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五車風裂拳
ごしゃふうれつけん



流派: 風仁拳
使用: ヒューイ (対 拳王侵攻隊隊長)
登場: アニメ版北斗の拳(84話)/激打MAX


 風のヒューイが使用した奥義。風を友とし、風の中に真空を走らせることで、鋼鉄をも断ち割る程の切れ味を生み出す拳。拳王侵攻隊の団長を相手に使用し、剣もろとも触れることなく一瞬で切り裂いた。技名はTVアニメ版北斗の拳に基く。

 かつてはヒューイの技で名前がついているのはこの風裂拳だけだったため、これが流派の名前かとも思われていたが、現在では五車風仁拳が多く使われている。



 五車星最弱の男が使う拳だが威力は南斗六聖拳に届かないまでも、近いくらいまでには迫っているだろう。五車星は南斗108派ではないので、南斗六聖拳の下位に位置づけられた拳というわけではない。まあその南斗六星のうちの一つである慈母に仕えているわけだから下位な気がせんでもないが、慈母星に拳が存在しないとするなら実質彼らが南斗六聖拳の一角であり、他の102派の中では相当上位であると考えても差し支えはないだろう。
 拳の性質は南斗聖拳の切断術に非常に酷似しているが、ヒューイによる拳の説明を聞くかぎり、近いようで遠い感じだ。五車風裂拳も南斗水鳥拳も真空波を生むことが出来るが、水鳥拳にとっての真空波は南斗聖拳の拳速が生んだ副産物のようなものであり、核とされるものではない。南斗六聖拳の拳士たちの主力は、あくまで己の拳での切断である。かたや風裂拳は、ほとんど手刀は使用しない。遠い間合いから放った真空波で相手を切り裂く。真空波こそが拳の主体なのだ。南斗紅鶴拳の奥義、伝衝裂波も、真空波を特化させた拳だろう。あれは紅鶴拳のすさまじい拳速が生む真空波である。しかし風裂拳が生む真空波は、おそらく拳速だけが要因ではない。ヒューイの言葉の中にある「風を友とし」という言葉から考えるに、ヒューイはその場に流れている小さな気流までも感じ、そこにどうやったら真空波を発生させるのかを熟知しているのだ。つまりヒューイのそれは、速さが生む"真空波"ではなく、風が起こす"カマイタチ"といったほうが正しい。
 してその威力なのだが、どうもあやしい。拳王侵攻隊のボスやその剣まで切断はしたが、「鋼鉄まで断ち割る」というのは流石にどうだろう。カマイタチでそんなことが可能なのだろうか・・・。だが、風の力には真空波にはない要素がある。それは、合体によって威力を増すということだ。竜巻同士が合体して巨大竜巻となるように、ヒューイも己のカマイタチを幾重にも重ねることで、スピードと大きさを増し、威力を高めることが出来るのではないか。なんせ風を友とする男だ。本来なら自然が起こす偶然も、彼にとっては朝飯前なはず。その重なりがマックスに達した時、風が鋼鉄を切るという奇跡が起きるのだろう。もしかしたらラオウ様との戦いの時もこれを使ったが、重なりきる前に間合いを無視した闘気の拳で迎撃されてしまったのかもしれない。