ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
第1話 |
核の炎により文明が崩壊した世界。荒れ果てた世紀末の荒野には、復讐に燃える一匹の狼の姿があった。南斗水鳥拳のレイ。南斗六聖拳の中でも最も優雅華麗と呼ばれた拳の伝承者であるその男は、いまや復讐に生きる餓狼へと成り果てていた。両親を殺し、妹アイリをさらったという七つの傷の男―――。その男を見つけ出し殺すまで、レイはどんな事をしててでも生き延びねばならなかった。 ![]() 数刻後―――。野盗達のアジトには、マントで身を隠した美女が訪れていた。だがそれは、アジトの中へと入り込むためのレイの変装であった。相手が南斗水鳥拳の使い手だと知り、降伏を申し入れてきたボスに対し、食糧と女達を全て差し出すよう要求するレイ。しかしその時、遅れてサイがアジトへと殴り込みをかけてきた。あっさりと取り押さえられたサイに、野盗達の凶器が振り上げられる。だがその危機を救ったのは、レイであった。七つの傷が無ければお前たちに用はない―――。動揺する野盗達を、次々とレイの水鳥拳が切り裂いてゆく。もはや戦いは避けられぬとして、泰山流棒術奥義 載天鳳にて挑まんとするボスであったが、その実力差はあまりにも大きかった。 ![]() 幼い兄妹から礼を述べられ、その顔に一瞬綻びを見せるレイ。そして、兄が守り抜いたチョコレートを分け合う二人の顔には、これ以上無い笑顔が溢れていた。この兄妹のような笑顔を、アイリにも必ず取り戻してみせる―――。そのためならば、泥をすすってでも生き延びてみせることを、レイは改めて純白のケープに誓うのだった。 |
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第2話 |
南斗水鳥拳伝承者レイ。かつて妹アイリをさらわれ、復讐の餓狼と化していたその男は、ケンシロウと、そしてマミヤと出会い、人のために生きる義の心を取り戻していた。そして今、レイは恩人であるケンの頼みを受け、リンとバットのいるこのマミヤの村を守り続けていた。 今日も村の外では、商隊が野盗達に襲われる光景が繰り広げられていた。すぐさま救援に駆けつけるレイであったが、そのすぐ後ろには、マミヤや村の人々、そしてリンやアイリまでもが武器を手に飛び出してきていた。ケンやレイの闘う姿によって、人々はその心に勇気を与えられていたのだった。 ![]() 突如現れた新たな集団の攻撃に、慌てふためく村人達。人々を村へと逃がし、ただ一人迎え撃つレイであったが、突如放たれた女拳士の蹴りを躱しきる事はできなかった。南斗翡翠拳。その使い手であるこの女の顔を、レイは知っていた。彼女の名はカレン。かつてレイと共に南斗聖拳を学んだ少女であった。 数年前、カレンとその兄マサヤは、南斗聖拳の修験の地にて、レイと共に拳の修行に励んでいた。二人は南斗翡翠拳の使い手でありながら、虫も殺せぬ程の心優しい兄妹であった。しかし核戦争の後―――。南斗は平和と乱世を望む二派に分かれ、その争いは凄惨を極めた。その中で、シュウのレジスタンスに加わったマサヤは、聖帝正規軍によって捕えられ、惨殺されてしまったのだという。兄を目の前で殺されたカレンは、生まれて始めて人をその手にかけ、哀しみの中で悟った。この世は力こそが正義―――。乱世に野望を抱く道を選んだカレンは、恐怖の覇者 拳王の下へと走り、拳王侵攻隊の隊長として今再びレイの前へと現れたのであった。 この村を守ることがケンシロウとの約束―――。そう語るレイに対し、カレンは言った。ケンシロウを待つのは死・・・。いずれ拳王や聖帝サウザーに殺される運命なのだと。しかし、レイは自らの命を捨ててでも、それを防ぐ覚悟を持っていた。そのためになら、カレンを殺すことすら厭わないほどの覚悟を。それが、南斗水鳥拳が背負う"義星"の宿命なのであった。 ![]() |
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