ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
嵐のような一日が過ぎ去ったその日の夜―――。エバを殺しの犯人が己の師である事を知ったレイは、改めて自らの手でロフウを倒す事を誓う。だが、そんな決意をユウは嘲笑った。アンタでは相手にならない。弱っちいあんたはもうこの街を出て行ってくれ―――。無論、それはユウの本心ではなかった。自分や街のためにレイが戦い傷つく事に、もうユウは耐える事ができなかったのだった。 街を追われたものの、アイリの行方も知れず、あてもなく街を彷徨うレイ。だがその時、路地裏から聞こえてきた話し声に、レイの目の色が変わった。ソウという男にアイリを売り払った―――。そう口にした男を、レイは半ば強引に捕らえ、ソウなる男のもとへ案内させようとするが・・・ 一方、アスガルズルから逃れたユダは。南斗六聖の謀議の場へと招かれていた。聖帝サウザー、KINGシン、海のリハク、森のリュウロウ・・・。南斗の重鎮達が一堂に顔を揃えた理由、それは、南斗に反逆の意思を見せるロフウの処遇を決めるためであった。今すぐ力を結集させてロフウを討つべきだ―――。怒りを込めてそう述べるユダであったが、皆の反応は冷ややかであった。ユダの目的が、自らの受けた屈辱を晴らすためであることが明白だったからである。逆に、智将と言われるリュウロウは、このまま捨て置くべきだとの意見を示した。ロフウが覇を唱えれば、いずれ覇道の前に拳王が立ちはだかる。煩わしい存在である二人を、相対させんとするその作戦に、異議を唱えるものなど誰もいなかった。しかしそれらは全て、ロフウがレイに勝った場合の話・・・。いま時代は欲しているのは、他人ために命を懸けて闘わんとする、レイのような男なのではないかと、リュウロウは感じていた。 夜―――。アスガルズルでは、エバの葬儀が行われていた。しかしそれは、街の支配を狙うロフウにとって絶好の機会でもあった。女達を一網打尽にせんと、一気に広場へと突入する用心棒達。だがそこは、既に武装した女達によってとり囲まれていた。用心棒たちの企みを察知し、先手を打っていたのである。その中でも突出した強さを見せるフリーダは、いよいよ真打であるロフウに挑もうとするが・・・ その頃レイは、自らが罠にはめられていたことに気付いていた。男が語ったアイリの情報は、レイをアスガルズルから引き離すための作戦だったのである。急いで街へと戻ろうとするレイであったが、その前に立ちはだかったのは、あのザンであった。そしてその背後には、張りつけにされたアイリの姿が掲げられていた。絶対的な人質を前に抵抗する事ができず、一方的に嬲られるレイ。しかしその時、突如現れた一人の男が、一瞬にしてアイリを救いだした。南斗白鷺拳のシュウ―――。レイの危機を知り、アスガルズルへ向かっていたところに、偶然この現場へと遭遇したのである。だが救い出されたその女は、やはりアイリの偽者であった。手立てを失ったザンは、レイの千塵岩破斬によって、粉々に切り裂かれたのであった。 ロフウの圧倒的な強さの前に追い詰められるフリーダ。しかしその危機を救ったのは、リマであった。リマとフリーダ。二人はかつて同じところで育った兄妹のような存在であった。フリーダもまた、科学者たちによって生み出された人間兵器の一人だったのである。殺戮を生き甲斐とする二人は、かつて『B・B(ブラザー・バーサーカー)』と呼ばれ、人々から恐れられていた。しかし、そんな二人を変えたのは、エバとの出会いであった。己達にしか出来ない事―――。それが判ったとき、自分たちがこの世に生を受けた意味が判るはず。そうエバから告げられた二人は、やがてその言葉が真実であると悟り、エバズ・ヴァルキリアの一員としてエバを守る道を選んだのであった。ランから受け取った薬を飲み、かつての圧倒的なパワーを蘇らせたフリーダは、リマと共にロフウへと立ち向かうが・・・ シュウからバイクを借り、急いでアスガルズルへと戻るレイ。しかしそこにあったのは、無惨に敗北したリマとフリーダの姿であった。二人は、刺し違えてでもロフウを止めるつもりだった。ユウをアスガルズルから逃がすための時間を稼ぐつもりだったのである。エバに代わる新しい女王であるユウは、彼等にとって、命に代えても守らねばならない存在なのであった。しかし、その結果は真逆のものとなった。二人の想いを知ったユウは、アスガルズルに戻り、自らが新女王であることをロフウに告げたのである。ユウにとっても、リマとフリーダは、もはや掛け替えの無い存在となっていたのだった。私の命で二人を助けて欲しい―――。そう願い出たユウに、望みどおりにとばかりに拳を振り上げるロフウ。だがその拳が貫いたのは、盾となって立ちはだかったリマの身体であった。 リマの男気に応え、ユウを生かしたまま連れ去ったロフウ。だがその直前、リマが放った最後に拳より、仮面の下に隠されたロフウの素顔が顕わとなった。右目の上を走る大きな傷―――。それは、かつてロフウが妻リンレイと立ち会った際に受けた傷であった。そしてその闘いの果てに、ロフウはリンレイをその手にかけたというのである。ロフウが狂気へと走った事も、全てはその闘いから始まっていたのであった。 |
|