
枯れ木の森にさしかかったケンに、突如、何者かが襲い掛かってきた。言葉すら喋れぬその獣人は、手裏剣、鞭、手留弾、短剣、と多彩な攻撃でケンを攻撃。しかし、その獣の身体能力をもってしても、ケンシロウには何一つ通用しなかった。秘孔 竅星によって腕の動きを奪われた獣人は、結局ケンの案内役として使われてしまうことになったのであった。
美しき女達の踊る食堂で、ケンと共に食事を愉しむドラゴン。彼が持ち掛けてきたのは、お互いの協力であった。二人が力をあわせればこの世を支配することが出来る。自らシンを裏切ることを約束し、そうもちかけるドラゴン。しかし、当然ケンがそんな話に乗るわけが無かった。麓の村から摂取したものでこんなハーレムを作り上げたドラゴンに、ケンは怒りすら感じていたのだ。だがそれもドラゴンの計算のうちであった。炎と共に姿を消したとドラゴンは、ケンを殺すための仕掛けを発動させた。その仕掛けとは、部屋を密室と変え、さらに巨大な針を生やした天井を床へ下ろしていくというものだった。だがケンは慌てなかった。ドラゴンが逃げた隠し穴が必ずどこかにあると確信していたのだ。そして念入りに室内を調べた結果、なんとか間一髪、ケンは床の抜け穴を見つけ出したのであった。
その頃、ドラゴンの城の外では、奴隷たちの競りが行われていた。その競りの進行を務めるのは、あのパトラであった。パトラは麓の村などから連れてきた男女などを、此処で奴隷として売りさばいていたのだ。そしてそこには、サムやミカの姿もあった。パトラの幻術で正気を失ったまま、競りの壇上へと立つミカ。装飾品で彩られたそのミカの美しきに興奮する購入者たち。恋人が今まさに奴隷として売られようとしている・・・そんな地獄のような光景に、サムは黙っていることは出来なかった。突如へと壇上へと駆け上がったサムは、ミカを連れて逃亡。しかし、ドラゴンの放ったナイフは、的確にそのサムの背中を捕らえた。重傷を負い、地に伏すサム。そのショックでミカは正気に戻ったものの、騒ぎを起こした彼らをドラゴンが許すはずは無かった。二人に弓を射るよう指示を出すドラゴン。だが、ドラゴンの兵士達が、その矢を放つことはなかった。駆けつけたケンにより、彼等は既に秘孔を突かれて、死んでいたのだった。
ドラゴンの体から飛び散った炎により、城は炎上し、崩れさった。そしてそれは、麓の村がパトラの呪縛から解放されたことを意味していた。水が戻った村で、笑顔で畑仕事に励むサム達。その人々の幸せな顔に、満足感を覚え、ケンは再び旅へと出たのだった。| [漫画版との違い] ・アニメオリジナルストーリー |
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