TOP


北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王
ストーリー キャラクター 流派・奥義 アニメ版 小説版



TVアニメ版


第一話「わが拳は天のため!」 絵コンテ:阿部雅司
演出:サトウ光敏
作画監督:大原和男・昆進之介輿石暁


漫画版の1話〜3話とほぼ同じ内容。
物語冒頭からゴラムを倒して鬼巌城を奪い、拳王軍を発足するまで。

●漫画版との違い・注目点等
  • ジライ団 子供の服を旗にみたてて行進。ミルクを運ぶ老人の孫娘のもの。
  • ラオウ、「まっすぐ進む」ためにビルを破壊しながら直進。ソウガは迂回して鬼巌城に先乗り。
  • ゴラム戦の前に兵がラオウに襲い掛かろうとするが、レイナが正体を明かしてそれを蹴散らす。
    漫画ではゴラムが死んだ後に正体を明かす。
  • 幽冥狼牙拳を使う前に爪が伸びる。
  • ゴラム、剛掌波を喰らっても散りじりにならない。聖帝の存在を仄めかしたのち息絶える。
  • 拳王とはこぶしをもってこの世を収める王の意。
  • サクヤ登場。ラオウが鬼巌城を落としたのを確認し、その行く末を己の目で確かめんとする。





第二話「王は王を知る!」 絵コンテ:福島一三
演出:西村大樹
作画監督:Pak Dae Yeol


漫画版の5話〜7話とほぼ同じ内容。
拳王府建築から黒王を仲間に加えるまで。

●漫画版との違い・注目点等
  • 智将ギオンが治める地の名前は「らこく」。拳王府の西にある。小国ながら交通の要衝で、ここを手に入れれば通商も手に入れることのできる重要な国。
  • サクヤ、骨占いで拳王軍の初敗北を予言。
  • 侵攻隊の生き残りの男、ラオウ達を黒王谷へと案内する。馬の嘶きを聞いて逃げ出すが、ラオウが指から放った闘気で吹っ飛ばされ死亡。どうせ仲間を見捨てて逃げた臆病者だと言われる。
  • 漫画では黒王の初陣は南だが、アニメでは北。そのためか、漫画ではこのあと聖帝軍と衝突するが、アニメではまだ遭遇しない。
  • サクヤ、黒王を手なずけた事でラオウの器の大きさを知る。自らの眼でその力を計る事を決意。



第三話「われに落とせぬ城なし!」 絵コンテ:吉田英俊
演出:福島一三
作画監督: 臼田美夫
アニメオリジナル。
黒金城を攻める拳王軍お前に、謎の女軍師サクヤが現れ、攻城を手助けするというストーリー。以降のアニメストーリーにも、漫画本編には登場しなかったサクヤが、拳王軍の一員として覇道に加わる事となる。

●ストーリー詳細

 新たに仲間に加わった黒王号と共に、北へと軍を進ませるラオウ。だがその前に、我王の城「黒鉄城」が立ちはだかった。鉄壁の防御を誇るその城は、軍師ソウガの力を持ってしても、一週間要しても落とせずにいた。

 その時、ラオウ達の前に一人の女が姿を現した。サクヤと名乗ったその女は、ラオウ達を前に不敵にもこう宣言した。自分なら一夜にして黒鉄城を落としてみせる―――と。ラオウより一日の指揮権を与えられたサクヤは、弓の名手と、レイナの"美貌"を借りたいと頼み出る。だがソウガはそれを許さなかった。妹の身を案じるその姿に、サクヤはソウガの非情さの欠落を感じるのだった。結局、弓を射る役目はレイナに、そして肝心の囮はサクヤ自身が務める事となるが・・・

 その頃、黒鉄城では、拳王軍に対抗するための軍議が開かれていた。既に我王は、拳王の軍門に下ったメギス ドハン、ラブラデスといった近隣の軍閥と通じ、攻城に手間取る拳王軍の背後を突かせる算段をたてていたのだった。そしてもうひとつ、我王には、拳王軍の美しき女剣士レイナを我が物とするという野望があった。色好きなその我王の性格は、腹心のハバキ将軍にとっても悩みの種であった。

 陽も落ちようかというその時、一台の馬車が黒鉄城へと向けて駆けて来た。拳王軍の攻撃を受けながら、助けを求めるその馬車に乗っていたのは、あのサクヤであった。サクヤが"美女"である事を確認した我王は、ハバキの反対を押し切り、城門を開け放ってしまう。かくしてサクヤは、女商として見事城への潜入を果たしたのであった。己が寸鉄を帯びていない事を証明するため、一糸纏わぬ姿となったそのサクヤに、一瞬にして心奪われてしまった我王は・・・。

 塔の最上階にある寝室へと招かれたサクヤは、我王を誘惑するようにこう告げた。私が欲しければ暗闇で捕まえて下さいませ―――。そう言って戯れを装い、次々と塔の灯りを消してゆくサクヤ。完全にのぼせあがった我王には、もはやその行動に疑問を抱く事などできなかった。闇の中での追いかけっこの末、サクヤを捕えた我王は、その裸体を見ようと側の灯りを点ける。その瞬間―――、窓の外から飛来した矢が、我王の頭を貫いた。『最初に灯が点いた窓を射抜け』。それが、サクヤがレイナに告げたたった一つの指令であった。

 一方その頃、ソウガは兵を総動員して黒鉄城への夜襲をかけようとしていた。サクヤの事をハナから信用していなかったソウガは、自分は自分で黒鉄城を落とす算段をたてていたのである。兵士一人に大量の松明を持たせることにより、兵士の数を数倍に見せかけるという戦法で、城壁へと特攻する拳王軍。思わぬ敵の多さ、そして我王が死んだとの報せを受けた兵士たちの間には、急速に動揺が広がっていった。王の死に嘆き哀しむハバキ将軍は、弔い合戦として兵達に戦いを命ずるが・・・

