
黒王号に跨り、漆黒の夜空を眺める世紀末覇者・拳王。寄り添う2つの星を見た拳王は、時代が動こうとしている事を予感していた・・・
ケン達の帰りを待つカサンドラ兵達の顔には、不安が漂っていた。拳王決死隊・・・先程監獄塔へと突入していった彼等の強さを知るカサンドラ兵は、ケン達の身を心配せずにはいられなかったのである。ウイグルにも勝ったケン達なら勝てるかもしれない。そう言って光明を見出そうとするカサンドラ兵達だったが、その次の瞬間、突如彼等の体を巨大な影が覆った。死んだはずのウイグルが墓穴の中から起きあがってきたのだ。「カサンドラにはもう一つ伝説がある・・・最後にカサンドラは荒野に戻る・・・」そう語り終えたウイグルは、体を2つに割って再び墓穴の中で絶命。獄長の残した言葉に困惑する兵達。しかしその直前に広前と帰ってきていたライガフウガは、その伝説を知っていた。『監獄塔落ちる時、カサンドラ荒野に還り。生きとし生ける者全て無に帰す・・・』これが獄長の言う第二のカサンドラ伝説の全貌だったのた。もしかしたら拳王がカサンドラに仕掛けを施しているのではないか・・・ライガ達のその予想は、直ぐに的中した。ケン達のいる監獄塔が、突如轟音を響かせながら崩壊し始めたのだ。
ライガとフウガを監獄塔の前で待っていたのは、拳王決死隊隊長ブルグであった。トキとケンシロウを監獄塔から出してはならない。そう命じられているブルグは、ケンを助けに向かおうとしているライガ達を通すわけにはいかなかったのだ。2人が自らの命令に従わぬと知ったブルグは、壁に仕掛けられたスイッチを作動。その瞬間、塔に仕掛けられたカラクリが作動したかと思うと、ライガ達の頭上に巨大な岩の塊が降ってきた。その岩でケン達の出口を塞ごうとしたのだ。だがライガとフウガは、その自らの数十倍はあろうかという岩を受け止め、出口を守った。ミツを見殺しにしてまでも救世主に賭けた2人の信念は、自らの命をいくらでも差し出す覚悟を決めていたのである。しかし大岩を支えて動けぬ彼等には、ブルグの振り下ろした太刀をかわすことは出来なかった。容赦ないブルグの斬撃が2人を襲う。そして数分後、塔から脱出したケン達が見た物、それは大岩を支えたまま絶命したライガとフウガの姿であった。彼等はブルグの剣を喰らい、絶命しても、ケン達のために出口を死守し続けたのである。自らを救うために死んだその2人に涙したケンは、全ての元凶である拳王に死を与えることを約束したのだった。
一緒にカサンドラを出よう、そう約束したはずのライガ達の死を知り、悲しむタカ。その哀しみを嘲笑うかのように、カサンドラの出口には、既にブルグと拳王決死隊達が陣取っていた。何人たりともカサンドラからの出獄を許してはならぬとの命を受けている決死隊達は、拳王という恐怖の存在に後押しされ、ケンシロウ達に突撃を開始。しかしケン、レイ、マミヤ、そしてタカ率いるカサンドラ兵や囚人まで加わった大人数の前に歯が立たず、あっと言う間に残るはブルグだけとなってしまった。ブルグの渾身の太刀を片手で防いだケンは、そのまま連撃を炸裂。しこたま殴られた上に動けなくなる秘孔を突かれたブルグは、タカの怒の刃を喰らい、絶命したのだった。| [漫画版との違い] ・ライガ達大岩を支える、ウイグル再起動、壁の血のシミを見せるといったシーン以外はほぼアニメオリジナル。 ・トキが、周囲の壁に滲んだシミをケンに見せ、崇山通臂拳の男を例に拳王の暴挙を話すシーンは削除。 ・↑のかわりに、監獄塔が崩れ落ちた後、廃墟の中の壁の一部を指して似たようなシーンが追加。 ・ウイグルが墓穴から起き上がるイベントは、原作ではトキを助ける前だが、アニメでは後。 ・ウイグルが起き上がった時に喋る台詞が「トキとケンを会わせてはならぬ」から、カサンドラが荒野に返る伝説に変更 ・ライガ達が大岩を支えるのが、トキの牢への通路確保から、脱出口の確保に変更。 ・岩を落としたのもザルカ達からブルグに変更。 ・拳王がラオウと判明したとき、リュウケンの問いにラオウが天と答えるシーンが登場。原作では虎殺しの試験後。 |
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