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[第42話]
明日なき世紀末!
ケンおまえを待っていた!!


 カサンドラに平和が訪れたことを、埋葬したミツに伝えるライガとフウガ。2人は早速ケンシロウをトキの牢へと案内しようとするが、皆の歓喜を切り裂くかのように拳王親衛隊の連中が現れた。リーダー格のザルカ、カシムが命令すると、囚人達は再びその腕に鉄鎖を付け、兵士達は武器を取ってケン達を取り囲んできた。拳王親衛隊の存在から拳王の足音を感じ取った彼等は、再び拳王と言う名の恐怖の鎖に繋がれてしまったのである。しかし、その様子を見たケンは、側にいた囚人の鉄鎖を引きちぎり、その場にいる全員を一喝した。鎖につながれ恐怖に怯え、それで人間といえるのか!己の信念を貫いて生きるという事を、ケンは彼等に教えたのである。

 ケンの挑発をうけた拳王親衛隊は、一斉に広場へと向けて進撃を開始。ケン、レイ、そしてライガフウガは親衛隊達を圧倒するが、実力で劣るマミヤは一瞬の隙をつかれ、ピンチに陥ってしまう。だがその刃からマミヤを守ったのは、先ほどまで恐怖におびえていたカサンドラ兵達であった。彼等はケンの喝によって、拳王の恐怖を吹き飛ばしたのである。そしてその士気は囚人達にまでも伝染し、ついに広場は一部の隙間もないほどの戦場と化したのであった。自らの軍の不利を感じ取った親衛隊のザルカとカシムは、トキの牢への通路を塞ごうと獄内へ。それを見たライガとフウガ、そしてケン達もその後に続いてトキのもとへ。

 トキの牢へと向かうライガとフウガの前に、ザルカとカシムが立ちはだかった。ライガ達に拳王の命令に従うよう最後の説得を試みるザルカ達。しかし、ケンを救世主と信ずる2人は、当然首を縦に振ろうとはしなかった。説得が無駄だと判断したザルカは、おもむろに右手を挙げ、何かに合図を送った。すると次の瞬間、どこからともな飛来した無数の糸が、ライガとフウガの体を縛りあげてしまった。犯人は、ライガとフウガの師であるソウジンであった。ソウジンやライガフウガを含む風雷門の一族は、拳王に終生使えることを誓った。その掟を破ったライガ達を止めるためにソウジンはこのカサンドラへと来たのである。だが2人の救世主に賭けた思いは、師の言葉でさえも変えることは出来なかった。救世主と敬われるケンシロウを倒すせばすべて片が付く、そう考えたソウジンは、かつての弟子2人を残し、風のように消え去った。

 縛られて動けないライガ達に対し、ザルカとカシムは棘付きの棍棒で容赦ない攻撃を開始。だがとどめとばかりに突き入れてきた彼等をドロップキックではじき飛ばした2人は、糸が縛り付けられている石柱をパワーでへし折り、再びトキの牢へと向けて走り出した。残されたザルカとカシムは、ケンとトキの遭遇を防ぐため、再び牢へと先回りをする・・・

 広間へとやってきたケン達に、突如何者かが襲いかかってきた。不意打ちの鋼線攻撃をかわしたケンとレイは、互いに2対1の勝負に圧勝。彼等はソウジンの弟子達であった。後を継いで現れたソウジンは、弟子の仇のため、そして自らの主・拳王のためにケン達と対峙する。だがその時、捕縛から逃れたライガとフウガが現場へと現れた。無益な戦いを止めようと、ソウジンを説得する2人。だが自らがケンを信じ続けるが如く、ソウジンもまた拳王への忠誠を裏切ろうとはしなかった。ソウジン先生は己達の越えねばならない壁、そう決意し、師へと向かって突撃する2人。しかしソウジンの風雷十極拳の前に、2人は接近することすら出来ず、吹っ飛ばされてしまう。だが今のライガとフウガはソウジンの知る昔の2人ではなかった。ケン達と出会い、為すべき事を得た2人は、捨て身の勇気というものを知ったのである。鋼線を喰らいながらも前進し続けた2人は、ついにその鋼線を破壊し、ソウジンと交錯。膝を付いたのは2人、しかしその肉を断たれたのは師の方であった。