 鉤縄を使って城壁を登り、先陣を切って城内へと攻め入るレイナ。だがその行く手を阻んだのは、南斗隼牙拳の使い手であるハバキ将軍であった。レイナの双剣を一瞬で断ち切り、止めの一撃を振り上げるハバキ。だがその時、ハバキの前に、猛烈な勢いでラオウが飛来してきた。強者の気配を感じたラオウは、投石器を使って自らを飛ばし、一瞬にしてこの城壁を飛び越えてきたのである。奥義を繰り出し、なんとかラオウと渡り合うハバキであったが、二人の実力差はあまりにも大きかった。朝日が差すと同時に、渾身の拳を放ったハバキは、打ち返されたラオウの拳によって上半身を吹き飛ばされたのであった。

 我王とハバキが死んだ今、もはやこの城に拳王に逆らう者などいなかった。結果的に"一夜にして城を落とした"のは拳王軍の力であったが、サクヤの予言にはそれも含まれていた。己が一夜で城を落とすと言えば、必ずソウガが兵を動かす事を、サクヤは見抜いていたのである。だが、王自ら敵地に飛び込んでくるという、常識を超えた"ラオウ"という存在は、サクヤの眼を持ってしても計る事は出来なかった。吉と出るか凶と出るか―――。未だ素性の知れぬ女軍師サクヤを仲間に加え、拳王は更に覇道へと突き進んで行くのだった。


●その他要点
  • ソウガによると、攻城戦は守り手の5倍の兵力が要るため、時間がかかるとのこと。サクヤの占いでは、このままでは一ヶ月経っても城は落とせないと出る。
  • 我王、鉄壁の防御を持っていても慢心せぬよう言い聞かせたり、兵達にはしっかりと食糧を分け与えるよう命じたりと、なかなかの人格者。
  • 我王によると、拳王軍を倒せば豊かな南の地への道が開けるらしい。
  • サクヤ、城へと匿われるが、素性が知れぬとして鉄鎖で縛られる。我王の命で解かれる。
  • サクヤ、ウソの身の上話で我王の同情を引く。「村は拳王軍に蹂躙され、父も母も殺され、自分は拳王の女として捕らえられて手篭めにされた」
  • サクヤ、我王を呼びにきたハバキの前からまんまと逃亡。兵達に我王は死んだと叫び報せる。
  • 黒王、城壁の外に出てきた兵達を踏み潰しながら、城門の前でラオウの帰還を待つ。
  • ハバキは南斗隼牙拳(なんとしゅうがけん)の使い手。奥義 旋風牙でラオウの顔に一傷つける。



第四話「この拳、誰がために!」 絵コンテ:山崎茂
演出:山崎茂
作画監督: 三宅雄一郎


漫画版の14〜17、22〜23話とほぼ同じ内容。
ウイグルがカサンドラで暴れる話と、ラオウ等がカサンドラを手に入れる事となった経緯。
ウイグルの話は漫画版よりも時期的に可也早く登場している。

●漫画版との違い・注目点等
  • サクヤ、黒鉄城戦での事を聴取される。
    ソウガが夜襲をかけなければ、その時はまた別の策があったと回答。
    サクヤがラオウと闘っても勝てないが、1000対1000の闘いなら勝てる。何故ならラオウが闘っている間に拳王府を焼き払うから。また作り直せばいいとラオウは答えるが、サクヤはラオウにはあまり時間が残されていなことを知っている。
    軍には律が必要。それを徹底させるには仁か恐怖しかない。どちらの道を取るかとサクヤに問われたラオウは、即効で恐怖と答える。
  • ウイグルがカサンドラ獄長となる一連のエピソードは、漫画版ではトキが幽閉された後だが、アニメではその前。にカサンドラに収監されるトキとウイグルとのやりとりが描かれる。
  • アニメでカサンドラの回想をするのは、ウイグルの事件を終えてカサンドラから帰る時。レイナがサクヤに三人の絆の強さを教えるために語る。
  • カサンドラの崩れる床、漫画版では石を投げて先に崩すが、アニメではソウガが駆け抜ける。
  • ラオウ、アモンにゼノスが死んだ事を証明するため、元軍隊長の男から預かった銀盤を渡す。ゼノンの形見であるそれは、アモンのもつ金盤と合わせることでひとつになる。
  • カサンドラ陥落後、ラオウ達が鬼巌城を手に入れるのはこの数ヶ月後。
  • サクヤ、ラオウは仁の道を選ばぬ故に"王"ではあっても"皇帝"には成り得ぬと考えていたが、カサンドラでの出来事を聞いて考えを改める。



第五話「相剋の兄弟!」 絵コンテ:柳瀬雄之
演出:石川久一
作画監督:Kim Seong Beon


漫画版の18〜21話にあたるストーリー。
拳王軍が奇跡の村に来てトキをカサンドラに収監するまで。
ただしウサやアミバは登場せず、代わりにレイナとサクヤがトキのもとを訪れるなど、若干ストーリーが変わっている。


