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妖鋼筋鬼幻幽拳
ようごうきんきげんゆうけん



流派: 泰山寺拳法
使用: 金峰梅軒 (対 霞拳四郎)
登場: 読みきり版北斗の拳


 『北斗の拳(読み切り版)』に登場した泰山寺拳法の秘拳。両手を高速で上下に動かしながら突進し、相手の身体を引き裂く。

 泰山寺のA級戦士・金峰梅軒霞拳四郎に対して使用し、大きな傷を負わせた。しかし一度目で拳を見切られ、二度目に繰り出した際には間合いを詰めすぎたことで中指をキャッチされて止められた。




 TVアニメ版北斗の拳では、バルコムシンに対して同じような技を使用しているが、技名が「妖鬼幻幽拳」に変更されている。





 技を出す直前の動きからある程度推測できるとは言え、実際に技を出しているシーンを見ても何が起こっているのか全然わからない。なんか白く光ってるだけなんだもん。

 おそらく手を高速で動かしてるのを表現したかったというのは解る。そのためには手を沢山描くのが一般的な手法だが……当時の先生にとっては面倒な作業だったのかもしれない。で、楽した結果がこれって事なんですかね。出来ればこの時の先生に、ウン十年後に自分がお描きになられる絵をお見せしたいですね。






ではその少ない情報から、どんな技なのかを考察してみよう。
まず金峰梅軒が最初にとったのがこの動き。



 この次のコマで肘から先が「ス…」と白い光に変わり、そのまま技を繰り出す流れとなっている。この最初の動きと、技を当てた時の「ドドドドドド」という擬音から察するに、おそらくこの手の上下運動を超高速で行っているのだろう。


 だがそうなるとひとつ問題がある。この動き、全然捗らないのだ。実際にやってみてください皆さん。手を前に出して、肘から先だけを上下にバタバタバターって。ね?アホみたいでしょ?全然高速にならないでしょ?でもこいつはこれを視認できない程の速さで動かせるまで鍛えたんですよ。凄いよね。凄い通り越してアホだよ。
 
 ただそれは素人の意見。泰山寺のA級戦士ともなれば、この動きでも必殺の拳まで鍛え上げられるのかもしれない。だが少なくとも、これより速くて強力な攻撃があることだけは間違いない。こんなバタバタ拳に修練の時間を割くより、もっと実用的な技を鍛えた方が遥かに効率的だし、強くなっていただろう。まさに無駄な努力。ゲームのやりこみプレイの如き効率無視である。まるでDQ3で遊び人をLv99にするようなものだ。「賢者に転職したら賢さが引き継がれるからいいだろ!」と思われるかもしれないが、レベルアップ時の最大MP上昇値は賢さの数値に拠るので、なまじ賢さがあることで低レベル時はMP最大値が増えないというマイナス要素しかないのである。まあ、それほどまでに選ぶ価値のない技という事だ。



 ただこの技にも長所はある。それは、ずっと攻撃を出し続けられる事だ。体の前方部分に、触れただけで大怪我を負わせられるモノが在住しているのである。これは強い。チェーンソーを構えているようなものである。

 これの最大の利点は、防御も兼ね備えている所にある。触れられないものが体の前面にあるのだから、相手は反撃のしようがない。まさに攻防一体の技と言える。

 ただ先述の通り、この動き自体が攻撃には不向きなのだから、威力にはそこまで期待はできない。一撃で勝負を決めるというよりは、防御面に自信のない者が長期戦を見越して使う技といった感じだろう。そう考えると、案外悪くない技のような気がしないでもない。



 でもね、よく考えてくださいよ。泰山寺拳法の強みってなんですか?「肉体が鋼鉄以上に硬い」ことなんですよ。




そんな奴が、攻防一体の技を選択しているんですよ。

いや違うだろ。

お前が選ぶべきは攻撃全振りの一撃必殺技でしょ。肉を切らせて骨を断たなきゃ駄目でしょ。何ビビってんの。