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南斗聖拳108派・その他の南斗



-南斗聖拳諸派-

北斗神拳と表裏一体の拳法。敵を内部から破壊する「陰」の拳の北斗神拳に対し、力でもって敵の体を外部から破壊する「陽」の拳が南斗聖拳であり、この二つは常に二極一対の存在として並び称される。互角の拳法であるが故に、双方が奥義を尽くして戦った場合は相打ちになると言われている。

 陽の拳であるが故に、表の世界で多くの流派が生まれ、総勢108派が存在する。その中の頂点に立つのが南斗六聖拳と呼ばれる六派であり、かつては皇帝の居城にある六つの門を守る衛兵と呼ばれていた。残る102派は、この六星の何れかの傘下に含まれ、南斗紅鶴拳には23派、南斗鳳凰拳には29派が仕えているとされている。また、六聖拳を筆頭に、鳥の名を冠した拳が多く伝えられているのも特徴の一つであり、現在では「」「水鳥」「紅鶴」「白鷺」「鳳凰」「」「」「」「」「紅雀」「」「」「白鷲」「翡翠」等を模した拳法の存在が確認できる。

 拳の型は流派によって様々であるが、割合的には南斗水鳥拳に近い「手刀による人体の切断」を得意とする拳が多く、孤鷲拳のような貫通技や、白鷺拳のような脚技を主とした拳は非常に稀である。その一方で、武器を用いた拳法もいくつか登場しているが、南斗の名を冠するにはあまりにも御粗末な内容の物が多く、中には火薬や兵器に頼ったものまで存在するため、これらが正式に南斗108派の中に含まれているのかについては定かではない。

 発祥については、中国で生まれたという点以外は殆ど謎に包まれているが、『北斗の拳×蒼天の拳 オフィシャルガイドブック』の中には、北斗宗家の拳から生まれた拳との記述があり、様々な拳法家や北斗神拳の伝承者争いに敗れた者が名乗ったのが始まりだとされている。しかしそれでは南斗聖拳も北斗の分派の一つだということになり、北斗と南斗が対極する存在であるという設定が希薄になってしまうため、信頼度に欠ける。尚、蒼天の拳DVDに収録されている対談の中で、堀江信彦氏は「北斗の伝承者争いに敗れた者が南斗の一派を起こした」と語っているが、南斗聖拳そのものを創始したとは口にしていない。

 その歴史についても謎が多く、108派は「六聖拳の中から分派していった」といった記述があるかと思えば、別には「多くの拳の中から実力を認められたものが六聖拳に選ばれた」とあり、これらは矛盾している。また、108派という数字についても、古から受け継がれてきたという説や、1000派以上あった拳が核戦争によって108派まで減少したという説もあり、こちらも正確なところは不明である。
 核戦争が起こるまでは、六聖拳の指導の下に平和のために尽力し、武道の本分を守って来たとされている。またこの頃は、10年に1度、南斗の108派が一堂に会して各々が技を披露しあう「南斗相演会」なるものも開かれており、交流も深かった。だが核戦争の後、平和を望む者と覇道を目指す者の二派に分裂。当初は平和を望む声が多かったが、ユダの裏切りによってバランスが崩れ、六聖拳の崩壊と共に108派も散り散りとなった。その後の行方は明らかになっていないが、その大半が聖帝の傘下に入ったという話や、一方で拳王軍に服従を誓ったとも言われており、詳細は不明。だがその数年後には、ファルコの手によって108派の殆どが葬られたとされており、伝承者がかなり激減した事は確実と思われる。