●漫画版との違い・注目点等

  • 漫画版ではウサがトキの居所を見つけ出し、アミバを差し向けるが、アニメでは二人とも登場しない。故にアミバvsトキのバトルシーンなども無い。かわりにレイナとサクヤが奇跡の村に訪れ、双方違う考え方でトキを説得する(詳細は下部)
  • 「子の無かったリュウケンは、何人かの選りすぐられた子供たちを養子にした。」のカットの中に、ラオウとトキ以外に3人の子供が描かれている。ケンとジャギとキム?
  • 野盗団のボスをトキが殺した後、守られた子供たちがトキの姿に怯えるというシーンが追加。
  • カサンドラに連行されたトキが、ウイグルとひと悶着を起こしたり、サクヤと牢越しに会話したりするシーンが追加(詳細は下部)泰山流双条鞭と、蒙古覇極道を使用。


●アニメオリジナル部分の詳細

<レイナ、奇跡の村へ>
 トキに覇道に加わってもらうため、単身奇跡の村へと訪れるレイナ。だが密かに後をつけてきたサクヤは、トキに会うなり、村から逃げるよう告げた。ラオウとトキの進む道は違いすぎる―――。天を見るものと大地を見るものは、同じ道を歩む事は出来ない。二人が会えば必ず拳を交えることになり、共に無傷では済まないであろう事を、サクヤは見抜いていたのである。だがトキは、覇道に加わる気も、村から離れる気も無かった。トキはこの村で,、ケンシロウが来るのを待ち続けていたのだった。ケンシロウが先か、それともラオウが先か。トキはただ待ち続けることで、運命にその身を委ねていたのだった。
 もはやトキを動かす事は出来ない。そう判断し、サクヤが合図を出した瞬間、背後に隠れていた部下たちが一斉にトキに弓を構えた。だがその時、馬の嘶きと共に拳王の本隊が訪れた。自分の目で見極めるため、ラオウは自らトキのもとへと訪れること決めたのである。従う気のないトキは、この場で撃つより他に無い―――。そうラオウに進言するサクヤであったが、例え百の弓を持ってしてもトキを倒す事は出来ぬ事を、ラオウは知っていた。
(以降漫画版と同じ)


<トキ、カサンドラへ>
 囚人としてカサンドラに連れて来られたトキを、獄長となったウイグルが出迎える。名を問うても答えぬトキの態度に苛立つウイグルは、泰山流双条鞭で攻撃しようとするが、その高速の鞭はただの一度もトキに当てる事は出来なかった。ならばと必殺の蒙古覇極道を繰り出すウイグルであったが、そのタックルをトキは指先だけで止めて見せた。おまえがここでどんな伝説をつくろうとも私には関係ない。私はここでケンシロウを待つのみ―――。そして更にトキはこうウイグルに予言した。私とケンシロウが会う日が、お前の最期の日だと。もはやウイグルには、トキを獄に繋ぐよう部下に命令を飛ばすことしか出来なかった。

 特別房の前へと訪れたサクヤは、先ほどの非礼を詫び、トキにこう告げた。二人が闘えば共に深く傷つくことは必定。そんな拳王の前に聖帝が現れるような事だけは避けたかった―――と。聖帝の正体、そしてその野望をも知るというサクヤ。だが本当にそれは"知っている"だけなのか―――。トキのその問いに、サクヤは何も答える事無く、カサンドラを後にするのだった。




第六話「鬼、目覚める!」 絵コンテ:吉田英俊
演出:福島一三
作画監督:Eum ik hyun・Seo jin woon


漫画版の24〜26話とほぼ同じストーリー。
ラオウがリュウロウのもとを訪れ、闘いの中で己の甘さを知るまで。
サクヤがカサンドラに入り込み、トキにケンシロウの情報を伝えるというシーンが追加されている。

●漫画版との違い、注目点等
  • ギハン、サクヤの部屋に呼び出され、ソウガに伝えたケンシロウの情報を一言一句違えずに報告するよう言われる。
  • サクヤ、カサンドラへと潜入し、ギハンより聞き出した内容をトキに伝える。ケンシロウ関連の情報と、それを受けてラオウがリュウロウのもとへと向かった事。
  • トキもリュウロウの事を知っている。
  • サクヤ、カサンドラから出てきたところをレイナに待ち伏せされ、何を伝えたのかを聞き出される。ケンが七つの傷をつけられた時の話を引き合いに出し、トキは男としてケンシロウに同情するが、己は女としてユリアの心の痛みを考えてしまうと語る。その後、レイナより今後トキへの面会を禁じられるが、どうせ会うんでしょと言われ速攻で肯定。
  • リュウロウ、かつて南斗の重鎮だったころは豪壮に住んでいた。
  • リュウロウの苗木は再来年には森になっているらしい。
  • リュウロウが初弾でラオウの肩当を砕く技は、南斗嘴翔斬
  • ラオウがリュウロウに放った拳の連打に北斗輯連打
  • リュウロウは既に死兆星を見ていた。



