ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
シュレン達から得た情報を頼りに、ケンシロウがいたという村へと訪れたジュウザ。そんな彼を待っていたのは、ユリアに良く似た女戦士・マミヤの手荒い歓迎と、旧知の仲であるアイリとの再会であった。だが、そのアイリの兄―――、南斗水鳥拳のレイは、既にこの世にはいなかった。マミヤやアイリを守るため、命を賭して戦ったその男は、義星の名に恥じぬ凄絶な最期を遂げていたのであった。 そのレイの友であるケンシロウも、既にこの村にはいなかった。ケンシロウが救世主と呼ばれている事を面白く思わないジュウザは、思わず自分の本音を口にする。好きな女一人守れなかったくせに―――。それを聞いたマミヤは、ジュウザの頬を叩き、こう言った。ケンは哀しみを力に変えて戦っている。あなたにそんな事を言われる筋合いはない―――と。だがその言葉が指していたのは、ケンシロウだけではなかった。マミヤもまた、愛するレイを守りきれず、心に哀しみを背負った一人なのであった。 数年前、ジュウザは修行中のレイの下を訪れたことがあった。お前の拳は型通りの凡庸な拳にしか見えない―――。そう言って、問答無用とばかりにレイに勝負を吹っかけるジュウザ。だが結果は、互いの拳を皮一枚で躱しての引き分けに終わった。その時、ジュウザはレイに言われた。何故それだけの才を持ちながら、拳の道を極めようとしないのかと。自分の道は自分の意思で決める―――。そう返したジュウザであったが、自らの言うその"意思"が何なのか、ジュウザ自身もわからなかった。だがレイには、既にこの時大きな意思を持っていた。南斗水鳥拳を極めた先にある境地を見てみたい―――。そして現在、レイの願望は叶えられた。彼が極めた拳は、義の星の宿命を全し、愛する女の命を救ったのだった。未だ"意思"を見つけられずにいるジュウザにとって、それはあまりにも眩しい生き様であった。 |
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