
不意を突かれたマミヤの村は、あっという間に拳王侵攻隊に制圧されてしまった。彼等に捕まった村人達は皆広場へと集められたが、その中にリンとアイリの姿はなかった。2人は村の外れの小屋の中に身を隠していたのだ。しかし遂に拳王軍の手は2人のいる小屋にまで伸びてきた。捜索に来た男は力強く小屋の扉を開けるが、中はもぬけの殻。リン達の隠れていた部屋は、男が扉を開けた部屋の隣だったのである。しかし安心したのも束の間、男は今度はリン達の居る部屋へ入ろうと、施錠された扉に体当たりを始めた。男の強烈な体当たりによって鍵はどんどんひん曲がっていく。もう駄目か。そう2人が思ったその時、小屋の裏口の扉が開いた。危機に感付くいた村の老人達が、2人を安全な場所に誘導しに来たのだ。拳王軍は村に火をつけた。ここももう危ない。そういって2人が部屋を連れ出されたのは、拳王軍の男が鍵を壊して入ってくるほんの一瞬前であった。
レイが廃墟と化した遊園地に通りかかったとき、砂塵の向こうから現れたのは、重傷を負ったバットであった。力尽きて倒れたバットを急いで抱き起こしたレイは、マミヤの村が既に拳王侵攻隊の手に落ちたという事実を知る。
リンとアイリの二人は、とある袋小路の奥に潜んでいた。弱者は心を無くし、人形のように生きるしかない。かつて地獄を体験したアイリは、完全に戦う意志というものを失っていたのである。だがリンは、そんなアイリの気弱な心を一喝した。希望を捨ててはいけない。ケンやレイがきっと助けてくれる。決して諦めてはいけない・・・ケンに教えられた戦う勇気を、必死にアイリに伝えようとするリン。そのリンの励まし、そしてふがいない自分に対し、、アイリは涙を流さずにはいられなかった。だがその時、その僅かな希望も打ち砕くかのような声が響き渡った。遂に拳王軍兵がリン達の姿を発見したのである。だがその時、リンは咄嗟にそばにあった毛布でアイリの体を覆い隠した。、自分が犠牲になってでも、せめてアイリだけは拳王軍の手から逃れさせようとしたのだ。鉄パイプを振り回し、なんとか自分へと注意を逸らそうとするリン。その作戦は見事に成功したが、リンは拳王軍兵に強烈な張り手をくらい、そのまま広場のほうへと連れて行かれてしまった。幼いリンの大きな勇気を目にしたアイリの目には、再び涙が溢れていた。
悪魔に忠誠を誓うくらいなら死ぬ。そう言って靴を脱ぎ捨てたリンは、まっすぐに炎の鉄板へとむけて歩き始めたのである。悪魔に屈した時、人は人でなくなる・・・そのケンの教えを信じるリンは、奴隷として生きるよりも死を選んだのだ。| [漫画版との違い] ・老人達がリン達を小屋の裏口から逃がし、その後襲ってきた拳王軍二人と戦って時間を稼ぐシーン追加。 ・拳王機動バイク隊とケン達とのやりとり追加 ・リンが捕まるところが小屋の中から袋小路に変更 ・リンに焼印をしようとしたのを止めた長老が、棒で殴打されるシーン追加 ・原作では灼熱ダンスの人は死ぬが、アニメではギリギリで生還。水をかけられて助かる。 |
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