第七話「蒼き狼、大地を駆る!」 絵コンテ:柳瀬雄之
演出:西村大樹
作画監督:Pak Dae Yeo


漫画版の27〜29話とほぼ同じストーリー。
リュウガが拳王軍に加わり、ソウガとリュウガの意見が衝突するまで。

●漫画版との違い、注目点等
  • サクヤ、ラオウが鬼となったことをトキに報告。ラオウはケンシロウが強くなっていることを受け、覇行を急ぐために鬼になったとの事。
  • リュウガ、漫画では登場して直ぐに拳王の配下になりたいと申し出るが、アニメではその前に手合わせしたいと申し出る。天狼凍牙拳で兜の右角を折るも、以降は一方的に殴られて敗北。しかし必殺の気合がこもっていないことを見抜かれ、とどめは刺されず。リュウロウとの戦いを目撃したリュウガは、鬼となったラオウがこの世の王となることを確信したが、頭では納得していても拳が納得しなかったため、北斗神拳と戦いたかったと語る。
  • 漫画ではラオウが配下にリュウガを紹介しているときに二軍が攻めてくるが、アニメでは後日。
  • レイナ、ソウガがリュウガについて教えてくれぬため、サクヤのもとへ。以下サクヤのジュウザ紹介。
    狼の目の如く天空で最も強く輝く星が天狼星。1000の兵に相当するリュウガは、将としてスカウトするはずだったリュウロウの代わりを務められる人物。更にリュウガには弟ジュウザがおり、天賦の才に裏打ちされた我流拳を使うジュウザは、ラオウとほぼ互角(その強さをあらわす逸話として、かつてトキから聞いたというタマゴ事件のことを紹介)ラオウとジュウザが揃えば拳王軍は無敵となるが、流れ者ゆえに引き込める可能性は低い。
    しかしレイナは、ラオウはそのジュウザもひきこめることを見越してリュウガを仲間にしたのだと考える。
  • サクヤ、ギハンより、獅子王イゴールと雷帝ライズが示し合わせていることを伝えられる。ソウガには伝えるなと厳命。
  • 翌朝、両軍同時に襲来。北にソウガとリュウガ、南にレイナと拳王。サクヤは防城。
  • サクヤ(おそらく防城の命令を無視して)トキの牢へ訪れ、リュウガが魔狼に落ちた事を報告。リュウガとラオウが大きな決意を持っている事を伝える。



第八話「慟哭、闇に響く!」 絵コンテ:サトウ光敏
演出:サトウ光敏
作画監督:臼田美夫


漫画版の29〜32話とほぼ同じストーリー。
ソウガが鬼に目覚める所から、リュウガとサクヤがサザンクロスから帰還するまで。

●漫画版との違い、注目点等
  • ラオウに命乞いをして踏み潰される兵が、漫画では所属不明だが、アニメではライズ軍に。
  • ソウガがレイナには鬼となってほしくない事を匂わすシーンがある。
  • レイナ、拳王軍に対する村人たちの怯え方が以前よりも酷くなっている事に驚く。
  • かつてジュウザもリュウガも、ユリアをケンシロウに託すことを認めたらしい。
  • リュウガはシンと闘えば無傷では済まないが、倒す自信はあるらしい
  • ユリアの死に暮れるラオウを見つめるレイナ。そこにサクヤ登場。川の向こうにいる己の想う人が、愛する人を失って哀しみに暮れていたとしても、あなたは川を渡ってゆけるかとレイナに尋ねる。渡ってみせるとレイナ。



第九話「女の戦い」 絵コンテ:大関雅幸
演出:山崎茂
作画監督:森田実


漫画版の33〜34話にあたるストーリー。
レイナがダガールに捕えられ、ラオウが助けに来るまで。
鉄帝軍とのバトルや、マミヤが登場しない等の変更点がある。


●漫画版との違い、注目点等
  • 漫画では謎の軍閥〔UD軍)よりも優先させるのは冥王軍討伐だが、アニメでは鉄帝ジャダムの軍に。
  • 拳王軍と鉄帝軍が激突(詳細は下部)。なお、その間にレイナは独断で軍から離れ、部下二人と共に謎の軍閥(UD軍)のもとへと向かう。
  • 謎の軍閥(UD軍)があるのは漫画では北だが、アニメでは南。
  • レイナが謎の軍閥(UD軍)のアジトに入ってからの展開が、漫画とは大きく異なる(詳細は下部)
  • 漫画ではレイナは一撃でダガールに敗れるが、アニメでは剣を折られるだけ。その後互角に戦う。
  • ダガールの動きにPS北斗っぽいクルクルキックが。
  • レイナの部下二人、漫画では矢を射られてどちらも死ぬが、アニメでは片方は拳王への報告へ、もう片方はレイナを捉えるための人質とされて殺される。
  • アニメではマミヤは登場せず。かわりにイザベラと共に逃げようとする。
  • 漫画では一旦城から逃げ出し、後に荒野で拳王軍に救われるが、アニメでは城までラオウが単身助けに来る。そこでユダとも対面。
  • 漫画では既に聖帝編が終了しているため、ラオウとユダとの対面は2度目となるが、アニメではこれが初対面。ただ既にラオウはユダの事を知っている様子。

●アニメオリジナル部分の詳細

<拳王軍vs鉄帝軍>
 密かに勢力を伸ばす謎の軍閥(UD軍)を放置し、目下の敵である鉄帝軍との決戦へと赴く拳王軍。だがその道中、レイナは部下二人と共に軍を離れた。ラオウの力になりたいと願うレイナは、独断で謎の軍閥の調査へと赴く事を決めたのだった。

 決戦場所のなだらかな地形は鉄蹄軍に有利かに思えたが、軍師ソウガは、既に対策を立てていた。重装歩兵を中心とした鉄帝軍は、防備は厚いが機動力に欠ける。機動力を旨としている拳王軍は戦速さえ落とさなければ勝てると踏んでいたのである。読みどおりに鉄帝軍が陣の奥まで切り込んできたその時、拳王軍の中から鏑矢が放たれた。それは、敵軍の背後に回りこませた別働隊への出撃の合図であった。リュウガの天狼拳、サクヤのクナイ投げなどを先頭に、背後から鉄帝軍の陣を崩してゆく別働隊。パニックに陥った鉄帝軍からは、もはや完全に戦意が失われていた。だがその時、瀕死の兵から伝令が入れられた。単独で南へと向かったレイナが、罠にはめられて捕えられたのだという。報告を聞いたラオウは、後の事をソウガに託し、一人レイナ救出へと向かうのだった。

