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熊爪両断拳
ゆうそうりょうだんけん



流派: 泰山寺拳法
使用: 剛田(対 霞拳四郎)
登場: 読みきり版北斗の拳


 『北斗の拳(読み切り版)』に登場した泰山寺拳法の奥義。鋼鉄をも断ち切るほどの力で、敵の身体を引き裂く。

 泰山寺のB級戦士・剛田が、ヨウコ佐々木法務大臣らを抹殺する際に使用し、その身体を引き裂いた。しかし霞拳四郎相手には全く通用せず、一撃目は躱され、二発目は五指烈弾によるカウンターで全ての指を破壊された。




 TVアニメ版北斗の拳には、この剛田をモチーフとしたゴーダアミバの実験によって熊の力を得た男)が登場し、同じような技を披露している。ケンシロウに対して使用したが、読み切り版同様に通用しなかった。




 「熊爪両断拳」……その名の通り、まるで熊の爪撃の如き拳。如きっていうかもう後ろにクマ見えちゃってるからね。で、これで佐々木法務大臣をズバッと両断。てなわけで、「熊爪」で「両断」する拳で熊爪両断拳。うーん、シンプル。なんてそのまんまな技名なのだろう。清々しい。


 技の性質も実にシンプル。剛田の手にモワ〜としたものが滾っているのが見えるので、おそらく闘気を纏っていると考えていいだろう。その手でザッといったら強烈だぜ!超強いぜ!という程度のもので、特別なテクニック等は無いものと考えられる。ザ・脳筋の香りプンプンである。


 まあ本当に絶大な威力を誇るのならそれでも良いと思うのだが、正直言ってその点に関しても疑わしい所がある。確かに佐々木法務大臣を真っ二つに切り裂いているのはインパクト大だが、言うて佐々木法務大臣である。世紀末の人間ですらない、初老の政治家をズバッといったところで何のアピールにもなっていない。もう一人の被害者であるユキなんかは、両断どころか外傷すらよくわからないほど綺麗な死体だったしね。女性だから手心加えたのだろうか。意外とフェミニストなところあるんですね。どっちみち殺してりゃ世話ないけど。


 しかし一番の問題は、剛田自身がこの技を信頼しきれていなかった所にある。拳四郎に対して放った一撃目を躱された剛田は、続けて右拳を繰り出したが、なんとそれは熊爪両断拳ではなく、ただのパンチであった。



 ええ……たった一発躱されただけで日和ってるやん……

 このなんでもないパンチを易々と受け止められ、拳を握りつぶされた剛田は、再び左手で熊爪両断拳を敢行。もうグダグダだ。ギャンブルで負ける奴の典型的思考である。
 そんな破れかぶれで出した拳が決まるはずもなく、これを五指烈弾で潰されて勝負あり……と思われたが、抗う剛田氏は奥の手とばかりに、刃のモヒカンによる頭突きを繰り出してきた。



 いやいやいや……自慢の拳法はこんなアホみたいな仕込み以下なのか?というかこんなん仕込んでる時点で、自分の熊爪両断拳を信頼してないって事だよね。結構大変な手術で生やしたんだと思うけどさ、その時間と労力があればもっと熊爪両断拳を磨いた方が良かったんじゃないかね。