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兵の数も増大し、益々勢力を拡大す拳王軍。だがそれは同時に、末端の兵にまで目が行き届かなくなるという難点を抱えていた。今の拳王軍に求められるもの、それは才ある兵士だった。 拳王様の力を借りたい。そう言って部屋へと飛び込んできたのは、カサンドラの獄長となったギオンであった。原因は、一人の新兵だった。討伐へと借り出されたその男は、戦闘中に突如暴れだし、敵味方構わず全滅させたのだという。カサンドラへと収容されたその男は、死刑に処されるはずであった。だがその男は、計五回も行われた処刑を悉く生き延び、今現在もカサンドラで暴れているというのである。 身体に巻かれた数十本もの鎖をものともせず、男は暴れ続けていた。訪れた拳王に対しても、全く怯むことなく、男は言った。この世に己の生き様を、伝説を残すまで、俺は死ねない―――。それを聴いたラオウは、即座にその男を釈放するよう命じた。それどころか、ギオンに代わり、このカサンドラの獄長の地位の座を彼に与えたのである。ラオウはその男の中に、類稀なる"才"を、感じていたのだった。やりたいようにやれ。そう言って全権を任されたその男―――ウイグルにより、今恐怖のカサンドラ伝説は幕を上げたのであった。 |
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