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タキ



登場:原作(17、18話)TVアニメ版(11〜13話)
役職:トヨの村の子供
CV:頓宮恭子(TVアニメ版)
   吉竹範子(PS版)
   川名真知子(真北斗無双)


 トヨに育てられている孤児の男の子。7才。

 の井戸を掘ってくれる男手を探すため、一人で村を飛び出すも、紫外線にやられ一時的に失明。崩れた高速道路から転落しそうになっていたところをケンシロウに救われ、水を貰った。

 その後、オアシスのROB BERにてケンシロウと、そして同じ村出身のバットと再会。村の事情を話し、ケン達を村へと案内した。

 その夜、水を飲もうとしないトヨの身体を心配し、隣村の井戸へ。水を盗んで帰ろうとするが、井戸の番人に見つかってしまい、ボウガンで胸を射抜かれ絶命。死ぬ間際に、駆けつけたケンシロウに水を託した。


 TVアニメ版では、バットと共に水を盗みにいき、逃亡に成功。その帰路に盗賊に襲われるが、ケンシロウが駆けつけてくれたおかげで無事に生還した。
 ジャッカル達に村を占領された際には、井戸の上で逆さ吊りにされるが、ここでもケンシロウに救われた。故にアニメではそのまま生存し、ウォリアーズ壊滅後に村に戻ってきた人々と再会している。




 タキは北斗の拳に登場したお子様の中でも、トップクラスの優しい心を持っていた。だが同時に、とんでもない行動力を持つお子様でもあった。


 彼は井戸を掘れる男手を求め、たった一人で村を出発した。まだ7才の子供がである。灼熱の砂漠を歩き、紫外線で目をやられ、脱水症状寸前に陥り、朽ちた高速道路から落ちそうになりながらも、なんとかオアシスへと到着。そこでバットと再会し、かつケンシロウという人手をもゲットした。あの厚い岩盤を割る事ができるSSRキャラを一発ツモしたのだ。まさに彼のアグレッシブさが呼んだ奇跡と言えるだろう。


 だがそれでも彼のフェイズは終わらない。村へと戻ったタキは、トヨが水を飲まない事を憂い、その日の夜に隣村まで赴いて水泥棒を敢行してしまう。いや君、目えやられてんねんで?昼まで包帯巻いてたんやで?治ると言っても「徐々に」なんだから、半日くらいじゃまだハッキリは見えてなかったでしょ?なのに夜中に明かりも無しに3キロも歩いて怖い水番がいる井戸まで水泥棒に?いやいやいや、流石に無茶しすぎです。優しさが暴走しております。


 しかし水泥棒に行くにしても、誰かに相談して協力を仰ぐことはできなかったのだろうか。泥棒という悪事に他の人を加担させるのは忍びないと思ったのだろうか。いや、おそらく彼はケンシロウの身を案じたのだろう。あのマユゲのお兄ちゃんは井戸を掘ってくれる人だから、万が一があってはならない。しかし自分は居ても役に立たないから、例え泥棒に失敗しても誰も困らない。そんな風に考えたのではなかろうか。


 もし本当にそんな事を考えていたとしたら、私は心を鬼にして、タキの事を大馬鹿者と謗ろう。自分がトヨを愛したように、トヨもまたタキを愛していた。タキの犠牲の上に水が手に入ったとして、それでトヨが本当に喜ぶとでも思っていたのか。いくら頑張り屋さんと言えど、そんな事もわからないようでは所詮7才児だと言わざるを得ない。本当に馬鹿野郎だよ。


 だが結局、タキに続き、トヨもまた後を追うように死んでしまった。彼女もまた、自らの命を顧みず、子供たちをかばって犠牲となったのだ。そんな彼女の優しさを見て育ったが故に、タキもまた心優しき子に育ったのであろう。そしてそれはバットもまた同じ。天にのぼり本当の親子となった二人は、成長したバットの活躍を今も見守り続けていることだろう。