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修羅の国からソウガとレイナが渡ってきてから、早くも一年の時が経とうとしていた。ラオウとソウガは、全ての始まりとなった一年前の"あの日"の事を思い出していた。 一年前―――。覇道を歩みだした三人が求めるのは、拠点となるべき城であった。自慢の足を活かし、荒野へと出たソウガは、十年前に龍帝アモンによって作られたという要塞都市、カサンドラに目をつける。だがラオウ達が訪れた時、既にそこに龍帝軍の姿は無かった。老いた龍帝アモンは天下平定の夢を忘れ、現状に満足し、我が身を守るために塔へと篭ってしまっていた。そして塔に近づく者全てを罠にかけ殺すアモンに絶望し、部下達は皆このカサンドラから去っていたのだった。唯一残ったという元軍隊長の男は、訪れたラオウ達に引き返すよう忠告する。しかし、一撃で城壁を破壊したそのラオウの拳を見た男は、アモンへの伝言を伝えてほしいと言って来た。あなたの息子ゼノスは、あなたの作った罠で死んだ―――と。 今まで何人たりとも近づけなかったというカサンドラの罠。それらを悉くクリアし、ラオウ達は遂に龍帝アモンの居室へと辿り着いた。外にいた軍隊長の男と瓜二つのその顔は、彼等が兄弟である事を意味していた。衰えた拳がラオウに通じるはずもなく、気合一閃で壁にまで吹き飛ばされるアモン。不落の城に頼り守りに入ったとき、既に彼の野望終わっていたのだった。息子ゼノスの死や、兵達に既に見放されていた事も知らされたアモンは、己の歩んだ道を悔いながら、自らの罠によって瓦礫の下敷きとなったのだった。 最後に起動した罠により、カサンドラの塔は崩れ去ろうとしていた。退路を断たんとするように、巨大な壁が部屋の出口へと降りる。しかしその時、壁が落ちるよりも一瞬早く、ソウガが床との間に足を滑り込ませた。ソウガにとって、ラオウと共に歩む覇道達成のためには、足の一本くらい惜しく無かったのだった。強敵の心を無駄にせんと、渾身の力で壁を持ち上げたラオウは、間一髪塔から脱出することに成功したのだった。 カサンドラを好きに使ってくれ。そう言ってきたアモンの弟に対し、ラオウは答えた。アモンが道を踏み外したこの街は、覇道を目指すラオウには不要―――。こうしてカサンドラは、ラオウの覇行の戒めの街として、牢獄として造り替えられたのであった。 |
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