
湧き上がる怒りを拳に乗せ、次々と拳王侵攻隊を葬っていくレイ。その鬼神が如き強さに完全に身をすくませてしまう侵攻隊であったが、隊長ガロンの顔には未だ余裕の笑みがうかんでいた。彼は、対レイ戦の秘策を、そう、レイの弱点を握っていたのである。ガロンの口から告げられたレイ自身にも身に覚えの無い己の弱点。その正体とは・・・
ケンは、その水に毒が入っていること、そしてこの老婆が拳王軍の手先であることを見抜いていたのである。ケンに全てを暴露されたのを合図に、屋根裏に潜んでいた刺客は天井を突き破ってケンに襲撃。素早く傍にあった帽子掛けの先端でケンが男を刺殺すると、今度は奥のテーブルの老人三人組が立ち上がった。彼等は特殊メイクを施して姿を変え、隙を突いて相手を襲うという拳王特殊部隊だったのだ。老婆の剣を、テーブルをひっくり返してガードするトキ。だが病に冒されたトキの体では、ニセ老婆の攻撃を押し返し続けることは出来なかった。テーブルの押し合いに負け、ピンチに陥るトキとマミヤ。しかし、その時、丁度ケンが老人三人組を撃破。ニセ老婆と対峙したケンは、剣の間を上手くすり抜ける蹴りで、老婆の顔面を一蹴し、勝負は決した。しかし、彼等の存在は、ケン達にあることを確信させるには十分であった。拳王の勢力は、もう既にマミヤの村にまで及んでいる・・・いよいよ村のことが心配になってきたマミヤは、ケンに急いで村に戻るよう頼んだ。レイ一人では村を守れない。レイにはアイリという弱点があることをマミヤは知っていたのである。
作戦を台無しにされ怒り心頭のガロンは、自ら出陣することを決めた。ドラム缶いっぱいのガソリンを飲み、自らが剣で起こした火花にそれを吹き付けることで炎を吐くという技・竜吐火焔術にてレイに戦いを挑むガロン。しかしレイの華麗な跳躍は、炎を交わすと同時に、ガロンの腹に切れ目を入れた。転倒したガロンの腹から漏れ出したガソリンは、すぐに自らの炎に引火。轟音と共にガロンは爆死したが、それは新たに訪れる悲劇の幕明け音でもあった。
ガロンの爆発の向こうから、巨大な黒い馬に跨った一人の男が現れた。その瞬間、周りにいた拳王軍達は一斉に額を地に付け、平伏した。その男こそ、世紀末覇者を目指す拳王、ケンシロウの兄・ラオウであった。南斗水鳥拳、愉しませてもらった。そう感想を述べた拳王に対し、ならば貴様にもその真髄を見せてやろうと挑戦状をたたきつけるレイ。だがリンは、拳王の間合いに入ろうとしたレイを制止した。その人、拳王とは戦ってはいけない。リンの中の何かがそう叫んでいた。しかしレイは、拳王との戦いを止めるわけにはいかなかった。ケン、リン、バット、マミヤ・・・自分に数々の恩恵を与えてくれた者達に、レイがカリを返す方法は、彼等のために己が死を賭して戦うことだけであった。| [漫画版との違い] ・ババアの店に3人の老人客(拳王特殊部隊)が追加 ・正体バレた後、ケンが老人3人と戦闘したため、ババアとの戦闘も原作と若干異なる。 ・ババアがデカくない ・ババア、剃り忘れた髭をケンに指摘されるシーン追加 ・原作ではケンは帽子かけを移動させただけだったが、アニメでは手でもって天井から襲ってきた奴を一突き。 ・原作でバットが村に帰ってきたのはアイリ登場前だが、アニメでは村人が奮起した後。 ・原作ではアイリはいつの間にか戦闘中だった、アニメではまず無造作に出てきて、捕らえようとした男を射抜く。 ・レイとガロンの戦闘は、原作では村人も燃えたが、アニメではいきなり炎を飛び越えて腹切って終わり。 ・火闘術が竜吐火焔術に変更 ・ラオウの登場は、原作ではガロンとの戦闘時だが、アニメではガロン死亡後 ・ガロンの死亡時は、原作では走り回っていたが、アニメではダウンして起き上がれないまま爆死 |
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