 陣を崩されても、鉄帝ジャダムに焦りはなかった。自慢の剛腕で、次々と敵兵を殴り殺してゆくジャダム。その快進撃をとめんと、天狼のリュウガが立ちはだかる。身体を鋼鉄に変える厳鉄拳、そのままタックルをかます奥義爆鋼弾も問題とせず、ジャダムを圧倒するリュウガ。しかし奥義牙針弾で放たれた無数の含み針によって、目の上に傷を負ってしまう。視界を奪われたリュウガにジャダムが迫ろうとしたその時―――、そこに立ち塞がったのは、サクヤであった。リュウガが視界を取り戻した時、そこには事切れたジャダムの死体が転がっていた。剣の痕もないその不可思議な死に、疑問を抱くリュウガ。だがサクヤは、すべての手柄をリュウガのものとし、部下達にジャダムの死を伝え、勝利の号を煽るのであった。

<捕らわれのレイナ>
 ラオウの力になりたいと、二人の部下と共に謎の軍閥の調査へと赴くレイナ。出迎えたコマクに警戒しながら門をくぐるレイナ達であったが、次の瞬間、二人の部下"だけ"に向けて一斉に弓矢が放射された。卑劣な罠に激怒し、コマクに切りかかるレイナ。だが入れ違いで現れたダガールに、南斗飛翼拳で剣を切断されてしまう。その後、残るもう一本の剣で渡り合うものの、瀕死の部下を人質に取られては降伏するより他に無かった。そんなレイナを嘲笑うように、部下の喉もとを掻っ切った後、ダガール達はレイナを牢獄へと監禁したのだった。

 ダガールの目的、それはレイナを拳王暗殺のための刺客に調教することであった。だがダガールは、そんなレイナの前にイザベラを連行し、コマクに拷問させはじめた。完全なる美を求めるダガールは、ハナからレイナを痛めつける気はなかった。代わりに目の前で別の女を拷問することで、心優しいレイナを屈服させようと考えたのである。イザベラの悲痛な叫びに耐えられず、忠誠の言葉を述べようとするレイナ。だがそれを止めたのは、当のイザベラ本人だった。忠誠の果てに何が待つのか、それはイザベラ自身が一番良く知っていたのだった。
 レイナに忠誠の焼印が押されようとしたその時―――、吹きかけられた血が、ダガールの視界を奪った。高熱の焼きゴテを素手で奪い取り、形勢を逆転したレイナは、イザベラと共に脱走を試みる。だが硬く閉ざされた門扉は開かず、イザベラその前で射抜かれて殺されてしまうのだった。

 死よりも恐ろしい屈辱を与えてやる―――。そう言ってダガールがレイナを捕えようとしたその時、城門を吹き飛ばしてラオウが姿を現した。瀕死で逃亡したレイナの部下が、ラオウにこの危機を伝えていたのである。レイナの頬を叩き、単独行動を叱咤したラオウは、続いて柱の陰に隠れている"首謀者"の名を呼んだ。その男の名はユダ。南斗紅鶴拳 妖星の男にして、この城の真の主であった。
 全てを部下の責任とし、己にラオウと戦う意思がない事を示すユダ。その詫びの印として、ユダは拳王軍に己の領土の通過許可を与えた。それは、これより更に南を支配する冥王軍、そして聖帝軍の領土への道が開ける事を意味していた。所詮女を使って寝込みを襲うしか能が無い下衆―――。ラオウが言い残したその言葉に、激しい屈辱を感じるユダは、いつか拳王や聖帝を倒し、己の名を世に響かせる事を誓うのだった。

 合流したリュウガ達から勝利報告を受け、拳王府へと帰城する拳王軍。そんな中、レイナは己のとった行動に自問していた。ただラオウの力になりたい―――。一途なるその想いが、将としてのレイナの心を惑わせていた。



第十話「熱砂に砕ける拳!」 絵コンテ:鈴木卓夫
演出:北川正人
作画監督:Seo Jung Duk


漫画の35〜40話にあたるストーリー。
砂漠の村でソウガが倒され、その後ラオウがガイヤを倒すまで。
ジャギが登場しなかったり、最初にガイヤにやられるのがリュウガではなかったりなど、大きなストーリーの改変が見られる。


●漫画版との違い、注目点等
  • 漫画でレイナ(兜装着)とソウガが攻める野盗集団はジャギの一味だが、アニメでは冥王軍に。その後もジャギ一味の出番は無し。
  • 冥王軍を追うリュウガが砂漠の村で倒されるエピソードは無し。副官のザクも登場しない。
  • ゲリラ戦をしかける冥王軍に、拳王軍が苦戦を強いられるというエピソードが追加。主要メンバーを集めた軍議が開かれる。民の中に紛れて背後を突き、再び民の中に隠れるという戦法で、数多くの兵士の命が奪われているとの事。民もまとめて殺すにしても、砂漠の国で戦うには民の力は必要不可欠であり、滅ぼす事は出来ない。アニメでは、その打開策を見出すためにソウガが砂漠の村へと出発する(漫画ではリュウガが倒された原因を調べるため)
  • 漫画では夜間に砂漠の村を捜索するが、アニメでは昼間に商売をするフリをして行動。
  • ダル、ソウガの命令で村の北側を捜索。鍛冶屋で拳王軍マーク入の刀を発見して殺される。(漫画では夜間行動中に行方不明に)
  • グマイ、ソウガの命令で村の南側を捜索。仲間のゲラがつけていた兜飾りを、村人の一人がペンダントにしているのを発見し、詰め寄ったところを殺される(漫画では夜間行動中に行方不明に)
  • サグ、ソウガの命令で村の東を捜索。殺されずに戻ってくる。
  • カガリは登場せず。(もともと漫画でも名前しか出てこないが)
  • リガ、病人のフリをして小屋で待機するが、ソウガが戻ってきたときには胸に剣を刺されて死亡している。(漫画では夜間に単身村の詮索に出て、翌朝に砂漠で死体となって発見される)
  • ソウガ、怪しい村女に近付き、隠し持っていた拳王軍の軍旗を発見。更にリガの死体を発見し、村人たちを招集する。
  • アニメではリュウガは傷を負っていないため、ラオウと共に砂漠の村の制圧に同行する。しかし抵抗しない村人達の中から黒山陰形拳を喰らい敗北。後にラオウから失望したと告げられる。
  • ガイヤ撃破後、漫画ではカサンドラ陥落の報が入るが、アニメではまだ先。代わりに聖帝軍領土への侵攻を命じる。
  • リュウガ、サクヤが鉄帝戦で使ったのも黒山陰形拳だった事を報告。



