TOP

マダラ



登場:原作(32〜33話)TVアニメ版(27話)
肩書:牙一族で最も野獣に近い男
流派:華山分裂拳
CV:蟹江栄司(TVアニメ版)
   東條大輔(PS版)
   下山吉光(リバイブ)


 牙一族の中で最も野獣に近い男。ケンシロウの殺気に怯え、牙大王の制止を聞かずに襲いかかったが、秘孔頬内によって顎の力を喪失させられ、噛み付く攻撃は不発。更に蹴りを喰らって牙を折られた。

 その後、もう一つの武器である鋭い爪と腕力で襲い掛かるも、今度は秘孔で手を破壊され、最後は顔面に裏拳を喰らい爆死した。


 TVアニメ版では、仲間の弔いのための生け贄調達に連れて行かれ、命令を無視して次々と村人を殺害。鉄球に繋がれ、檻に入ったまま送還された。
 また、ケンシロウ戦で使った分身技に「華山分裂拳」なる名前がつけられた他、ケンに喰らった技にも五指裂弾北斗破顔拳と技称がつけられている。





 「斑(まだら)」には、異なった色が入り混じったものという意味がある。その言葉通り、人間と獣の染色体が混じりに混じった、正真正銘のバケモノ、それがマダラ君だ。北斗の拳には他にも様々なバケモノが登場するが、ここまで人外に寄せたキャラはそういない。一体何をどうしたらこんな奴が生まれるのだろうか。





 シンプルに考えるなら、牙大王が何かヤバいのと子作りしたってとこだろう。正直アイツなら何でもイケそうな気はする。物理的にも、性癖的にも。


 問題は人間と野獣に子供は生まれるのかだが、普通に考えれば厳しいだろう。卵細胞の周囲の層には糖鎖と呼ばれるものがあり、精子は酵素を出すことでそれを溶かし、卵子へと到達する。しかし両者の種族が違うと、精子の出す酵素では層を破る事が出来ないのだ。


 確かに牙大王が完全な「人間」であれば、そうだろう。しかし牙の息子たちを見て欲しい。マダラ程ではないにしろ、彼等も中々のケモノ野郎どもだ。つまり彼等の親である牙大王自身もケモノ寄りの人間である可能性が高い。


 そうなると話は変わってくる。種族が違っても、それが近縁であれば、稀に子供が生まれることがあるからだ。有名な所では、レオポン(ヒョウ×ライオン)、ラバ(ロバ×ウマ)、ライガー(ライオン×トラ)等が挙げられる。勿論、これらと比べると牙大王の近種度は相当低いだろう。だがあんな野郎の精子ならば、多少強引にでも卵子の層をブチ破ってきそうな気はする。華山角抵戯で鍛えられた男は、精子のパワーも凄いんですよ。知らんけど。



 他に考えられるのは、獣と人間のキメラという可能性だ。北斗の拳には意外とバイオ研究を匂わせる描写が多い。原作でもコウケツのペットは明らかにフランケンシュタインを意識した人造人間だし、レイ外伝には科学者達が作り上げた人間「怪物(フェノメーノ)」が登場する。つまりあの世界では割と普通にそういった研究が行われており、しかも一定の水準に達している可能性が高いのだ。となれば、実験体としては割と失敗作っぽいマダラなど、余裕で造られていてもおかしくはないだろう。


 北斗の世界観を優先するなら、秘孔実験によって生み出された生物という考え方もある。その場合、まず浮かぶのはアミバの木人形実験だ。TVアニメ版には、アミバの実験で熊の力を得たゴウダ、他にも蛇男、カマキリ男といった者達が登場し、彼等が割とマダラの雰囲気近い。ただゴウダ達は「生物の力を与えられた」だけで、外見はほぼ人間のままなので、少し系統が違う気もする。




 それよりもっと可能性が高そうなのが、『蒼天の拳リジェネシス』に登場した、コール大佐の研究である。その内容は、頭部にルーアハ(気)を送り込むことで、被検体の身体を大きく変異させるというもの。その特徴は、爪が伸び、牙が生え、凄まじい力を得るが、知能は低い――――。まさにマダラの特徴と完全に一致しているのだ。


 問題は、北斗の時代には既に天斗聖陰拳自体が失われているという事。だがもともとは北斗神拳の源流の拳だし、現代の拳士に再現できない事も無いだろう。ケンシロウの前に立ちはだかる新たな敵……それはマダラを生み出した謎の研究機関なのかもしれない。んなこたない。