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西斗月拳
1800年前、月氏の民にのみ伝えられていたという秘拳。当時、
経絡秘孔
に操ることに最も進化していた拳法であり、この拳と
北斗宗家の拳
の融合によって、最強の暗殺拳、
北斗神拳
が創始されたとされている。
かつて門下に迎えた
シュケン
が、西斗月拳の高弟を全て葬ったため、歴史から抹殺されたとされていた。しかしその怨念は永々と生き続けており、後に月氏の血を引く
ヤサカ
の手によって現代に蘇ることとなった。1800年経った今でも、北斗神拳への憎しみを忘れることなく、北斗に関わる者全てを抹殺する事を信念に掲げている。だが後にその憎しみは、
ヤーマ
の「シュケンに会いたい」という強すぎる思いが怨念へと変わったものであることが分かり、ヤサカ自身も、シュケンとヤーマの間にできた北斗の血を引くものの末裔であることが明らかとなった。
一撃必殺の北斗神拳とは違い、複数の秘孔を突いて必殺の技とすることを奥義としている。その最後の一撃は、自らの背に拳を隠して間合いを計らせない秘奥義「
相雷拳
」によって完成する。これは、達人同士の戦いの中では必殺の一撃を狙う事など出来ないという「
戦場の拳
」ならではの考えに基いている。しかしヤサカによると、その真価は戦場の中でこそ発揮されるものであり、本来は一対一の戦いには不向きな拳であるらしい。
死んだフリで敵を油断させようとしたり、漁夫の利によって二人を始末しようとしたりするなど、勝つためには時に手段を選ばない事もある。だが、女を殺すことだけは月氏の神が許さないらしい。