い。その凄絶なる死闘は、今でもジャックの目に焼きついていた。伝承者も拳王も無い、一拳士として死力を尽くした二人―――。だからこそラオウは、最後に口にしたのであった。『我が生涯に、一片の悔い無し』と。ジャックよりラオウの形見であるマントを受け取ったリュウは、父の名に恥じぬ漢となるべく、闘い続ける事を誓うのであった。 |
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