第十一話「聖帝、現る!」 絵コンテ:柳瀬雄之
演出:西村大樹
作画監督:Pak Dae Yeol

漫画版のでいうところの8〜10話。
ラオウとサウザーが和議を結んだ直後、ユダ率いる聖帝軍が拳王府を襲撃するまで。
アニメでは最終章にあたるエピソードだが、漫画ではもっと早い段階で登場している。

●漫画版との違い、注目点等
  • 漫画では聖帝軍と衝突するのは黒王を手に入れた直後だが、アニメではガイヤを倒した後。
  • サクヤが裏切り者の名を着せられ、カサンドラに投獄されるというエピソードが追加(詳細は下部)
  • レイナ、アニメでは聖帝軍討伐の隊に同行せず。城の防備にあたる。
  • 拳王軍、シズメが拐われた村を何もせず通過。(漫画では村人に戦う意思を教える)
  • 聖帝の使者が伝えた会談の場所は、そこより一日半の場所にあるラダムの街。


●アニメオリジナル部分の詳細

<サクヤ投獄>
 聖帝サウザーがサクヤを呼びつけた理由、それは、優れた軍略を持つサクヤを聖帝軍へと加えるためであった。だがサクヤは、その申し出を断り、その理由をこう語った。愛ゆえに―――と。己にとって最も唾棄すべき理由を掲げるサクヤを、サウザーは怒りを込めて城から追い出したのであった。

 城へと戻ったサクヤに、今度は拳王軍からの尋問が待っていた。黒山陰形拳の使い手である事・・・聖帝に会っていた事・・・聖帝の正体・・・。だがそのすべての質問に、サクヤは無言を貫いた。いまや裏切り者のレッテルを張られたサクヤを、ソウガはカサンドラへの収監するよう命じるのだった。同時に、サクヤからの情報漏洩を危惧するソウガは、直ちに聖帝軍に打って出る事を進言する。いまや拳王軍と同等の国力を持つ聖帝軍は、ラオウにとっても無視できない存在となっていた。

 牢へと訪れたレイナに、ガイヤが己の実の兄であることを明かすサクヤ。だが、やはりそれ以上の事は何一つ喋ろうとはしなかった。ただひとつ答えたのは、己がラオウへの愛ゆえに戻ってきたのだという事だけであった。それは、同じ者を愛するレイナだからこそ語ることの出来た、サクヤの真実の想いであった。最後にレイナに小さな麻袋を託し、サクヤはこう告げた。これをソウガに渡し、聖帝との和議が成立したら開けるよう伝えて欲しい―――と。

 レイナが去った後、サクヤは側の独房にいるトキに真実を語り始めた。己が聖帝に会ったのは、その男の真の姿を見るため―――。ラオウとサウザーという、世を分かつ二人の盟主と直に会うことで、サクヤは彼等の運命を見定めようとしたのである。サウザーは愛に背を向けるが故に救世主になれぬ男。ラオウは哀しみを背負わぬ故に救世主になれぬ男。それが、サクヤが見た二人の男の運命であった。だがサクヤは、いつかラオウが救世主の道を歩むであろう事を信じ、願っていた。愛する男が、ケンシロウの手によって倒される未来が来ないために―――。

(聖帝との会談省略)

 思わぬ聖帝からの和議の申し入れを受け入れ、更に南へと兵を進ませようとする拳王軍。だがその時、ソウガはレイナから託された麻袋の事を思い出した。そこに入っていた一枚の紙には、サクヤの筆跡でこう書かれていた。「拳王府 堕つ―――」。全てが敵の策略であった事を知ったラオウ達は、急いで城へと馬を走らせるが・・・



第十二話「いま堕つる拳王府!」 絵コンテ:福島一三
演出:原博
作画監督:小山知洋

漫画版の11話にあたるストーリー。
ラオウがユダを倒し、聖帝が現れるまで。
レイナがサクヤと共に城を守り抜くというアニメオリジナルストーリーが加えられている。

●ストーリー詳細
  拳王府堕つ―――。サクヤの筆跡で書かれたその文を見て、急ぎ城へと馬を走らせる拳王軍。だが既に拳王府には、ユダ率いる聖帝軍精鋭部隊の魔の手が迫っていた。兵が次々とユダに切り裂かれる中、なんとか城門を守り抜かんと指示を飛ばすレイナであったが・・・

 圧倒的な黒王号のスピードに追いつけず、徐々に遅れ始めるソウガ達。そんな中、ソウガは考えていた。本当にサクヤは裏切ったのか―――。好ましく思わずとも、ソウガはサクヤの軍師としての能力を認めていた。そんな彼女が、己の作戦を敵に報せるような行為をするとは思えなかったのだった。

