ゲルド
登場:TVアニメ版(110話)
肩書:司刑隊
戦法:大刀
CV:屋良有作 |
TVアニメ版に登場した
天帝軍の
司刑官。天帝軍一残忍な男と呼ばれている。かつては
天帝軍特殊部隊の隊長として、レジスタンスである
赤龍党との最後の戦いの際に司令官を務めた。その戦いの中で頬に傷をつけた
ムハリをしつこくつけねらっている。
ムハリの住む村の司刑官に配属され、早速バーにいた元赤龍党の
ヘルケンを殺害。更に
赤龍党の残党が集まる家を襲撃し、ムハリの居場所を聞き出そうとした。だがその時、騒ぎと聞きつけたムハリ本人が登場。病魔に冒されたムハリを圧倒し、長刀でその体を切り裂いた。
その夜、残る赤龍党の残党達に夜襲をかけられるが、兵力で勝る自軍の反撃で優勢に。父ムハリの敵をとらんと自爆を試みる
ハルをも殺そうとするが、その寸前、先ほどのバーで目撃した旅人が乱入。その正体が
ケンシロウであると知るや、その首にかけられた無限大の賞金を目当てに襲い掛かるが、全く相手にならず敗北。
秘孔を突かれ、爆死した。
どっかでみたような人物に、申し訳程度にマークをつけただけのようなバスク達とは違い、その額の大きなマークはまさしくミスター天帝軍と言ってもいいほどの容姿。流石は元特殊部隊隊長だけあって、ヘルケンを一撃で殴り殺す剛力や、ムハリ戦でみせた長刀捌きも見事であった。だが彼の真の魅力は声である。あてたのは屋良有作。北斗アニメ屈指の断末魔を残したと言われるダガールを演じた人だ。今回はまた別の意味で物凄い。とてもアニメとは思えぬ、シリアス映画の吹き替えかと思うほどの渋い喋声。とても一話で終わらせるには惜しい存在であった。後にカイゼルも担当されるが、ゲルドのほうがオリジナルキャラだけあって声の深みがある気がする。是非皆さんも堪能してもらいたい。
拳王軍特殊部隊の隊長の座から、天帝軍の司令官にまで登りつめたにもかかわらず、いきついた先は辺鄙な村の司刑官。どう考えても階級的には遥かにダウンしている。そうまでしてムハリを殺したかったのだろうか。単に殺したいだけならどんな立場であれ、元レジスタンスの残党狩りというしっかりとした名目があるのだから、兵を動員して殲滅できたはずだ。階級を落とす必要はないように思える。
私が思うに、そのゲルドが司令官をつとめた天帝軍vs赤龍党の最後の戦いにおいて、彼はヘマをやらかし、降格させられたのではないだろうか。だいたい司令官であるゲルドが傷を負ったということは、その司令官の位置まで敵に攻め込まれているということを意味している。戦力的に圧倒的に勝っているにも関わらす、天帝軍も相当なダメージを受けたのではないかと考えられるわけだ。その責任は当然司令官であるゲルドに降りかかってくる。そしてゲルドは特殊部隊の隊長の座を追われ、いち司刑官にまで降格し、必死の要請でなんとかこのムハリの村への異動人事にこぎつけたのではないか。ゲルドのムハリに対する恨みというのは、頬につけられた傷などではなく、天帝軍を一時追い詰めたほどのムハリの参謀としての能力と、その戦いの責任をとらされての処分に対する逆恨みから来ているのではないだろうか。その呪怨の大きさは、それくらいの理由があったほうがリアリティがあると思う。
ちなみに彼のキャラクター設定図では、杖を手にた姿で描かれている。アニメでも確かに初登場時、車に乗っている場面では手にしているのだが、以降は登場していない。私が思うに、彼は当初「かつてムハリにやられて脚が不自由になった」という設定だったのではないだろうか。しかし悪党とはいえ片足が不自由な相手をケンシロウに殺させるのは如何なものかという意見が出て、杖設定は無かった事にされたのではないかと思う。