幻闘編 孤高の拳士組、第四回。
お次はこの組の中では最も「孤高」の人っぽい
リュウガお兄ちゃんです。
まず性能のほうですが、ハッキリ言って
天狼兄さんには勿体無いレベルだと思う。私がキャラの性能を判断する際に重要視するのは「コンボの使い勝手が良いかどうか」なのだが、リュウガはその中でも最上位キャラだと言ってもいい。突進しながら広範囲をザクッと円状に掻くというこの技は、見た目の格好良さも備わって実に使っていて気持ちがいい。他にバリエーションが無いのは残念だが、殴る蹴るといった攻撃が(少なくとも作中では)存在しない、「削ぐ」という一点に特化した天狼拳の特徴をよく捉えていると思う。
難点なのは、強敵とのバトル。各キャラにはタイマン用奥義というものがあり、リュウガにも、
孤狼衝天撃なる、「敵の体に拳を突き刺してそのまま後方にぶん投げる」という豪快な技が用意されているのだが、ハッキリ言ってこいつがクソ。どういう条件なのかは解らないのだが、
敵を放り投げる所の地形によってノーダメージに終わるというバグが多々発生するのだ。体感では10回に1回くらいの頻度で起こっている気がする。
ま、リュウガが完璧超人になるのもそれはそれで悔しいので、これくらいのポカがあったほうが「らしい」のかもしれん。
では本編。
核戦争以前―――。
リュウガの城を訪ねてきたのは、妹の
ユリアであった。
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自分の周りに不穏な空気が漂い始めていること。それを受け、自分が北斗道場で暮らすことになったことを兄リュウガに報告し、これが今生の別れになるかもしれないと涙するユリア。 |
そら狙撃されたら弱気にもなるわな (フドウの章第3話参照)
と、その時、轟音とともにリュウガの城が大きく揺れた。
最終戦争が近づいていることを受け、箍を外して暴れまくる暴徒達が、金目のものを狙ってリュウガの城へと攻め込んできたのである。
文明崩壊前なんだから金欲しかったら銀行とか襲えよ。
っていうかなんでコイツ文明崩壊前に自前の城もってんだよ。
ならず者達を蹴散らした後、見ての通りのご時勢だから早く北斗寺院に身を隠したほうがいいとユリアを送り出すリュウガ。だが彼は知っていた。その北斗寺院に、ユリアが想いを寄せる人物がいることを。その男とユリアが幸せになることを心から願うリュウガであったが、このユリアの居候事情は、リュウガにとっても無関係ではなかった。
天狼は乱において、天帝の使者となりて北斗を戦場へ誘う
言い換えれば、北斗と天狼が交るのは乱が起こる前兆―――
そんな天狼である自分の妹が、よりにもよって北斗の者と結ばれようとしているという事実に、リュウガは言いようも無い不安を感じるのであった。
北斗南斗が一つになったら平和になるんちゃうんか
数日後、リュウガは
北斗道場へと訪れていた。
想像で不安を募らせてても埒が明かないと踏んだリュウガは、時代のカギを握る北斗の男達と直に対面することで、その器を見定めようと考えたのである。
またまた〜そんな事言って
本当は妹の事が心配なんでしょ?
