ラオウ伝 激闘の章 |
ストーリー | 登場人物 | 流派・奥義 | STAFF |
ラオウ伝 激闘の章 |
は2007年4月28日より全国”追悼”ロードショーとして劇場公開されたアニメーション映画作品。配給はデスペラード。全五部作で製作された真救世主伝説シリーズの第三弾にあたる。同年9月28日にはDVDも発売されている。 ストーリーは原作の五車星登場からラオウ没までをほぼそのまま踏襲して作られたような内容。ギラクの存在や、バルガがやけにしゃしゃり出てきているという点はあるが、同シリーズの中においては一番オリジナル要素が少ない作品となっている。真救世主伝説シリーズは、原作で語りきれなかった部分を描くことで真の物語として蘇らせるという謳い文句であるが、この作品に限っては、改めて「原作の素晴らしさ」を愉むための作品であると言ってもいい。 前作「ラオウ伝 殉愛の章」では半主役的存在だったレイナは、本作では頭とラストにのみ登場するチョイ役に。だがその僅かの出番の中に、本作の最も印象深いシーンが含まれているため、正直言ってこれだけで前作の活躍を超えたといっても過言ではない。戦う女が剣を置くと魅力が半減するものだが、これはその定石を打ち破った数少ない事例とも言える。また、彼女に同伴する赤鯱の声は角田信明氏があてているのだが、本家の声優もまっ青な程に上手い。 本作の完成度を高めているのは、やはりラストが拳王様の御逝去で締められている点が大きいだろう。原作のこれ以降のストーリーの面白さを度外視しても、やはりひとつの物語の完結としてこれ以上の締めはそうそうお目にかかれない。だからこそこの五部作の順番が悔やまれる。これだけ綺麗に締められているのに、次作でまたトキとラオウの戦いを見さされるというのは、興醒めだと言わざるを得ない。原作で一旦完結しているので然程気にならないという意見もあるだろうが、制作側がこの「真救世主伝説シリーズ」を単なる原作の焼き直しにしないという誇りを持って作っていたのであれば、そこには絶対に拘って欲しかった。 なお、当作品の劇場公開を記念する形で、2007年4月18日に高野山東京別院にて、『ラオウ昇魂式』が執り行われた。連載当時に行えなかったラオウ様の葬儀を、このラオウ伝 激闘の章での御逝去に合わせて改めて行おうという試みであり、多くの著名人も弔辞を寄せたこのイベントは、メディアでも大きく取り扱われた。式の模様は、ネット配信もなされた他、DVDの特典ディスクにも収録されている。同4月24日には大阪厚生年金会館芸術ホールにて「ラオウ昇魂・告別試写会」も行われたが、こちらのほうは東京と比べると規模は小さかったようだ。 |
公式サイトキャッチコピー |
それは宿命なのか 覇者と救世主。 拳王と伝承者。 そして兄と弟。 北斗の兄弟は、最後の闘いへと導かれていく―。 フドウとラオウの誇り 強敵たちとの出会いと別れ ユリアとレイナの愛 そして ラオウとケンシロウの最後の闘い あの時の感動が、興奮が、今甦る! 憎しみでもない、怒りでもない 残されたのは―――愛 |