ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
先頭に立って指揮をとるラモの頑張りもあり、奇跡の村は短期間で復興を遂げた。だがその一方で、村人達の間には、夜盗集団"ZEED"の噂が日に日に大きくなってきていた。彼等の動きを探るため、ラモは村人のセトに偵察を依頼するが・・・ 自らの南斗聖拳を試すため、実験台となる"木人形"を求める男、アミバ。そんな彼の前に現れたのは、ZEED軍に追われるセトの姿であった。死に行く直前、セトはアミバに伝言を託した。ZEEDが村を狙っていることをトキ様に伝えて欲しい―――と。アミバは奇跡の村の噂を知っていた。そしてそのトキなる男が、北斗四兄弟の一人である事も。南斗聖拳の次は北斗神拳を手に入れるのも悪くない・・・。そう言ってアミバは、ZEEDのメンバーを一瞬で屠り、奇跡の村へと向けて歩き出したのだった。 俺に北斗神拳を教えてくれ。その代わりにおまえの診療を手伝ってやろう。そのアミバの言葉に、トキは首を横に振った。自らを天才と称するその男の拳が、まがい物であることを、トキは見抜いていたのである。だが、今のままではトキの身体にかかる負担が大きいことも事実だった。血を吐き、倒れたトキに向かい、今度はルカが申し出た。オレに北斗神拳を教えて欲しい―――と。しかし、やはりトキはそれを受け入れなかった。幼いルカに北斗神拳の宿命を背負わせる事・・・それがいかに残酷な事なのかを、トキは身を持って理解していたのだった。 独学で北斗神拳を得るため、アミバが選んだ方法。それは、村人達を木人形とし、秘孔を試すというものであった。その最初の犠牲者に選ばれたのは、足の悪い老人であった。実験が失敗に終わると、今度は自らを咎めるルカに向かい、アミバの指が狙いを定める。しかしその時、騒ぎを聞きつけたトキが現場へと訪れた。自らを罵るアミバを、トキはまるで障害物をどけるかのようにハタき倒し、老人の足に治癒の秘孔を突きなおしたのだった。怒り狂い、トキに襲い掛かるアミバ。しかしそれは、トキの寸止めの拳によって制された。あまりにも早いその拳に格の違いを悟ったアミバは、暫くその場から動く事すらできなかった。 この村はZEEDに狙われている―――。アミバが去り際に放ったその言葉は、多くの村人達に動揺を走らせた。逃亡する者が相次ぐ中、希望を捨てず村に留まろうとするトキであったが、残された村人達は、誰もトキの診療を受けようとはしなかった。自分達より、トキの命を重んじる彼等は、今すぐトキにこの村から逃亡してほしかったのである。だがそんな村人達に対し、トキは言った。私は自分を犠牲にして貴方達を助けているわけではない。私に生きる理由を与えてくれるのが医者という仕事であり、私もまたあなた達患者に生かされているのだ―――と。 |
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