タイガ
登場:TVアニメ版(114〜123話)
北斗の拳2(FC)
肩書:帝都の緑光将軍
流派:元斗皇拳
CV:佐藤正治 |
帝都の緑光将軍。
元斗皇拳の使い手の一人。青光将軍の
ボルツと共に
ジャコウの側近を務める戦士。
TVアニメ版にのみ登場したキャラクターであり、主に原作で
ジャスクが務めたポジションを担っている。
ジャコウを殺そうとしていた
アインと
バットの前に立ちふさがり、二人を
元斗緑光飛弾で撃退。彼らを落とし穴に落とした後、ジャコウに自らの警護をするよう言われ、共に城壁へ。成り行きを黙って見守っていたが、帝都の敗北が濃厚になったため、ジャコウに見切りをつけて退散した。
帝都が完全に崩壊した後、
リンを拉致し、
ファルコの仕掛けた爆弾で
中央帝都を爆破。その後、
ケンシロウとファルコを
修羅の国に誘き出すため、リンを連れて海を渡った。しかし修羅の国に着いた途端、
部下達もろとも修羅にやられて全滅。訪れたファルコに対し、この先に待つ地獄で朽ち果てるよう言い残し死亡した。。
ボルツと共に原作のジャコウの息子達の代わりを果たしたわけだが、強敵不足の帝都編においてはいい人事であったかなと思う。タイガは別にケンシロウと戦ったわけではないが、アインをあっさり退けた点、修羅の国でやられた点だけで十分その役目は果たしたといえよう。ジャスクが殺されたってのより、タイガがやられたってほうが、まだ修羅の国の恐ろしさを伝えるには説得力が高いし。
しかし、息子ではなくなったという部分で一つ問題が生まれた。タイガは修羅の国へ渡った理由がよくわからなくなったのだ。ジャスクにとってはケン&ファルコは父の仇であり、また帝都で肩幅をきかせられていた生活を奪われたからという理由がある。しかしタイガにはその理屈は通じない。ジャコウは父でもないし、後半の裏切りを見ていると仇をとろうなどと考えるはずもない。確かに帝都での生活は追われたが、それでも命をかけて修羅の国へおびき出し、二人を殺そうと考えるほど怨むことかといわれれば疑問である。おそらく彼には、二人への復讐以外にも何か理由があったのだろう。
私は、タイガは死ぬつもりは無かったんじゃないかと思う。つまりファルコ達への復讐と言うより、その後自分が生きていくために邪魔な存在であるケンとファルコを亡き者にするため、修羅の国におびき出したんじゃないかということだ。確かにこの二人を倒せる存在など、もはやあの大陸にはいないだろう。ならば修羅の国に助けを求めるのは当然のことだ。では、二人が死んだ後にタイガが描いていた野望とは何だったのだろうか。
まず考えられる目的は、帝都の復活である。ケンとファルコの居ない北斗の軍など、タイガがちょっとがんばれば殲滅することも可能だろう。その後自らが王として君臨する事を考えてもおかしくない。もともとタイガはジャコウに成り代わって帝都の長になろうと考えていたんじゃないだろうか。ジャコウを裏切ったタイミングをみても、彼の興味が帝都のもつ権力にあったことが見て取れる。だが、いくら自分は生き残るつもりだったとはいえ、権力を得るためだけに修羅の国に行くだろうか。リスクが高すぎる気がする。
もっと執念の感じられる理由はないかと考えると、思いつくのは天帝と言う存在だ。タイガは天帝を手に入れたかったんじゃないだろうか。それなら天帝を幽閉したジャコウと一緒じゃないか、と思うかもしれないが、目的はそうではない。タイガは天帝に自らの子を孕ませ、自らの血を天帝の血脈の中に入れたいという変態的な野望を描いていたんじゃなかろうか。権力にこだわる三流の悪党よりも、そういったマッドな考えを持った者のほうが執念が強い場合が多い。どことなくそんなアブない空気を、タイガはもっている。リンではなく、ルイという正式な帝に自らの種を入れることによって、何代にも渡って受け継がれていく天帝の歴史に永遠に自らのDNAを受け継がせていく。それが元斗皇拳の歴史上最大の変態、タイガの野望だったんじゃなかろうか。
ただ上記のどちらの説にしても、大陸を支配するだけの兵力が必要だ。タイガはその戦力を、修羅の国で手に入れようとも考えていたんじゃないかと思う。タイガ政権を完成させた後の夢のような暮らしをちらつかせれば、何人か話に乗ってくるものがいるんじゃないかと甘く考えていたのではないか。しかし結局話を切り出す間もなく、ああいう結果になってしまったと。うーむ、なんて浅墓なやつだ。単なる私の推測に過ぎないのに変態だ浅墓だといわれてタイガも大変だな。
もうひとつ、これは甲斐の才兵衛様の御意見なのだが、タイガはカイオウにリンを捧げるのが目的だったんじゃないかと言う説。カイオウはリンに自分の子供を生ませようとしていた。呪われた北斗琉拳の血を拭い去るには、天帝の血をもって洗い清めるしかないらしいからだ。その事を耳にしたタイガが、リンを手土産に修羅の国へと渡り、カイオウに取り入ろうと考えたのではないかと言うことだ。確かにその天帝の血がわざわざ海を渡ってきたというのは偶然にしては出来すぎている気がする。何者かによって仕組まれた事であると考えても不思議ではない。リンが攫われた事、そしてそれを追ってケンが修羅の国に来た事。それら全てがタイガを利用したカイオウの策なのだとしたら、なかなかお見事と言うしかない。一方いいように利用された挙句、カイオウに取り入るどころか入国後即殺されたタイガはマヌケとしか言いようが無い。タイガがマヌケか浅墓か変態であるかは、皆様の想像にお任せします。