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黄西飛
こうせいひ



登場:蒼天の拳(第8〜20話)
肩書:紅華会三番頭
CV:秋元羊介

 紅華会の三番頭。神に懺悔し、金を寄付すれば、全ての罪が許されると思っている。かつて閻王に殺されかけ、顔の左半分が機械化しているため、歩くたびにその傷がうずき「あ・い・た」と声を発する。

 拳志郎にやられた後も上海に居座り続け、後にジャン・カルネの後ろ盾を得て青幇を壊滅。手に入れた大新世界にて、処刑遊戯を開催し、青幇の生き残り達を処刑し続けた。
 だがその一方で、カルネからの要求額が大きくなってきたため、彼の抱えるボクサー・ゴランの暗殺を計画。対戦相手のの爪に毒を塗り、双方とも殺そうと画策した。だが二人の闘いを観戦するうち、葉だと思われていたのが、実は閻王の変装であったことが発覚。フランス軍に銃殺令を出すも、ギーズ大佐によって制止され、逆にリングに上がって勝者への祝福をするよう言い渡された。その後、呉東来の部下の乱入によって攻勢に転じるも、爆煙によって視界を奪われ、その中で拳志郎に秘孔を突かれ爆死。

 TVアニメ版では、閻王が上海を去る直前に壊滅させた幹部連中の中の一人として登場し、その際に顔半分を失っていた。





 紅華会のトップ2である章烈山と張太炎は、物語冒頭時点では半ば組織を離れていた。ということは、その時期は三番頭である黄が紅華会の実質的トップにいたということになる。あの組は意外と義兄弟同士での仲間意識が強く、立場の差で威張ったりするような場面がほぼ見受けられないので意識しにくいが、立場的には一応そうなるのだ。

 彼がそこまで成り上がれたのは、毎日イエス様にお祈りしていたおかげ・・・・ではなく、金儲けの手腕を評価されてのことだろう。紅華会の中でもあれほど金にこだわり続けていた男は居ない。大新世界の運営もかなり順調そうであったし、兄弟達の中でも抜群のシノギをあげていたに違いない。

 そんな中でも最も大きな功績と言えるが、フランス疎開巡査総長であるジャン・カルネとの密接な関係を作れた事だろう。紅華会が上海を掌握出来たのも、元を辿れば自分達と繋がっているカルネをフランス疎開巡査総長の座に据えられたからだ。そのカルネを味方につけられているのが、黄の持つ資金力なのである。カルネのバースディパーティーで黄が用意した唸るほどの金の山が、それを証明している。
 また、カルネの前任者であるジタンダールを暗殺したのも、黄の仕業ではないかと思われる。彼は浮気した第二婦人の芳蘭を黄浦江に沈めて殺していた。そしてジタンダールもまた黄浦江に死体となって浮かんでいたという。その手口の相似性からみても、やはり黄西飛の指示であった可能性は高い。

 紅華会隆盛の最大のキーマンであるカルネ。その男をフランス疎開のトップへと押し上げ、かつズブズブの関係を維持し続けられているという功績が、彼を三番頭へと押し上げた・・・・のだが、彼自身は、全ては神の御加護だと思っているのかもしれない。よく考えれば、いくら罪を許してもらうためとはいえ、彼が教会で払っている金額はあまりにも多すぎる(確認できるだけでも札束が16束)。しかしその中に、罪を許してもらえたおかげで昇進できたという感謝の気持ちも込められているのだとすれば判る気もする。商売繁盛の神に玉串を収めた者が、その商売で成功を収めた後、最初の倍以上の金額を納めたりするように、黄西飛も自分の昇進を全てはイエス様のお慈悲あってこそと考え、格が上がるたびにどんどんとお布施も増えていったのかもしれない。