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北斗の拳 レイ外伝 蒼黒の餓狼
ストーリー キャラクター 流派・奥義




ストーリー紹介(7)
決闘編


 南斗聖闘殿―――。南斗の拳士達にとっての聖地であるその地が、ロフウが選んだ決着の場所であった。既にそこには、二人の闘いを見届けんと、数多くの拳士達が集まってきていた。聖帝、KING、ユダ、南斗最後の将、そして拳王―――。その横には、今や拳王に忠誠を誓った、あのカレンの姿もあった。愛と情けを背負い、皆のために拳を振るうレイ。怒りを拳の真髄とし、己のために拳を振るうロフウ。対極の二つの南斗水鳥拳が、いま決着の時を迎えようとしていた。


 拳を教えた男と、拳を教わった男。互いに相手の拳を熟知しているはずの闘いであったが、その主導権をとったのはロフウであった。怒り、憎しみ、執念・・・レイには教えていないその闘いの精神が、ロフウの拳を高まらせていたのである。だが、ロフウの放った一言は、一瞬にしてレイを同じステージへと登らせた。七つの傷の男を使い、村を襲わせたのはワシだ―――。父と母の仇。そしてアイリを不幸に陥れた全ての元凶。それがロフウである事を知った時、レイの拳からは華麗さが失われた。それは、ロフウと同じ、怒りを糧とした剛の南斗水鳥拳の姿であった。


 ぶつかり合う二つの剛の水鳥拳。周囲すべてのものを破壊するその凄まじい闘いは、見る者におぞましさすら感じさる程であった。だが、その怒りをもってしても、レイはロフウを超えることは出来なかった。動けなくなったレイに向け、ロフウの止めの一撃が振り下ろされる。だがその時、ロフウの脚に傷みが走った。レイの危機を救わんと、ユウがロフウの脚に短剣を突き刺したのである。怒れるロフウがユウをその手にかけんとしたその時―――、駆け抜けた影がロフウの背を切り裂き、ユウを救った。それは、かつてリンレイがレイに告げた、義星の力・・・・。己のためではなく、誰かのために生きるときに力を発揮するという、レイの南斗水鳥拳であった。


 取りもどした本来の水鳥拳で、ロフウと互角に渡り合うレイ。しかしロフウは、その源であるリンレイの拳も打ち破っていた。かつてリンレイと立ち合った際、その華麗な拳の前に、ロフウの拳は悉くかわされた。しかしリンレイが情けを出し、そしてロフウが拳に怒りを宿らせた時、ロフウの拳はリンレイの身体を貫いていた。その時、ロフウは悟った。リンレイを敗北せしめたのは愛・・・。技を曇らせる愛などというものは、拳には不要なものであると。しかし、ユウはその考えを否定した。ロフウとリンレイ、二人の拳を高めたのは、互いの愛。そしてロフウがリンレイに勝てなかったのも、彼女を愛していたからだ―――。その言葉を、ロフウは信じるわけにはいかなかった。だが、ロフウは気付いていなかった。ロフウが追い求めた強さ・・・それはまさにリンレイの拳であったことを。そして今、数々の人々と出会い、義星の宿命に目覚めたことで、レイの南斗水鳥拳は師である二人の拳を超えようとしていた。


 闘いの結果を予見した観戦者たちが、次々にその場を後にする中、二人の死闘は佳境を迎えていた。跳躍したレイに向かい、ロフウが放った最後の奥義・・・それは相討ちを狙う究極奥義、断己相殺拳であった。宙で逃げ場を失ったレイに、ロフウの渾身の拳が迫る。しかしその時、奇跡が起こった。宙空に手をつき、レイの体が再び空高く舞い上がったのである。その美しき水鳥と化した姿に心奪われたロフウは、次の瞬間、レイの二本の手に切り裂かれていた。南斗水鳥拳究極奥義、飛翔白麗。それはかつてリンレイすら使いこなせなかったという、伝説の奥義であった。


 決着後、エバの死について問われたロフウは、あの日の夜のことについて語り始めた。
 リンレイを殺した後、覇道へと乗り出したロフウは、アスガルズルの支配を目論んだ。エバはその野望に気付きながらも、ロフウを街へと迎え入れた。何故なら彼女は、いつかロフウが「最も強き南斗の男」に倒される未来を予見していたのである。そしてあの日、ロフウがエバの寝室で見たのは、眠れるレイの姿であった。ひよっこのレイが己を倒せるはずは無い。ましてやレイと己が闘う理由が無い。そう語るロフウに対し、エバは己を殺すよう命じた。エバは、レイにこの世を照らす光を見ていた。その者に道を示すため、エバは自らの命を捨てる事を選んだのである。そしてもうひとつ、彼女にそう決意させたのは、ユウの存在があったからであった。ユウが自らの意志を継ぎ、アスガルズルの未来を創っていってくれるであろうことを、エバは信じていたのだった。


 アイリをさらわせたというロフウの言葉は、レイを怒らせるための方便であった。すべてはレイに真の力を引き出させるため・・・その意味を、ロフウ自信、今初めて悟っていた。己やリンレイ、そしてエバが託した、南斗水鳥拳の義の星の力。その拳の伝承者を、大きく羽ばたかせるため、ロフウはレイとの闘いを望んでいたのであった。もはや悔いは無い。師である己達を超え、遥かなる高みに登った男と闘えた事に満足しながら、ロフウはその生涯に幕を閉じたのであった。


