ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
(1)サヤ編 | (2)二つの魂編 |
暴力が世を支配する荒廃した時代・・・人々に魂の平和をもたらすべく、一人の聖女が戦いの荒野に舞い降りた。南斗最後の将ユリア。これは、彼女がケンシロウと運命の旅を歩むことを決意した、若き日の物語―――。 ![]() 三人が北斗の寺院に着いたその時、ジャギがあるニュースを持ってきた。サヤの父がいる南斗の寺院が、火事になっているのだという。急いで里へと戻った三人であったが、既にそこは惨劇の跡と化していた。そしてその中には、致命傷を負ったサヤの父の姿があった。予知能力をもつユリア様が火事のことを教えてくれていれば、父さんは助かっていた―――そう言って、ユリアを詰るサヤであったが、父はそれを否定した。彼は先日、毒蛇に咬まれそうになったところを、ユリアに救ってもらっていた。しかし、死は避けることの出来ない運命として、別の形となって彼の身に訪れたのであった。 サヤがユリアに詫びようとしたその時、彼女の身体はゆっくりとその場に崩れ落ちた。サヤは不治の病に犯されていた。残された命は三日・・・その間に火事のことを知る事がなければ、彼女は父の死を知らずに死ぬことができる―――ユリアはそう考え、サヤを北斗の寺院へと誘ったのである。運命を変える事の出来ない予知能力・・・ユリアにとってそれは、苦痛の存在でしかなかった。 自らの死期を悟ったサヤは、同時にユリアの背負った苦しみにも気がついていた。大好きなユリア様のために、何かを残したい―――。死期の迫る自分よりも、ユリアの身を案じるそのサヤの心に、ケンシロウは突き動かされた。 ![]() 夜明けと共に、二人はユリアのもとへと帰ってきた。ケンに抱かれて眠るサヤの手の中には、あの花が握られていた。自分ため、命を削ってまで花を摘んできてくれたサヤの心に涙するユリア。そんな彼女のため、何一つしてやれない自分が、ユリアはただ情けなかった。しかし、彼女は無力などではなかった。死を前にしたサヤに力を与えたもの・・・それはサヤを想うユリアの心に他ならなかった。 ![]() |
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