ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
メディスンシティからトキのもとへ診療依頼が届いた。多くの人を治したい気持ちはあれど、数日村を離れねばならない事に、不安を抱くトキ。しかし、その背中を押したのは、村人達であった。トキ様がいなくても大丈夫だという事を証明したい―――そう言って、自信を持ってトキを送り出した村人達だったが・・・ 暫くの後、鉄クズを探しに出た一団の一人が、蒼白な顔で村へと戻ってきた。男は、自らの担当する電力プラントへと赴き、言った。仲間はみんな殺された。そして俺の命ももう直ぐ尽きる。助かるにはこの風車を吹き飛ばすしかないんだ―――と。そう言って男は、手に持ったダイナマイトの導火線に火をつけたのだった。 爆音と共に風車が活動を停止したその時、まるで図っていたかのように、盗賊団が村へとなだれ込んで来た。彼等は"ある男"の言う事に従い、村が防衛機能を失う時を待っていたのである。その男が、風車を爆破させた首謀者であることは、言うまでもなかった。だが次の瞬間、男は意外な行動をとった。自らがけしかけたはずの盗賊達を次々と斬殺し、全滅させたのである。彼が使ったのは、トキの有情拳とは違う、冷酷な北斗神拳であった。しかし、マントの下から現れたその姿は、紛れもなく「トキ」そのものであった。 村人達がトキを囲んで祝福する中、ルカだけはその異変に気がついていた。こいつはトキ先生なんかじゃない―――。そう叫ぶルカであったが、その「トキ」は、自らが本物であるという証拠をもっていた。かつてルカが目撃した、トキの背中の傷・・・それと全く同じものが、この男の背中にも刻まれていたのである。この子供はパニックを起こしている―――。そう言って、ルカに向けて手を伸ばす「トキ」。その瞬間、ルカの中にある感覚が走った。ルカが感じた気配・・・それはかつて、自らを実験台にしようとした男・・・アミバに感じたのと同じものであった。 あの日、ジャギはアミバに言った。お前の背中にトキと同じ傷をつける、と。その言葉を聞いた瞬間、アミバは全てを理解した。トキに敵わないなら、自分自身がトキとなればいい。それがジャギの考えた、アミバの成すべき復讐のプランだったのである。木人形を使い、秘孔で顔を変えることに成功したアミバは、いま正に「トキ」として、奇跡の村へと戻ってきたのであった。 「トキ」となったアミバの命令の下、村人達は総出で、ルカとラモの姿を探していた。今いる「トキ」が偽者であることを知るルカ達は、アミバにとって邪魔な存在だったのである。その頃、二人は村の外へと続く地下水道へと辿り着いていた。ラモはルカに言った。北斗神拳の伝承者、ケンシロウを探してほしいと。ラモは、アミバの背後に巨大な黒幕の存在を感じていた。トキですらその手に捕らえられたかもしれない今、この状況を打破できるのはケンシロウしかいない。ラモはそう判断し、北斗神拳の伝承者に全てを託したのである。自らの村を守るため、いつかまた、トキと共に暮らせる日がくることを信じ、ルカはたった一人で荒野へと飛び出したのであった。 一方、村に残ったラモは、患者達を守るために診療所へと帰ってきていた。しかし、そこは既にアミバによって待ち伏せられていた。トキの歴史を知る男、ラモ。彼の持つトキの情報は、アミバが「トキ」に成る為に必要な最後の1ピースであった。拒めば全身の血管が破裂するというアミバの自白秘孔の前には、ラモの抵抗ももはや無力であった・・・ |
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