己の正体を悟られまいと、至極丁寧な物言いで見学希望者を演じるリュウガ。
だが通された先にいた
ラオウ様、そして
トキも、この男がただの見学者ではないことを、一目で見抜いていた。
まあこんな格好してる見学希望者とかいねーしな
やっぱ戦前から城に住んでる人は普段着からして違いますわ。
ラオウ様とトキの発する圧倒的な闘気に臆しまくりながらも、勇気を振り絞って立会いを所望するリュウガ。前哨戦にと嗾けてこられた門下生達を蹴散らした後、二兄弟と闘い、一応の「勝利」を収めたリュウガであったが、そんな彼に浴びせられたのは、
「俺もトキも力を出し切っておらぬ」という、ミもフタもない拳王様の言葉であった。
二人の底知れぬ強さを目の当たりにしたリュウガは、改めて時代が北斗を必要としていることを確信し、道場を後にするのであった。
・・・・あ、本当に妹の事興味ないんだ。
妹のカレシがどんな奴とか興味ないのね。
そんなことより時代の行く末を憂うほうが大事なのね。
マジメやなー
リュウガの願い空しく、世界は核の炎に包まれた。
続けて空しく、ラオウ様やサウザーの蜂起により、世は乱世と化した。
果たしてこの世界を治めうる大木は誰なのか・・・
世紀末に名を馳せる数々の男達をその目で見定めんとする大木マニアなリュウガは、
覇権派と和平派の二派に分かれて争う南斗六聖拳の合戦場へと足を運ぶのだった。
あれ!?来るのがワンテンポ遅くない!?
南斗の章じゃ南斗が分裂する前に侵攻してきてたよね。
でもって
リュウガ1人でサウザー+シン+レイ+ユダ+シュウ+フドウを相手に戦うっていう可哀想なことになってたよね。
あの無茶な一騎駆けの真相がわかると思ったのに歴史改竄されちゃったよ。
なんとなく和平派に味方する展開となり、覇権派を相手に天狼拳を披露するリュウガであったが、その最中においても彼の頭には
南斗の男達を人間観察する事しかなかったのであった。
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「殉星のシン……愛に生きる男
奴が欲するのはただひとつの愛のみか……」 |
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「義星のレイ……人のために生き、散る宿命
乱世に覇を唱える人物ではない……」 |
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「妖星……裏切りの星か
奴が好むのは乱……平和ではない」 |
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「仁星のシュウ……時代を治める器ではない
この男は時代を未来へ託す男だ」 |
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「あの大男は慈母星に仕えているという
だが、正体は謎……器など測れるはずもない」 |
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「サウザーが目指すは情愛なき世界……
それでは乱世と何も変わらぬ……」 |
人を簡単に値踏みしちゃう人って感じ悪いよね
一通り南斗を鑑定し終えた結果、
やっぱ北斗じゃなきゃダメだなということに改めて気付かされたリュウガは、原点回帰とばかりに
ラオウ様のもとへ。だが慎重姿勢のリュウガは、すぐにラオウ様に頭を下げようとはせず、もうちょい見てから判断させてほしいと、ラオウ様に情熱大陸ばりの同行取材を申し込むのであった。
頑なな決意に思えた慎重姿勢は、無抵抗主義の村での一件でアッサリと懐柔され、晴れてリュウガも拳王軍の一員に。
そんな彼に与えられたファーストミッションは、
天帝の村への侵攻であった。
この世を治めうるとされる存在、天帝。そしてその守護拳である元斗皇拳が相手とあって、士気の高まるリュウガ。
だが拳王軍の将として華々しいデビューを飾るはずであったその戦は、進軍中にたまたま遭遇した
アイン傭兵団の掃討というしょーもない内容に変更されてしまうのであった。
雑用人生の始まりやね
余計な戦をはさんだものの、拳王軍は予定通り天帝村へと到着。
無双という響きに触発されたのか、やけに好戦的な拳王軍は、
戦うか退くがどちらか選ばせることも無く、問答無用で村人たちに襲い掛かるのであった。
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「村人の血は一滴も流したくはないのだ」 |
もうレッドバレーでゴルフできるくらい殺しちゃいました。
すいません。
まあファルコが
村の最奥で待ち構えてるのが悪いんだけどね。
交渉するなら最前線にでてこんかい。
お得意の大量殺戮で村人達を肥料へと変えた後、ようやく姿を現した
ファルコに対し、リュウガは厳しい一言をつきつける。
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「この乱世は強大な力のみで治まる!
