ストーリー | キャラクター | 流派・奥義 |
数年前―――。修験の地・鳥影山には、南斗水鳥拳の修行に励むレイの姿があった。親友のシュウ、その弟子のカレンが見守る中、柱の上に片足で立ち続けるレイ。しかし、今のレイの力では、三日耐えるのが限界であった。天地と一つになる事―――。師ロフウが言うその境地に、レイは未だ達する事ができずにいたのである。伝承者になるために必要な最後の一つ、「心」を身につけるため、レイは十日間に渡る闇闘崖の試練に臨むが・・・ 六日目の朝、襲い掛かってきた鳥をレイが切り裂いたその時―――、何者かが放ったボウガンが、レイの身体をかすめた。犯人は、同門のアミバであった。水鳥拳伝承者の座を狙うアミバは、ユダに相談し、レイを亡き者にする算段を立てていたのである。体勢を崩され、暗く深い崖下へと落下するレイ。しかし、レイは生きていた。彼を救ったのは、師ロフウの妻、リンレイであった。 かつてリンレイは、ロフウを超える才を持つ南斗水鳥拳伝承者候補の一人だった。しかしロフウを愛していたリンレイは、伝承者の座を辞退し、ロフウの妻として生きる道を選んだのだった。その後、伝承者となったロフウは、水鳥拳の柔なる流れを嫌い、力強い剛の拳として再構築してしまったのだという。故にレイは、失われたもう一つの水鳥拳―――陰拳、女拳の存在を知らされてはいなかったのだった。リンレイの見せる華麗で優雅なその動きは、レイが今まで見た水鳥拳の動きとは大きく異なるものだった。ロフウから教えられた男拳、そしてリンレイより伝授された女拳。陰と陽が一つとなり、天地合一が成された今、レイの南斗水鳥拳は完成の時を迎えようとしていた。 シュウやユダらが見守る中、再び闇闘崖の試練に臨むレイ。全く乱れのないその佇まいは、以前のレイとはまるで別人のようであった。そして巨大な鷹が襲い掛かってきたその時、レイは、見るもの全ての心を魅了する技でその危機を乗り切ってみせた。南斗水鳥拳奥義、飛燕流舞―――。それは、かつてリンレイが最も得意とした奥義であった。試練を終えたレイには、ロフウより、南斗水鳥拳伝承者の印可が与えられた。それは、世界が核の炎に包まれる僅か数日前の事であった。 |
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