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コビト(でかいババァ)



登場:原作(64話)TVアニメ版(46話)
   PS版、北斗無双、北斗が如く、他
肩書:拳王特殊部隊
戦法:変装 暗器
CV:二又一成
   郷里大輔(PS版)
   下山吉光(リバイブ)
   坂本頼光(DD北斗の拳)
   高橋伸也(DD北斗の拳2)


 拳王の配下の一人。かなりの巨漢だが、何故か老婆に変装している。

 民家に訪れたケンシロウ達の前に老婆のふりをして登場。毒の水を飲ませようとするが、最初から変装を見抜かれており、「おまえのようなババアがいるか!!」と突っ込まれた。天井に潜ませていた刺客はコート掛けで貫かれ、自らも懐に隠していた剣で攻撃するも、トキにテーブルでガードされ失敗。最後はケンシロウのハイキックを顔面に受けて吹っ飛ばされた。

 TVアニメ版では、拳王特殊部隊所属という設定に。体格も漫画に比べて割と常人サイズになっていた。剣をトキにテーブルで防がれた際には、相手が咳き込ん隙を突いて力で押し勝っている。


 『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』では、拳王軍の健康診断において、軍団内最大身長の2メートル55センチだと測定されていた。また、原作ではケンシロウに敗れた後の生死が不明であったが、作中では駆けつけたザク達と暫く言葉を交わした後に息絶えている。




 なんかもう、凄い人気ですよね。 自分が記憶している限りでは、2000年辺りまではそれほどメジャーな存在では無かった気がするのだが、インターネットの普及と共に急速に知名度は急上昇。いまや公式がのっかってくるまでの人気者へと登りつめてしまった。

 その人気が数字として証明されたのが、2018年に行われた北斗の拳初の公式人気投票である。ここで彼……いや彼女は、ジャギ(10位)やアミバ(11位)を上回る9位にランクインしたのだ。えらいこっちゃやで。


 実際どれくらい人気なのかと言うと




フィギュアになったり





ビッ〇リマンになったり





プレイアブルキャラになったり






何故か3姉妹になったり





ハンドクリームのイメージキャラになったり





果てには抱き枕(XXLサイズ)まで。


いや凄いな。
流石にちょっと引くわ。



 彼がここまでの人気を獲得するに至ったのは、もちろん「大男が老婆の変装をしている」という事象の面白さもあるだろう。だがそれよりも「でかいババァ」というワードのインパクトに拠るところが大きいと思う。こんなキャッチーな愛称、中々無いよね。何ならもう画が無くても面白いもん。この6文字を読み上げるだけで面白い。彼にちゃんとした名前が無かった事が良い方に出たパターンと言える。





 ちなみモデルとなったのは、志村けんのコントキャラクターの一つである「ひとみばあさん」だと思われる。髪型もそっくりだし、メガネや給仕といった共通点、そしてなにより「男がババアに扮している」という大原則が一致している点からみても間違いないだろう。





 尚、コイツの人気に便乗したのか、蒼天の拳にもデカい看護婦というキャラクターが登場しているが、現在のところ全く話題にはなっていない。二匹目のどじょうはいなかった。




●何故正体を見破られたのか

 彼の女装……いや婆装は、ケンシロウに一瞬で見抜かれてしまった。ユリアの人形も、アミバの正体も見抜けなかった男にだ。つまり相当お粗末な変装だったということになる。ただ、少なくともマミヤは完璧に騙せていたので、実はそこまで悪くも無かったのかもしれない。そういえばケンシロウも、変装を見抜けた明確な理由は語っていなかった。作戦が失敗に到った真の原因とは、一体なんなのだろうか。

 普通に考えれば「ババァにしてはデカすぎるから」だろう。しかしあの世界には、あれくらいデカい男は沢山いる。なら稀にデカい女がいても不思議ではない気もするが……いや、もしかすると、この世界の人間は男しかデカくならないのかもしれない。この世界には超人的な拳法があり、その使い手は男ばかり。そういった男女の実力格差によって、男と女に大きな体格差が生まれるよう人間が「進化」したのかもしれない。ケンシロウはその遺伝子情報を元に「でかいババァ」という存在そのものを否定することが出来たため、正体を見破ることが出来たのではないだろうか。でかぃババァから生物進化に思いを馳せる。そんな日があってもいいじゃないか。

