
岩山の上に構えられた青色の城に、一匹の白いハヤブサが舞い降りた。その城の主、風のヒューイに届けられたのは、リハクという男からの伝書であった。北斗に風雲あり。五車星立つべき時が来た。ヒューイ、そしてその弟であるシオン。彼等が率いる風の旅団が、今動きださんとしていた・・・
荒野のとある町では、拳王新兵隊と名乗る男達が、村人を相手に拳王軍団への募集をかけていた。水も食べ物も喰い放題という甘い誘惑に、次々と入隊の意思を示す若者達。しかしそんな中、彼等を止めようとする一人の老人が現れた。老人は、拳王軍に息子二人を殺されたという過去を持っていた。拳王軍に入隊するために村を出たその二人の息子は、散々惨い扱いを受け、殺されてしまったというのである。老人を追い払わんと、暴力に出る拳王軍。だがその間に割って入ったのはケンシロウであった。まさに一触即発。そんな雰囲気の中、拳王部隊のリーダー格の男は、ケンの逞しい肉体に目をつけた。男は相手がケンシロウとも知らず、拳王軍入隊を勧めてきたのである。しかし、ケンが出した答えは意外にもYESであった。信じられないというような表情で見送るバット達に小さく頷きを送ったケンは、トラックに乗って荒野へと出発したのだった。
鍛えあげられたグレンの肉体は、ケンの攻撃すら弾き返すほどの強度を持っていた。殴られ、叩きつけられ、締め上げられるケン。もはや絶体絶命かとも思われたが、ケンの中に宿る北斗神拳の歴史が、状況を一変させた。力には力を。転龍呼吸法にて力を引き出したケンは、グレンの捕縛からアッサリと脱出。鋼鉄の肉体と化したケンの身体には、もはやどんな攻撃も通じなくなっていた。手首を握りつぶされ、腕の筋力を1/100にされたグレンは、自らの敗北を認めたのであった。
一人の運命を捻じ曲げ、用がなくなれば殺す。残虐非道なグレンの所業に怒りを爆発させるケン。しかし、グレンをも打ち倒したケンシロウに対し、ダビデ達はとうに戦意を失っていた。一目散にアジトから逃亡しようとするダビデ達。しかしその時、彼らの間を一陣の風が駆け抜けた。その風が残したのは、ダビデの後ろを走っていた部下達の切り刻まれた肉片の山であった。風のヒューイ。そして彼が統率する風の旅団は、既にダビデを完全に取り囲んでいたのである。見苦しく言い訳をするダビデを一瞬にして切り裂き、ケンの前へと立つヒューイ。彼がケンの前へと現れた理由とは・・・| [漫画版との違い] ・アニメオリジナルストーリー |
![]() ![]() FZRのロゴの上に拳王軍マークのシールが貼ってある・・・
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