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泰山寺拳法
たいざんじけんぽう



流派: 泰山寺拳法
使用: ・バルコム (対 ナリマン、シン)
 …アニメ版北斗の拳(21話)
・剛田(対 鈴木、佐々木、ユキ、霞拳四郎)
 …読みきり版北斗の拳
・矢崎 (対 霞拳四郎)
 …読みきり版北斗の拳
・斉藤伝鬼 (対 霞拳四郎)
 …読みきり版北斗の拳
・金峰梅軒 (対 虎、霞拳四郎)
 …読みきり版北斗の拳
[その他の使い手]
・龍幻・百地・泰山寺の総帥
 …読みきり版北斗の拳
登場: アニメ版北斗の拳
読みきり版北斗の拳


 TVアニメ版北斗の拳に登場したKING軍大将軍・バルコムが使う拳法。呼吸法が齎す鋼鉄以上の肉体と凄まじいパワーを用いた戦い方で相手を圧倒する。

 ナリマンとの戦いでは、その鋼鉄の肉体でナイフや熊手といった武器を破壊し、最後はベアハッグにて絞殺。シンとの戦いでもその力を見せつけるものの、呼吸法が完全には通用せず、鼻から流血。奥義・妖鬼幻幽拳にて傷は負わせたが、二度目には拳を見切られ、最後は南斗飛龍拳を喰らい敗れ去った。




 初出は『北斗の拳(読み切り版)』であり、中国は泰山を本拠とする泰山寺が発祥とされる。表向きは健全な拳法を教えているが、その実体は時の権力者とも結びつく巨大な暗殺機関であり、そこに所属する多数の戦士たちが使う拳法として登場する。北斗神拳に唯一匹敵する拳法とされており。武器を使用する拳法や、素手で人間を引き裂いたり、肉体を鋼鉄以上に鍛えたりと、流派は多岐に渡る。その中でも泰山寺の南西支部長であり、A級戦士の一人である「妖鋼筋鬼の金峰梅軒」の使う拳法がバルコムのモチーフになっており、彼と霞拳四郎のバトル内容が、バルコムとシンの戦闘シーンに多く流用されている。





 アニメ版ではバルコム一人が使う拳法として登場するが、読み切り版においては多くの泰山寺拳法の使い手が登場する。故に一概に「泰山寺拳法」と言っても決まった形は無いのだが、よく見ると「棒術」や「白蛇獄水」といった名称のついたものは武器を用いたヘボ拳法なのに対し、特に名の無いプレーンな「泰山寺拳法」を使う剛田や金峰梅軒は、強靭な肉体を武器に戦う戦士たちであった。おそらくこのパワー型のスタイルこそが全ての泰山寺拳法の租であり源流となっているのだろう。武器を用いた流派が生まれたのは、泰山寺が世界中に根を張る巨大組織となり、フィジカル面の頼りない奴等も多く入ってきたことが原因だと思われる。南斗聖拳もそうだけど、無理くり流派を増やしても濃度が薄まって拳法としての格を落とすだけなんだなあ。




 ……とは言ったものの、バルコムらが使う本来の泰山寺拳法も別にそこまで持ち上げられる程のものではない。呼吸法によって硬化した身体を「鋼鉄以上」と自負しているが、どう考えても華山鋼鎧呼法の劣化版だ。ただ、華山鋼鎧呼法状態になった牙大王からは大きく機動性が欠けているのに対し、バルコムや金峰梅軒は存分に動けている。特にバルコムはシンの獄屠拳っぽい蹴りと打ち合うほどの跳躍力も披露していた。つまり攻撃、防御、機動のバランスに優れた拳法ということだろう。逆に言えば、どっちつかずの中途半端とも言える。というか呼吸法により全ステータスをアップさせるなんてことは北斗は勿論南斗だって鬼殺隊だって普通にやっていることであり、これを最大の売り文句にしている時点で泰山寺拳法のレベルの低さが伺えるというものである。

 ただ、金峰梅軒も泰山寺のA級戦士の一人であり、別に彼が最強という訳ではなかった。正体不明のままだった総帥もいるし、特AやS級の戦士だっているかもしれない。ならば泰山寺拳法はまだ底を見せていない可能性がある。仮にも北斗神拳に匹敵すると言われた拳なのだから、この程度の筈がないのだ。だがその真実が明らかにされるのは、原先生が謎の天啓を受けて突如読み切り版の続きを描きはじめる以外に無いので、我々はその訪れぬ未来を信じて祈り続けるより他に無い。


 ちなみに北斗の拳には「泰山流」の拳法が多く登場するが、これと泰山寺拳法は同一のものなのだろうか。普通に考えればそうだが、中国拳法の少林拳と日本の少林寺拳法が全然別物であるように、名前が似ているからといって一概に同系と断じることはできない。というか、別にどうでもいい。