
とある町の酒場で、バット達と共にくつろぐケンシロウ。その姿を見つけ、近寄ってきたのは、大柄な二人の男であった。彼らはKINGの発行した手配書を見て、七つの傷の男・ケンシロウを殺しに来たのだ。しかし、二人が襲いかかろうとしたその時、それを制止する声が酒場に響いた。声の主は、奥の部屋でバスタブにつかっていた男、ジャッカルであった。自分よりも強い奴とは戦うな。それがジャッカルの唱える信念であった。そして、その教えを守らなかった部下二人を、ジャッカルはその腕力で捻り殺したのであった。
その夜、村からバットとタキの姿が消えた。二人は、村から水を奪った奴等の元へと赴き、盗られた水を取り返そうと考えたのだ。看守の目を盗み、見事作戦を成功させた二人は、バギーで一路村へ。だがその行く手には、運悪く野盗が待ち構えていた。水を持って逃げる2人に、野党の刃が迫る。だが、間一髪のところで二人を救ったのは、ケンシロウであった。二人の行き先を聞いたケンが、駆けつけたのである。自分達の行動を反省するバット達であったが、ケンは、子供達にこれどの危険を晒させてしまう村の深刻さにを懸念するのだった。
翌朝、ケンは村の井戸の中にいた。たった一杯の水のために子供が危険な目に遭う時代。その不条理な世の中への怒りを、岩盤へとぶつけるケン。そしてその怒りの拳の前に、厚い岩盤は脆くもぶち割られた。遂に井戸に水が戻ったのだ。トヨや子供達の歓喜の声に包まれ、村の再建は近付いたかに思われたが・・・
自分より強い奴とは戦わない。その自らの信念に従うかのように、既にジャッカルは逃亡の準備を始めていた。ジャッカルの右腕フォックスが用意していたもの、それは二人の子供であった。彼らの背にダイナマイトを入れて走り回らせることによって、自らが逃亡するための時間を作り出したのだ。悠々と逃亡するウォリアーズに悔しさを覚えつつ、子供の背を追いかけるケン。しかし、一人は助け出したものの、もう一人はとても間に合いそうに無かった。だがその時、子供の背後に近付く一人の影があった。それは、既に深手を負っている筈のトヨであった。なんとか子供を捕らえたトヨは、ダイナマイトを空高く放り投げることに成功。しかし、子供をかばって爆風を受けたトヨの傷は、致命傷に至ってしまった。力尽きたトヨの体の上で泣き崩れるバット。その哀しき光景に、ケンはウォリアーズ達への復讐を誓うのだった。| [漫画版との違い] ・ジャッカルの部下がケンシロウに近付いたのは、原作では仲間に引き入れようとしたからだが、アニメではシンから配布された手配書を見てその首をとろうとしたため。 ・原作ではタキが来たバーはジョニーのバーだが、アニメでは違う。 ・ケン達が村に来たとき、原作ではトヨはバットに石をぶつけたが、アニメではケンに発砲。 ・水を盗みに行くのにバットも同行。そのせいか見事水を盗むことに成功 ・原作では2人に虚無指弾で1人を裏拳で倒したが、アニメでは全員虚無指弾 ・原作では虚無指弾の男達はバットに捨てに行かせたが、アニメではケンが行く。そのまま村を去ろうとする。 ・ジャッカルの軍が「ウォリアーズ」と命名 ・タキとバットが水を盗んで帰るシーン。そして道中2人が盗賊に襲われるシーン追加 ・トヨ、原作では暗器のサーベルで刺されるが、アニメでは奪われた銃の柄で殴られる ・元プロボクサーの男、そして北斗断骨筋も非登場。 ・井戸の上でくくられたのはアニメではタキに。原作では首くくりだったが、アニメでは逆さ吊りに。 ・「おかあさ―――――ん!!」が「おばさ――――――ん!!」に変更 |
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