
先代北斗神拳伝承者リュウケンは、次期伝承者を決めるため、巨大な野生の虎を使っての試験を始めた。北斗神拳を使い暗殺者として虎を仕留めてみよとの課題を受けたケンシロウとラオウは、武器一つ持たずに虎の前へ立ちはだかる。最初に虎が反応したのはケンシロウの方であった。虎は、無抵抗に己を見つめ続けるケンに執拗に威嚇を繰り返す。だがケンの一睨みによって虎は戦意を失い、その頭を撫でさせてしまった。生まれながらにして暗殺者の資格を持つケンの眼差しは、獰猛な虎に死を覚悟させたである。次に虎はラオウの方へと歩み寄り、再び威嚇を開始。ラオウを自らの敵だと判断した虎はその巨体を起こし、ラオウへと飛びかかろうとする。しかし次の瞬間、虎は完全に動きを封じられていた。ラオウの放つ凄まじい闘気の前に虎は死を恐怖し、身を硬直させてしまったのである。もはやただの大きな置物と化したその虎の首を、ラオウは力任せに切断。虎に相手にもされなかった愚弟・ケンシロウを一笑に伏し、ラオウはその場を後にしたが、リュウケンは既にケンの暗殺者としての恐ろしき才能に気がついていたのだった・・・
折り鶴を折って子供達と遊ぶユリア。だがその和んだ空気を破壊するかのように現れたのは、ラオウだった。その美しさを我が物にせんと、強引にユリアを連れていこうとするラオウ。しかしその凶行を見かねたトキは、背後からそれを制止した。女に目がくらんだ男の背後を取ることなどたやすい。そのトキの言葉に一瞬怒りを走らせたラオウだが、その場は一旦引くことを選択。だがいずれオレは必ず握る人間になる。その野望の果てにユリアをも手中に収めんことを予告し、ラオウは2人のもとを後にしたのだった
ケン達を迎えるため、薄暗い峡谷へと足を運ぶマミヤ。道中何者かの気配を感じるが、人影はみえない。気のせいかと再び歩き出すが、背後の岩壁には不気味な人影がうごめいていた。岩壁をヤモリが如く移動し、マミヤの前に現れたその男は、拳王偵察隊のシーカーであった。女がケンシロウ一味のマミヤだと感づいたシーカーは、マミヤを殺し、首を持って帰ろうと考えたのである。襲い掛かろうとするシーカーに娥媚刺を投げつけたマミヤは、隙を突いて自らもシーカーを飛び越え、逃走。病人のトキから悪党達を出来るだけ遠ざけようと考えたのだ。しかし既に逃路には、シーカーの部下である偵察隊達の手が回っていた。道を切り開かんと、マミヤは得意のヨーヨーを使って偵察隊と戦闘。なんとか勝利したものの、その戦いは、シーカーが追いつくまでの十分な時間を与えてしまった。偵察隊には通じたヨーヨー攻撃も、シーカーには全く通じず、大ピンチ。長い舌を蠢かせながらマミヤを岩壁へと追い詰めるシーカー。しかし突如頭上から降ってきた蹴りがシーカーの脳天に炸裂した。犯人は、村から戻ってきたケンシロウであった。頭を踏まれた衝撃で自らの舌を噛みきってしまったシーカーは、怒ってケンシロウに襲撃。だが簡単に自らの武器の鉄パイプを奪われてしまったシーカーは、己の武器でしこたま横っ面を連打され、絶命したのだった。敵は倒したものの、既にラオウの手が此処まで伸びてきている事に危機感を覚えるケン。そして次の瞬間、突如ケンの肩当てに謎のヒビが入った。それは、まるで誰かの身に危機が迫っていることを暗示させるかのようであった。
その頃マミヤの村には、もうすぐケン達が帰ってくるとの手紙が届いていた。リンは歓喜して自らの作った花畑へ。そしてバットは門で見張りを続ける者達の所へ報告に走る。だがバットが門番達と談笑していたその時、門の上にいた見張りが何者かに射落とされた。続けざまにバットの横にいた門番も、門の外から突き出された槍にて死亡。バットはその敵襲を知らせるために村の中へと走るが、門をぶち破って入ってきた拳王侵攻隊の凶弾は、逃げるバットの背を容赦なく射抜いた。そして、侵攻隊による深夜の侵略劇が幕を上げたのだった。| [漫画版との違い] ・マミヤがユリアの事を聞いたりトキが補星を見たりする場面の前後が多少逆 ・マミヤがシーカーから逃走し、その後偵察隊の隊員と戦い、倒すシーン追加 ・マミヤがシーカーに弾き飛ばされたのが娥媚刺からヨーヨーに ・原作ではヒビが入るのは左の肩当てだが、アニメでは右 ・ケンがシーカーの鉄パイプを受け止めるのが、背を向けたままに ・マミヤの村にケンからの手紙が届き、その直後に拳王侵攻隊が村に来るシーン追加。 |
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