TOP

ミスミ(スミス)



登場:原作(2〜3話)TVアニメ版(2話)
肩書:種モミを探す老人
CV:槐 柳二(TVアニメ版)
   茶風林(PS版)
   平井啓二(真北斗無双)
   松山鷹志(DD北斗の拳2)

 村の食糧不足解決のため、半年かけて種モミかき集めた老人。その貴重な種モミをスペード一味に奪われそうになっていたところをケンシロウに救われ、助けをかりながら村へと戻ることが出来た。
 だがその直後、復讐に燃えるスペード一味が村を襲撃。スペードの投げた槍に胸を貫かれ、最期に駆けつけたケンシロウに、この種モミを実らせて欲しいと言い残した。その後、ケンによって墓を作られ、種モミはその墓上に撒かれた。

 TVアニメ版では、名前がスミスに変更。一旦タネモミをスペードに奪われるも、バットの活躍によって取り返すことが出来た。

 『北斗の拳4 -七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ-』では、見事にタネモミが実り、墓の周りに畑が出来ている。




 「今日より明日なんじゃ」の一発屋で、託した種モミをテキトーにパラパラ撒かれた可哀想なおじいちゃんというイメージがあるミスミ翁。だが、北斗の拳という作品における彼の重要性は計り知れない。
 連載中、武論尊氏が最も印象に残っている回として度々挙げているのが、このミスミが登場した第二話だ。第一話でケンシロウという人間や世界観、北斗神拳という設定が確立され、そしてこの第二話では、北斗の拳という作品の方向性が決まる回となった。己の命を顧みず、未来だけを見つめて生きる老人、ミスミ。彼を見てケンシロウが口にした「久しぶりに人間にあった気がする」というこの台詞が、北斗の拳という作品が今後描いていくべきテーマとして決まったのだという。人の心が失われつつある荒廃した世界の中で、出会うべき「人間」を探して旅を続ける。そんなケンシロウの生き様を決定図付けたのが、このミスミというキャラクターなのだ。もし彼がいなければ、北斗の拳は、ただひたすらケンシロウが武を極めるためだけに戦い続ける、トーナメントだのチームバトルだのといったありきたりな設定を消化していくだけの作品となっていたかもしれない。それはそれで見てみたいが。

TVアニメ版では何故か「スミス」に名前が変更されていたが、ミスミでもスミスでも、どちらにしても最後までケンシロウは名前を覚えてくれなかったようなので、どうでもいいだろう。