 アスガルズルでは、レイとユウの帰りを待つ者達で溢れかえっていた。しかし、二人の旅は終わりの時を迎えようとしていた。女として幸せを求めるんだ―――。そう言い残し、レイは再び荒野へと戻っていった。妹アイリを探し出すため・・・そして、義星の宿命と共に生きるために・・・。




・ユウもまた、エバとおなじ予見の力を備えている。
何処から出てきたその設定!初めて聞いたぞ!らしい場面すらなかったし!
・リマ、なんとか生き延びる。ロフウとの戦いに赴かんとするレイに、ユウの救出を託す。
なんで生かしたんだ・・・死んどいた方が絶対良かっただろ・・・用がなくなったらすぐ殺す!これ北斗の鉄則!というか伝統芸能!
・レイとロフウの戦いを観戦しようと、南斗聖闘殿に続々と拳士達が集結。サウザー、シン、ユダ、南斗最後の将、そして拳王。
ロフウ一人のために南斗六聖会談が行われたことを考えると、彼らがこの闘いを観戦に来るのは当たり前な気もするが、それにしてもヒマそうだ。
・拳王、部下のカレンを従えて登場。レイ、拳王の圧倒的な闘気を感じ取る。
ここでレイが拳王様を見るのは原作との整合性を考えると変な気もするが横のカレンに気付いてないって事は、あまりよく見えていなかったのかも。そういえば偽アイリの真偽も見抜けなかったし、獄長の鞭を見切れなかったしレイって意外と眼が悪いのかもしれない。
・ロフウ、アイリをさらわせたのは自分の指示だと語り、レイを怒らせる。
「テメエの血は何色だーーー!!」
この台詞だけは言わせちゃなんねえよ・・・持ちネタみたいになるやん。怒りを抑えきれずに口から出た台詞だからいいんじゃないか。
・レイ、挑発にのせられてロフウと同じ剛の水鳥拳に。しかしユウの言葉によって、本来の華麗な水鳥拳を取りもどす。
理屈はわかるよ。剛の水鳥拳はレイの本来の拳じゃないから駄目だっていうのは。でも描写だけをみると、どう見ても怒りの剛拳モードのほうが強そうに見えるのよ。ダガールもそんな感想を述べてたって事は、これが素人目線だからなんだろうな。
・ユダ、怒りに満ちた二人の戦いを醜いと評し、勝負半ばで聖闘殿を後にする。
このシーンは好きだなあ。ユダは原作の最期でも「俺はずっと幻影を追っていた。おまえを、そして美しい南斗水鳥拳の舞いを!」と言っているとおり、美しいレイの拳が大好きなツンデレなんだよな。だからこの怒りで我を忘れた力任せの水鳥拳を使うレイの姿は見るに耐えなかったんだなあ。
・ロフウはリンレイと立ち会ったが、現役を退いたその拳の前に圧倒された。
これはロフウにとって相当屈辱だったろうなあ。嫁のほうが強いって時点でみじめだし、この結果によって「リンレイが己に伝承者の座を譲った」っていうのが明白になったんだもんな。しかもとどめを刺されないというオマケつき。そりゃ狂気に走っても仕方ないってもんだよね。
・ロフウが追い求めた強さとは、リンレイの拳だった。
ええ?この人自分で水鳥拳から女拳を省いたんじゃないっけ?
・拳王、水鳥拳を見切ったため、決着を待たずして南斗聖闘殿を後にする。サウザー、シン、南斗最後の将らも次々と帰還。
見切られちゃってんなら拳王様に瞬殺されても仕方ないよね。それにしても拳王様はぬかりない。 こういう地道な偵察がその強さを堅固にしてるんですね。
・数多くの人との出会いによって、レイは己の義星の宿命に気付いた。
原作で初登場した辺りのレイを見る限り、とてもそういう風には見えない。マミヤの村にいくまでに、また心荒むような出来事でもあったんかね。
・レイ、奥義 空舞燕離斬を出すも、ロフウの断己相殺拳を受け、飛翔白麗にチェンジ。宙空に手を突いてさらに舞い上がり、ロフウすら見惚れさせる飛翔白麗を放つ。
この空舞燕離斬、結局は不発に終わったわけだが、実はSEGAが出している北斗の拳の格闘ゲームの中で、レイの究極奥義として登場している。ついでにレイはそのゲームの中で、唯一空中で三段ジャンプが出来るのだが、これもきっとこの宙空ジャンプ飛翔白麗の元になってるんではないかと思う。
・リンレイでも使いこなせなかった伝説の奥義、南斗水鳥拳究極奥義 飛翔白麗。
あ、そんな難しいんだこの奥義。見惚れさせる辺りが難しいのかな。しかし「ひしょうびゃくれい」はないわ。シメの奥義の読み仮名間違えてもた。
・エバはロフウとレイを闘わせる理由を作るため、自ら望んでロフウに殺された。
うーん、別に自分ひとりが犠牲になるぶんにはいいとおもうんだが、結果的にはエバが死んだ所為で、街の女達も沢山死んじゃってるよね。拳王軍とかもエバの存在に重きをおいてたからアスガルズルを攻めなかったわけで今後は多分容赦なく侵攻してくると思うんだが・・・・ロフウも死んじゃったし。そんな簡単に死んでいい立場じゃないと思うんですよ、この人。


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