 ラオウが拳で奪った城を、己も拳で奪ってみせる―――。そう言って、巨大な拳形のハンマーを搭載した装甲車を、城門へ突撃させるユダ。更に裏手の南側からは、次々と聖帝兵が城に侵入し始める。悪化する状況を見かね、レイナは部下にこう命じた。サクヤを連れ戻せ。責任は私が取る―――と。数刻後、カサンドラの上空には、伝令として遣わされたギハンの姿があった。釈放となったサクヤは、トキと"最後"の別れの言葉を交わし、急ぎ拳王府へと馬を走らせるのだった。

 士気の上がる聖帝軍が城壁をも越えようとしたその時、彼等の背後に"拳王軍軍師"サクヤが姿を現した。ハシゴを破壊し、ひとまず敵の侵入を食い止めたサクヤは、城内にいるレイナのもとへ。何故私を信じようと思ったのか。サクヤのその質問に対し、レイナはただ一言答えた。同じ人を愛する女だから―――。その言葉を聞いた瞬間、サクヤは己の敗北を感じた。己が愛を信じ、その身を委ねるレイナの行為は、サクヤには真似ことのできない事であった。
 サクヤがこの窮地を乗り切るために用意した策・・・。それが、あのソウガに渡した、拳王府の危機を報せる文であった。サクヤにとって、ユダの考えを読みきる事は、造作も無いことだったのである。その事を知ったレイナは、剣を石廊へと突き刺し、兵達にこう告げた。塔の影がこの剣に差したとき、必ず拳王様は戻ってくる―――と。

 油壺による火炎攻撃を受け、逆にチャンスとばかりに炎で脆くなった城壁を打ち崩すユダ。待っていたとばかりに投石器での集中攻撃を浴びせる拳王軍であったが、今度は手薄な脇から兵を進入させられてしまう。サクヤの読みを持ってしても、もはや戦況は完全に聖帝軍のほうへと傾き始めていた。次々と敵兵がなだれ込んでくる城の中で、互いを背にした二人の女が戦い続ける。そして遂に塔の影が剣を差したその時―――。遠方に現れたのは、砂煙を上げて駆ける黒王と、その背に跨る拳王の姿であった。

 一斉に放たれた1000の矢も、ラオウには全く通用しなかった。果敢にも自ら立ち向かい、奥義血粧嘴を敢行するユダであったが、たった一発の拳で撃ち倒されてしまう。だがそんな鬼の強さを見せるラオウに、ユダは言い放った。北斗神拳ではサウザーは倒せぬ―――。その言葉の真意を告げぬまま、ユダは残された最後の秘密兵器を取り出した。戦前の遺物、150mm榴弾砲。戦車をも吹き飛ばす榴弾が、至近距離でラオウへと放たれる。ぶつかりあう拳と兵器。巻き起こる爆風。その衝撃の凄さに、勝利を確信するユダであったが、砂煙の中から現れたのは無傷のラオウの姿であった。

 無敵なる王の姿に後押しされ、一気呵成に攻勢へと転じる拳王軍。この逆転がサクヤの功だと伝えるレイナであったが、ラオウはレイナにこう返した。この城を守ったのはお前だ―――。それは、ラオウの力になりたいと願うレイナにとって、これ以上無い言葉であった。だが、まだ両軍の戦いは終わってはいなかった。荒野の彼方から迫りくる大軍勢。それは、聖帝サウザーを先頭とする聖帝軍の本隊であった。

●漫画版との違い、注目点等
  • 黒王号のスピードは他の馬よりも数段速い。
  • ギオン、久しぶりの出番だとか、もうこれで出番終わりだとか口にし、ウイグルにデコピンされるというミニコント有。
  • サクヤ、ユダの思考を読むのは容易だと断言。
  • ラオウ、ユダに北斗輯連打を使わず。事前の一撃で勝負アリ。
  • 聖帝軍の機動力は拳王軍の比ではないらしい。



第十三話「わが赴くは天の道!」 絵コンテ:阿部雅司
演出:阿部雅司
作画監督:大原和男・柳瀬雄之・村上靖


漫画版でいうところの12〜13話と、41話の後半部分。
サウザーとの決着後、カサンドラ陥落の報が入るストーリー。
ラオウvsサウザーは漫画ではもっとはやく登場するエピソードであり、大きく順番が入れ替わっている。


●漫画版との違い、注目点等
  • ラオウ、サウザーに切られた左肩を秘孔で治す。
  • ユダ、負傷したラオウに南斗紅鶴拳奥義 点穴駁(てんけつばく)で攻撃しようとするが、到着したリュウガ、ソウガに両腕を掴まれ失敗。天狼凍牙拳を喰らい吹っ飛ばされた後、ソウガに頭の上に着地される。更に嵩山旋風脚をガードして上空に吹き飛ばされたところを、嵩山外伝 噴進脚で蹴り飛ばされ、クレーターが出来るほど地にたたきつけられて気絶。(極星十字拳〜サウザー吐血間)
  • 漫画では吐血した後にサウザーから同盟を申し出るが、アニメでは互いに引かず、戦いを延長。サクヤの死後に同盟を申し出る。(詳細は以下)
  • ラオウ、サウザーに北斗輯連打を使用。サウザーも同じ連打突きの南斗悠翔嶽で対抗。
  • サウザー戦後、ソウガからカサンドラ陥落の報が入る。(アニメではガイヤを倒した後、兵から)。
  • ラオウ、荒野でケンシロウの姿を発見し、その名を呼んだところでストーリー終了(原作とは異なる)
  • ラオウvsリュウケンのエピソードはカット。
  • ガルとその兄のエピソードはカット。
  • 修羅の国でラオウが世界を救うことを誓うエピソードはカット。
  • 特別編のリュウ編、サクヤ編は無し。