 ちなみにTVアニメ版では、殺気がダダ漏れだとか、ヒゲの剃り忘れ等が理由に挙げられていた。なるほど…殺気ね。きっとそれだね。北斗的アニマルプラネッツ妄想はここで終了となります。




●何故「ババァ」を選んだのか

 本当に何故ババアだったのだろうか。彼等の目的が「水を飲ませて毒殺する」ことだったとするなら、確かに「デカい男」よりは、老婆の方が油断を誘いやすい。しかしそれなら「デカいジジイ」でも良かったはずだ。デカい男なら沢山いる世界なので、デカいジジイならそこまで違和感も無かろう。バレる確率は相当減らせたはず。しかしそれでも彼はババァを選んだ。何故なのか。


 私が思うに、彼は壮大な勘違いをしたのだと思う。ケンシロウとトキの抹殺を命じられた彼は、確実にミッションを成功させるため、まずケンシロウの情報収集から入った。そこで出会ったのは、かつてジャッカルの部下だった男。彼から当時の顛末を聞いたコビトは、こう思ったのだ。「ケンシロウはババ専だ」と。


 なぜそんな勘違いが起こってしまったのか。それは視点の違いにある。ケンシロウがジャッカル達に激怒したのは、タキやトヨの死、そしてバットの涙を受けての事だった。しかしジャッカル一味の視点から見えていたのは、トヨの死のみ。タキが殺される瞬間も、バットが号泣する様も、彼等は目にしていないのだ。
 ジャッカル自身はオアシスで会話も聞いていたし、ある程度は状況を把握できていただろう。だがメンバー達までは詳細は知らされていなかった。故に彼らは、ケンシロウが激怒して追いかけてきた理由が「トヨを殺されたから」の一本だと思い込んでいたのだ。

 なぜ知り合ったばかりのババア一人を殺されただけでケンシロウはあんなに怒っているのか。彼等は不思議でならなかっただろう。だがその話を聞いてコビトはピンときたのだ。ケンシロウの怒りの根源は「愛」……。奴は出会ったばかりの未亡人トヨに恋心を抱いていた「ババ専」に違いないと。

 そう考え到った時、もはやコビトに迷いはなかった。ケンシロウの油断を誘うためには「老婆」はマスト。己の身長を顧みず、特注のヅラとエプロンを発注し、裏声の練習に励み、あの日を迎えたのである。己が相当失礼な勘違いをしていることも知らずに…。



●名前は「コビト」?

 彼には一応「コビト」という名前がある。公式かどうかと言われると微妙なところだが、一応武論尊先生公認ではある。

 2000年代、確か真救世主伝説シリーズの公開に合わせる形で「公式!北斗の拳DX」なる携帯サイト(いわゆるガラケーでのみアクセスできたサイト)が登場した。オリジナルの待ち受けや、カードバトルと連動したアプリ、「ラオウ外伝 天の覇王」の元となった小説等、結構色々なコンテンツを配信していたと記憶している。

 2010年頃には殆ど更新も止まっていたが、晩年の頃、運営スタッフが色々な企画を考えて実行するといったコーナーが始まった。その第一回の企画内容が、名無しのキャラに名前を付けようというもの。そこで選ばれたのがでかいババァで、発案された名前が「コビト」。スタッフが武論尊先生に連絡を取り、これを正式名にしてよいか確認を取ったところ、先生はとくに興味なさげであったが許可を出した……というのが一連の流れだったと記憶している。かなり曖昧な記憶なので所々は間違っているかもしれないが、大体はこんな感じだ。

 スクショも何も残っちゃいないので、証拠は今のところ私の証言のみとなっている。だがこの情報を自信満々にサイトに載せ始めてから結構経ったこともあって、割と浸透してきているような気がせんでもない。おそらく、武論尊先生自身は一切覚えておられないだろうが、まあ事実は事実なので、今後も恥じることなくサイトには掲載し続けていきたい。