ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
小さな村を襲いながら、奇跡の村へ向けて進軍を続けるZEED軍。そんな彼等に近寄ってきたのは、あのアミバであった。トキに復讐するため、アミバは奇跡の村を狙うZEEDに助勢する事を選んだのである。向こうはこちらの動きを掴んでいる。ならば襲撃の予定を早め、不意を突け―――。アミバの提案したその策に乗り、ZEED軍は一路奇跡の村へ向けてバイクを走らせる・・・ 予定よりも早いZEED軍の登場に、村人達は完全に浮き足立っていた。だがそんな彼等の焦りを治めたのは、ルカであった。彼の両親は、村を守るために戦い、夜盗に殺された。だから今度はオレがこの村を守るんだ―――。幼いルカの勇気は、動揺する村人達にも伝染し、再び彼等に戦う決意を取り戻させたのであった。 夜襲に長けたZEED軍の攻撃に苦戦を強いられる村人達。しかし、彼等は夜襲に対抗するため、ある秘策を用意していた。村の中央に建てられた謎の建造物・・・・その正体は、巨大な風車を利用した、風力発電塔であった。放たれる電気の光が、暗闇のZEED軍たちを照らしだす。視界を取り戻した村人達の攻撃は、一気に形勢を逆転させた。だが、その秘策にはリスクが伴っていた。風車の建設を優先し、未完成のままだったバリケードは、ZEEDが放ったダイナマイトによって、脆くも破壊されてしまったのだった。 一気に村の中へ攻め込んだものの、トキの北斗神拳、そして統率された村人達の前に、思わぬ劣勢を強いられるZEED軍。狙いを風車へと変更したZEEDは、その土台に大量の爆薬をセットする。だがその時、風車の上から落ちてきた"ションベン"が、点火の炎を消した。雲のジュウザ―――。他人に流されず、己の意思のみで生きるその男の気まぐれは、奇跡の村への助勢を選んだのである。雲を動かしたもの、それは、村のために戦う女や老人達の姿であり、それをただ傍観しているだけの自分に、カッコ悪さを感じたからであった。 ジュウザとトキ。二人の超人の前では、統率されたZEED軍の戦い方も全く通用しなかった。組織化された軍団は、頭を潰されれば脆い。そう考えたジュウザは、凄まじい突進で雑魚を吹き飛ばし、リーダーへのもとへ。切り開かれた道を歩き、リーダーの前へと立ったトキは、その男の顔にそっと触れた。北斗虚無指弾―――。その拳は、リーダーの中から奇跡の村に関する記憶を消し去ると同時に、この一夜の戦いに終止符を打ったのだった。 自らの作戦を打ち砕かれた事で、更にトキへの憎しみを募らせるアミバ。怒りに狂うアミバは、その場に居合わせた見知らぬ盗賊集団を、手当たり次第に殺し始める。だがその一団のリーダーは、トキを憎むそのアミバに興味を引かれていた。アミバを自らのアジトへと招きいれ、その男は言った。俺にも殺したい奴がいる。そいつとトキを組ませないよう、手を組もう―――と。顔をメットで覆い隠したその男に、アミバは心当たりがあった。彼の名はジャギ。トキの義弟であり、末弟のケンシロウに激しい恨みを持つ男であった。 勝利の光に彩られた、奇跡の村の夜景。旅立ちの直前、ジュウザはその美しい光景を目に焼き付けていた。ユリアに背中を押された気がした―――。自らが戦いに参戦した理由を、ジュウザはそう語った。だが、その言葉には哀しみの色が込められていた。ユリアはもうこの世にはいなかった。シンの暴走を止めるため、彼女は自ら死を選んだのである。ジュウザもまた、ユリアを愛していた。そしてトキも―――。しかし、トキの目に涙はなかった。ユリアには涙を見せたくない。そう思い、幼き頃から泣く事をガマンしてきたトキには、もはや涙は残されてはいなかったのだった。 |
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