●アニメオリジナル部分の詳細

<サクヤ死亡>
 互いに深手を負いながら、それでも対峙を続けるラオウとサウザー。王である二人にとって、今ここで斃れることは、覇道が瓦解する事を意味していた。しかし拳士である二人には、もはやこの戦いを自ら止めることなど出来なかった。北斗輯連打と南斗悠翔嶽。交錯する二人の乱打が、更に二人の身体を鮮血に染め上げて行く。そして二人が、勝負を決める渾身の一撃を放ったその時―――、一つの影が、闘いの中へと滑り込んだ。互いの拳をその身に受けながら、そこに立っていたのは、サクヤであった。

 二人をここで死なせるわけにはいかない。そう願うサクヤにとって、もはや自らの命を投げ出す他に二人の闘いを止める術はなかった。サウザーは愛。ラオウは哀しみ。二人が覇王になるに何が欠けているのかを告げた後、サクヤはレイナの腕の中で、静かに息を引き取ったのであった。

 拳王府の中に造られたサクヤの墓に、花を手向けるレイナ。だがラオウは、墓に一瞥することもなく、レイナ達を軍議へと呼び立てる。サクヤはあなたを愛していた―――。そうラオウに告げようとするレイナであったが、ソウガはそれを制した。最期までそれを口にしなかったサクヤの想い・・・。それを汲み、ラオウとの間を隔てる川を渡ることこそが、レイナにできる唯一のサクヤへの弔いであった。






STAFF
原案:武論尊・原哲夫
作画:長田悠幸
製作総指揮:堀江信彦
監督:阿部雅司
シリーズ構成:大野木寛
キャラクターデザイン:丸藤広貴
総作画監督:輿石暁
デザインワークス:森木靖泰
美術監督:Lee Seo Gu
撮影監督:小室正一
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
音楽:KAZSIN
編集:衛藤大志
プロデューサー:中孝太、臼井久人、大貫一雄
宣伝プロデューサー:石橋ケンタロウ
制作プロデューサー:宮下幹浩 黒木健一 青木龍夫
エグゼクティブプロデューサー:飛田野和彦
アニメーション制作:株式会社サテライト

製作:天の覇王制作委員会
    アミューズソフトエンタテインメント
    インターチャネル
    ショウゲート
    コアミックス


主題歌
オープニングテーマ『嘆きのエンドレス』
作詞:haderu 作曲:elsa 歌:jealkb

エンディングテーマ『ナミダノカワ』
作詞・作曲・歌:mina☆muse 編曲:TAKAHIRO KANEKO



CAST

ラオウ:宇梶剛士
レイナ:中原麻衣
ソウガ:松風雅也
サクヤ:木村亜希子
トキ:東地宏樹
リュウガ:松原大典
ユダ:谷山紀章
サウザー:関俊彦
ギオン:御園行洋
ウイグル:三宅健太
ギハン:保村真
ナレーション他:斧アツシ

1話
ジライ:志村知幸
ゴラム:稲田徹
老人:御園行洋
村人:興津和幸
村人:金光宣明
ジライ団:利根健太朗
ジライ団:高橋研二
ジライ団:青木強

2話
侵攻隊隊長:金光宣明
班長:伝坂勉
兵士:青木強
兵士:大原崇
ギオン兵:利根健太朗
女官:中司優花

3話
我王:梅津秀行
ハバキ:堀川仁
将軍:荻野晴朗
将軍:高橋研二
兵士:大原崇
兵士:小林かつのり
兵士:興津和幸
兵士:吉田学

4話
ギオン:御園行洋
アモン:宝亀克寿
老人:間宮康弘
兵士:伝坂勉
兵士:青木強
兵士:三浦潤也

5話
コズム:金井良信
村人:青木強
村人:三浦潤也
村人:小林かつのり
男の子:隅元愛子
女の子:中村知子

6話
リュウロウ:諏訪部順一
軍使:大原崇
村人:青木強

7話
若いラオウ:混同孝行
幼いトキ:関本信彦
若いジュウザ:浅沼晋太郎
拳法家:大原崇
妻;世戸さおり
部隊長:青木強

8話
イゴール:金光宣明
クラブ:大原崇
伝令:丹沢晃之
伝令:青木強
雷帝兵:荻野晴朗
キング兵:高橋研二
キング兵:小林かつのり
女:隅元愛子

9話
イザベラ:別府あゆみ
ダガール:古澤徹
コマク:宮澤正
ジャダム:山口太郎
サリム:青木強
部下:興津和幸
部下:大原崇
鉄帝兵:丹沢晃之
拳王兵:高橋研二

10話
ガイヤ:加藤将之
リガ:大原崇
ダル:青木強
グマイ:興津和幸
村長:三浦潤也
将軍:丹沢晃之
村女:隅元愛子

11話
ハッカ:乃村健次
リロン:興津和幸
母親:隈元愛子
シズメの父:青木 強
シモト:藤村 歩
シモトの母:関山美沙紀
野盗:丹沢晃之
野盗:三浦潤也
近衛兵:長田悠幸

12話
拳王兵:三浦潤也
拳王兵:青木強
聖帝兵:金光宣明
聖帝兵:興津和幸
聖帝兵:高橋研二
聖帝兵:丹沢晃之

13話
聖帝兵:青木強
聖帝兵:興津和幸