ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
ラモからケンシロウの捜索を託されたルカは、未だ荒野を彷徨っていた。水を盗んだとして追ってきた盗賊の追撃をかわせず、覚悟を決めるルカ。しかしその時、突如現れた一組の男女が、盗賊達を蹴散らした。男の名はレイ。女の名はマミヤ。彼らはケンシロウの無二の友であった。 マミヤの村へと運ばれたルカであったが、そこにケンシロウの姿は無かった。ケンは伝承者争いの決着をつけるため、トキがいるという奇跡の村へと向かっていたのである。そして今、レイもまた奇跡の村へと旅立とうとしていた。悪魔へと変貌したトキの正体は、アミバという男―――。ルカから聞いたその情報を、レイはケンに伝えなければならなかった。かつて南斗聖拳の同門としてアミバを知るレイは、ルカの言葉が偽りではないことを知っていた。 レイの口から明かされた真実は、ケンから躊躇いを消し去った。怒りの拳を全身に受け、秘孔膝限を突かれたアミバは、自らの足で城から身を投げて死に果てたのであった。自分の中のトキの亡霊に憑りつかれた男の、哀れな末路であった。 アミバの敗北、そしてケン達がカサンドラへ向かっているとの情報は、直ぐに拳王の元へと届けられた。ケンシロウとトキを会わせてはならない。そう命じる拳王であったが、その顔には笑みが浮かんでいた。一人の男として、強い敵を求めてしまう血の滾りを、ラオウは抑えることができなかったのだった。 カサンドラから救出されたトキは、病の体を圧し、行き急いでいた。残る余生、医者として人々を救うという道も、トキには残されていた。しかし彼には果たさねばならない"約束"があった。例えその闘いで命を燃やしつくし、命果てる事になろうとも・・・。しかし、レイはそんなトキに理解を示した。人の為に殉じるばかりの聖人としてではなく、自分の道を進もうとしている人間としてのトキに、憧れのような感情を抱いていたのだった。もしオレが自分の死期を悟ったなら、あんたのようにありたい。レイの告げたその言葉が、すぐに現実のものとなることを、今はまだ誰も知らなかった。 トキがユリアに対してそうであったように、レイもまたマミヤを見守る愛に殉じた男であった。しかし、己の命を持って死兆星の運命を断ち切ったレイの生き様は、マミヤの心を動かした。彼女の中には、永久に消えることのないレイの愛が刻み込まれたのであった―――。 |
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