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リュウガに重傷を負わせた村の存在、そして勢いを増す冥王軍の動きに、拳王軍はざわめき始めていた。まずはその村の実体を知らねばならない。そう考えたソウガは、十人の兵と共に、砂漠へと出陣。ソウガの読みどおり、その村は砂嵐と共に再び姿を現した。普段は全てを巨大なシートで覆い隠しているというその村の正体とは・・・ 行商に化けて村へと潜入したソウガ達は、闇にまぎれて偵察を開始。読み通り、村が冥王軍と繋がっていることを掴んだソウガだったが、部下達は何者かの手にかかり、一人また一人と姿を消していった。村人を集め、指導者に出てくるよう命じるソウガ。しかし声はすれど、その首謀者の姿は全く伺い知ることは出来なかった。業を煮やして歩を進めた瞬間、ソウガの胸を鋭い一撃が貫く。黒山陰形拳奥義"指突血"。お前の命はあと二ヶ月―――見えない男はソウガにそう告げた。 なんとか帰還したソウガより村の事を伝えられたラオウは、大軍を率いて砂漠の村へと出陣。村を覆い隠していたシートを剛掌波で吹き飛ばし、一気に村へと侵攻する拳王軍。だがその時、彼等を無数の火矢が襲った。すでに村は、冥王軍によって取り囲まれていたのだ。一点突破で村を脱出した拳王軍と、迎え撃つ冥王軍の、壮絶な戦いが幕を上げる。だがその時、様子を見守っていた村人達の中から、ゆっくりとラオウに歩を進める一人の男がいた。男の名はガイヤ。黒山陰形拳の伝承者であり、リュウガとソウガを倒した張本人であった。そして彼は、秘術 命動針によって冥王すらも意のままに操る、真の黒幕でもあった。 王を名乗るなど馬鹿げた行為。姿を見せずに支配することが出来る自分こそが真の支配者。そう言って、ラオウの背後から攻撃を仕掛けるガイヤ。だがその拳は、ラオウに届かなかった。ラオウの身体を覆う圧倒的な闘気の前に、ガイヤは触れることさえ出来なかったのだ。ラオウは言った。俺が王を名乗るのは、拳による圧倒的支配を成すため。その圧倒的な支配でこそ世の秩序が保たれるのだ、と。放たれた真の王の剛拳の前に、ガイヤの肉体は粉々に打ち砕かれたのであった。 ガイヤの死と同時に、冥王軍は撤退。戦いは拳王軍の完全勝利に終わった。しかしその時、カサンドラが陥落という信じがたい報告が届けられた。ウイグルを倒し、トキを解放したその者達―――、それは、南斗水鳥拳のレイ、マミヤ、そして北斗の末弟ケンシロウであった。 我が征く道は覇道のみ―――。その信念を曲げようとしないラオウの拳を、師父リュウケンは封じねばならなかった。だが、最期の一撃は放たれ無かった。かねてから病を患っていたリュウケンの身体を、突如発作が襲ったのだ。それはまるで、神がラオウとの戦いを望んでいるかのようであった。形勢逆転―――。今度はラオウがリュウケンへ、止めの一撃を放つ。だがラオウは、その拳を寸前で止めた。彼が止めを刺すまでもなく、既にリュウケンの身体は、最期の時を迎えていたのだった。去り行くラオウの背に向かい、リュウケンは最後の言葉を投げかけた。覇道を進めば、いずれトキとケンシロウがお前の前に立ち塞がるだろう、と。 そして今、その言葉は現実となった。トキとケンシロウらが向かったという西の村―――ラオウはそこへ、単身赴くことを決めた。弟達との決着をつけるために。別の道を歩き続けた三兄弟の道程が、今ラオウの道へと繋がり、宿命の漢達の物語を紡がんとしていた。 |
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