 トキは最上階にいるとの情報を聞いたケン達は、深手を負ったライガとフウガをその場に残し、トキの元へ。螺旋階段を登ったケン達を待っていたのは、先の見えぬ暗闇の通路と、その先から放たれる荒い殺気であった。予想通り放たれてきた手裏剣を簡単にキャッチし、無造作にそれを投げ返すケン。レイが側にあったカーテンを剥ぐと、そこには投げ返された手裏剣で貼り付け状態にされたザルカの姿があった。ケンの超人じみた能力に驚愕するザルカ。しかし拳王の命令によって引くことは出来ないザルカは、首長処刑刀術にてケンに立ち向かってきた。刀を高速で回転させ、ジリジリとケンへと接近するザルカ。しかしケンにとってはその刃の動きも止まって見えていた。回転する刃の隙間から何度もパンチを放たれ、吹っ飛ばされるザルカ。ケンが向けてきた刃をキャッチし、首長刀迅術にて再度刀を奪おうとするも、ケンのパワーから刀を奪い返すことなど出来るはずもなかった。結局何もできぬまま顔面を貫かれてザルカは死亡。それを見た相棒のカシムは、もはやトキを殺すしかないと牢屋へ走り出すが・・・

 トキを捕らえたカシムは、その首元へと刃を近づけ、ケンを脅迫。しかしケンは微動だにせず、逆にトキを殺してみろとまで言い放った。言葉通りさらに刃を近づけるカシム。しかしその切っ先が首に刺さると、突如トキはカツラをとって、正体を現した。ケンはその男が本物のトキでないことを見抜いていたのだ。演技を拒絶した偽トキを一刀両断したカシムは、自らの狙いが時間稼ぎをする事であったことを告白。この間に別働隊が本物のトキを連れ出す手筈になっていたのである。だがケンが秘孔 頭顳を突くと、カシムの指はあっさりとトキの居場所を暴露。裏切りの罪で殺されるという恐怖におびえるカシムだったが、既にその肉体は死んでいたのだった。

 丁度その頃、拳王親衛隊の別働隊がトキの元へと到着していた。だが連れ出そうというその時、彼等の背後の壁に突如ヒビが。カシムの指差した壁をケンが今にもぶち破ろうとしていたのである。もはやトキを殺すしかない。そう考えた別働隊は、座禅を組むトキへと向かって刃を振り下ろした・・・

放映日:85年9月5日


[漫画版との違い]
・原作の「ライガ達がミツと共にカサンドラ崩壊を祝う」が「ミツを墓に葬りながらカサンドラ崩壊を報告」に変更
・広場で、拳王親衛隊と、ケン、レイ、マミヤ、ライガフウガ、カサンドラ兵、囚人達が戦うシーン追加
・ソウジンとのやりとりのシーン追加
・ライガ達の頭上に大岩を落とされるのが、トキの牢へ案内する時から、脱出口を確保するために変更(次回)
・ライガ達が棘棍棒で殴られるのは、原作では大岩を支えている時だが、アニメではソウジンの鋼線に巻かれて動けない時
・獄長が起き上がるシーンは今回は無し。次回に。
・ザルカが貼り付けにされた手裏剣は、原作では壁に刺さったままだが、アニメでは貼り付けから逃れるときに落ちる。
・首長処刑刀術を破ったのは、原作では蹴り一発だが、アニメではパンチ連打(殴られてもずっと刀は回転)
・偽トキの男に髭が無い


・キャラが
ケンシロウ 「鎖に繋がれ恐怖に怯え、それで人と言えるのか!
        悪魔に屈したとき、人は人でなくなる!
        その場の状況に流され続けるつもりか!
        人は、己自信のために闘うのだ!!」

・・・あんたそういうキャラだっけ?
・キャラが

拳王親衛隊の相手を引き受けると言ってくれたカサンドラ兵に対して、
ケンさん
親指立てて「たのむ!」
・・・あんたそういうキャラだっけ?


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