村に籠もり、時を費やしても何も変わらぬぞ」 |
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「正論だ……だが、俺は村とともに戦う
老いた母を守るために」 |
開き直っちゃったよ
天帝人質にとられての愚行ならまだわからいでもないけど
オカンが心配やから動かれへんって、それは甘えすぎ。駄目すぎ。
戦闘終了後、今の今までバチバチにやりあっていたのがまるで白昼夢であったかのように、今更ながらの撤退交渉を開始する拳王様とファルコ。
結果、ファルコが右足を差し出すことで、この場は拳王軍が退くこととなった。
だがそれは、リュウガが知るラオウのやりかたではなかった。
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「甘くはございませぬか……」 |
しかしラオウ様が村を見逃したのは情ではなかった。
己の前にしても怯まず、己を貫いたファルコの強い意志・・・・
それは、無抵抗主義の村長が見せた媚の心とは対極に位置するものであった。
ただ時代のままに生きるだけでは死んでいるのと変わらない。
己の宿命のままに生きるだけでは何も変わらない。変えることは出来ない。
ただ北斗を導くだけでなく、自分の意思で時代を動かすこと・・・・
それこそが天狼に与えられた真の役目であることに、リュウガは今初めて気付かされたのであった。
ハッとした時の天狼兄キのブサ顔
いただきましたー
ついに運命の時は訪れる。
かつて北斗道場に訪れた際には全くの無関心であった北斗の末弟・
ケンシロウと、改めて対面を果たしたリュウガは、その男の中に、ラオウ様に匹敵する器を見る。
ケンシロウもまたこの世を治めうる大木たり得るのか。
そしてこの世に真の平安をもたらすのは果たしてどちらの大木なのか。
リュウガがそれを見定めるには、ケンシロウと拳を交えるより他になかった。
怒りをその身に纏った、本気のケンシロウの拳を・・・
え、ちょっとまて、この展開、もしかして
あの猟奇的大量惨殺事件をこの手で再現しろと?
いやいやいや、流石にそれは・・・
ちょっと道徳的にどうかとも思いますし・・・
自分まだ腹も割る覚悟ないんで・・・
・・・・え? ・・・あ、違うの?
トキの村の方?
ああ・・・そうですか。
チェッ
リュウガが数年ぶりに再開したトキの姿は、かつて北斗道場で目にした時とは別人へと変わり果てていた。ラオウ様との闘いで死力を尽くし果て、立つことすらままならなくなったトキなど、今のリュウガの敵ではなかった。
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「ケンシロウに伝えろ
トキを取り戻したくば、俺の城に来いとな」 |
リンにそう伝言を残した後、リュウガは己が行った悪行へのけじめをつけるため、そして自らの天狼の宿命に幕を下ろすために、自らの腹を割くのであった。
え、今ごろ割腹?遅くね?
トキが目覚めた時、そこはリュウガの城の中であった。
リュウガは、トキの急所を外していたのだった。
彼がトキを襲い、トキ殺しの汚名を被った理由。
それは、ケンシロウの怒りを引き出し、真の力を見極めるためであった。
そしてその男の足音は、もうすぐそこにまで迫っていた。
目覚めたトキを奥へと隠れさせ、ケンシロウとの闘いへと臨むリュウガ。
その男の拳は、自らの想像を越える程に強く、大きかった。
あのラオウすらも凌ぐほどに・・・
かつてリュウガがラオウより告げられた言葉。
「うぬは宿命に甘んじてはおらぬか」
天狼の宿命は北斗を導くこと・・・・
そこにリュウガの意思は無かった。
だが今、リュウガはその宿命を越えた。
戦いの後、トキの口より全ての顛末が語られたことによって
ケンシロウはまたひとつ大きな哀しみを背負い、またひとつ強くなった。
やがてそれは、ラオウをも越える力をケンシロウに齎すことになる。
リュウガは、北斗を誘うだけでなく、北斗と共に時代を誘ったのであった。
宿命を全うして天に帰った二人の男。
その凄絶な最期を見届け、ケンシロウは再び荒野へと旅立つのであった。
〜リュウガの章 完〜
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「トキ……まだ……生きているか?」 |
死んでねえのかよ!